執筆陣
『DENON AVC-X6800H』繊細さと重厚さを見事に両立!13.4chプロセッシング/11chアンプ内蔵。デノンの一体型AVセンターの中核機が大幅進化
国内メーカーで目下、もっとも多くのAVセンターの製品ラインナップを有するのがデノンだ。それら製品群は、ここ数年で型番の下3桁が順次800番へと進化を遂げてきており、そのしんがりといっていいのが、この度発表されたAVC-X6800Hである。昨年発表され、本誌主催HiViグランプリにおいて〔ゴールド・アウォード〕を獲得したAVC-A1Hに次ぐポジションのトップエンド機が本機であり、2020年末にリリースされたAVC-X6700Hの正常進化版といってよい。そこには前述A1Hのエッセンスが注がれるとともに、コストパフォーマンスを重視した跡もうかがえる。今回はその量産前の個体を聴く機会を得たので、...
執筆陣
『TAD-GE1 / TAD-ME1』映画の緊張感が絶品!ニッポンスピーカーの雄、TADの最新機TAD-GE1を核に4.0ch再生に挑戦【映画に感動をもたらすスピーカーシステム 】
TADスピーカーの真骨頂は、中域/高域再生を担う「CST(コヒーレント・ソース・トランスデューサー)」にあるといって過言でない。2つのドライバーユニットを同軸構造で配置し、TAD-GE1は250Hz〜100kHzという実に8.5オクターブの広帯域をひとつのドライバーが受け持っていると見做せる点音源同軸ユニットである。
Speaker System
TAD
TAD-GE1 (写真左)
¥5,500,000(ペア)税込
●型式:3ウェイ3スピーカー・バスレフ型
●使用ユニット:35mmドーム型トゥイーター/140mmミッドレンジ・同軸、180mmコーン型ウーファー×2
●クロスオーバー周波数...
執筆陣
生々しく蘇る怪鳥音に心が鷲掴みにされた!『燃えよドラゴン』をオーラ「VA 40 rebirth」で味わう。オリジナルモノーラル音声の〈強い音〉に感激
今秋のAVコンポーネントの中で私が最も注目している新製品のひとつが、「オーラVA 40 rebirth」だ。ある程度オーディオキャリアのある人にとって少々懐かしさを感じるこの型番機は、1980年代終わりから1990年代初めにかけて一世を風靡した(というといささか大袈裟だが)、ファンクションを極力省いたシンプルな薄型プリメインアンプで、ブランド創立35周年のアニバーサリーモデルとしてこの度復活。かつて英国、韓国と製造国が変遷したが、今回はメイド・イン・ジャパンとなる。
今回私に与えられたミッションは、このVA 40 rebirthを使ってその映画適性を探れというもの。しかもHiVi誌創刊4...
執筆陣
リッチでスペクタキュラーなサラウンド再生が想像/創作の音響世界に「血」を通わせる。これこそ一体型AVセンター魅力機 Marantz CINEMA 40の実力だ【HiVi流『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』最高再生術】
超弩級のセパレートAVセンターAV10+AMP10が話題のマランツ。しかしながら、その流れを汲んだ一体型機CINEMA 40の存在を忘れちゃいけない。11.4chプロセッシング対応9chパワーアンプを搭載したその高い完成度は、現状のAVセンター市場を見渡して、コストパフォーマンスという点で最もバランスの優れたモデルのひとつというのが私の認識だ。そこで今回は本機を使って『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のサラウンドサウンドを存分に楽しんでみたい。
本作のサウンドデザインは、いわばすべて想像/創作の上で成り立っている。その音にいかに“血”を通わせるかがAVセンターの重要な役割といえそうだ...
執筆陣
エステロン&ソウリューションで超弩級ステレオシステムを構築。大画面映像に比肩する超強力音響が圧巻だ!【HiVi流『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』最高再生術】
スペクタキュラーなSFアドベンチャー作という括りでは、到底推し量れない雄大なスケール感を有した『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』。
その非現実の映像空間に張り巡らされたサラウンドサウンドは、ほぼすべての情報が想像・創作の上で成り立っている。それをマルチチャンネル再生環境で鳴らしてこそ、仮想現実のようなバーチャル・リアリティ感が醸し出されるわけだが、私が今回臨んだのはステレオ再生。しかもハイエンドスピーカーを核とした超弩級システムでの大画面再生である。エステロンのXB Diamond Mk IIがその主役だ。
SPEAKER SYSTEM
estelon
XB Diamond Mk I...
執筆陣
画期的。Roonサーバー機能を追加した高音質ミュージックサーバー登場!「fidata AS2」
アイ・オー・データ機器が展開するハイファイブランドfidataのニューモデルfidata AS2(以下、AS2)は、従来からの呼称であるNAS(ネットワーク接続ストレージ)という範疇を越えて、真の意味でミュージックサーバーと呼びたい逸品だ。それもマルチファンクションを備えた高性能なミュージックサーバーとして。
Network Music Server / Transport
fidata
HFAS2-X40
¥1,320,000 税込
●型式:ミュージックサーバー
●接続端子:デジタル音声出力3系統(同軸×1、光×1、AES/EBU×1)、USB端子3系統(USB Type A×3)、L...
執筆陣
ステレオサウンド オリジナルソフトの魅力を語る 名盤ソフト 聴きどころ紹介49/石川さゆり『Transcend』シングルレイヤーSACD
聴きごたえ十分。集大成的な意味合いも込めた歌手、石川さゆりのマイルストーン的な作品
石川さゆりといえば、「津軽海峡・冬景色」や「天城越え」と、即座に曲名が口をついて出てくるくらいの代名詞がある。
それほど象徴的な大ヒット曲があるというのは、歌手としての何よりの強みといえよう。年末恒例の「NHK紅白歌合戦」にも、紅組出演者として2023年時点で歴代最多(45回)を誇り、ここ15年余りは「津軽海峡・冬景色」と「天城越え」を1年置きに歌唱している。そうしていまなお現役で歌い続け、多くの歌手にリスペクトされているレジェンド的存在の演歌歌手、それが現在の石川さゆりの立ち位置である。
Stereo ...
執筆陣
自分だけの高密度劇場!省スペースを実現しながら音は妥協しないスマートな組合せ。エアパルス「SM200」+イヤーメン「Tradutto」「CH-AMP」
往年のオーディオ・コンポーネントの考え方は、自分の気に入ったコンポを買い揃える“組合せの妙”にあった。すなわちプレーヤー/アンプ/スピーカーは個別に用意するのが当たり前だったが、現代のオーディオは少し様子が異なるようだ。というのも、デスクトップオーディオが市民権を得始め、省スペースでいい音が実現できる土壌が整いつつあるのだ。そこで主役になるのは、コンパクトなサイズのネットワーク機能付きDAC内蔵プリアンプとか、パワーアンプ内蔵アクティブスピーカーである。
オーディオ機器のサイズは、一般に横幅430mm前後の、いわゆるフルサイズコンポが今も主流である。また、かつて日本の家庭用オーディオ市場...
執筆陣
ステレオサウンド オリジナルソフトの魅力を語る 名盤ソフト 聴きどころ紹介45/『ハリー・ベラフォンテ・カーネギー・ホール・コンサート』LP
音楽史上に名高い名録音の名盤。
思いの丈を込めたベラフォンテの温かく瑞々しい熱唱が存分に味わえる
1985年に大ヒットしたチャリティーソング「ウィー・アー・ザ・ワールド」の仕掛人の一人がハリー・ベラフォンテであるという事実は、意外と知られていない。自身ニューヨークのハーレムで生まれ育ち、カリブ系黒人の父とジャマイカ人の母を持つ混血黒人であったことから、早くから人種差別や反戦運動等に熱心(しかもかなり強力)に取り組んでいたという。希代のエンターテナーとして本盤で聴かせる聴衆とのインティメイトなやりとりとステージ進行、圧倒的な歌唱力/表現力からは、私たち日本人にはそうした彼の一面……反体制的...
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「CINEMA」の名は伊達ではない!革新を遂げたマランツの新AVセンター製品群登場 MARANTZ「CINEMA 70s」「CINEMA 50」
AVセンター市場におけるマランツのポジションはたいそうユニークだ。スリムモデルNR1711の売上げは単品製品としてナンバーワンを記録しているそうだが、AVセンターの製品構成/ラインナップは、決して王道的なものではない。端的に言えば、ニッチな製品ラインナップなのだ。たとえばNR1711は機能を絞り込んだ薄型モデルであり、HDMI端子を備えたプリメインアンプ的なAVセンターなのだが、本機が市場に与えたインパクトは大きく、「新しい価値観」を生み出したといってよい。
この度、マランツのAVセンターのラインナップが全面的に刷新されることとなった。シリーズ名称も新たに「CINEMA」と銘打ち、これま...
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ステレオサウンド オリジナルソフトの魅力を語る 名盤ソフト 聴きどころ紹介42/『シナトラ・ライヴ・アット・ザ・サンズ/フランク・シナトラ』(LP) Stereo Sound REFERENCE RECORD
粋と伊達、そして華を感じる音に感激! シナトラの傑作中の傑作ライヴを臨場感たっぷりに復刻レコード化
20世紀のアメリカを代表するヴォーカリストは誰かと尋ねれば、多くの人が「フランク・シナトラ」と答えるのではないだろうか。ショービジネス界におけるシナトラの存在はそれほど絶大で、それは私たち日本人の想像を遥かに超えるものだったに違いない。何しろ愛称が“ザ・ヴォイス”なのだから。
俳優としても活躍したシナトラは、半世紀以上の芸歴の中で実に多くのアルバムを輩出した。デビュー当初のハリー・ジェームス楽団やトミー・ドーシー楽団等の専属期以降は、シナトラの伴奏サポートといえば、ほぼお抱えといっていい編...
執筆陣
洗練された外観とは裏腹の実に説得力の高いサラウンド音響を満喫!─ ピエガ」5.1ch ─
こんにちマルチチャンネル再生に対応したサラウンドスピーカー群をラインナップしているメーカーは決して多くない。スイスを拠点にグローバルな人気を博し、ここ日本でも熱心な愛用者の多いピエガはそのひとつだ。昨年新たにラインナップに加わったACEシリーズは、TMicroシリーズに代わるエントリーライン。今回はコンパクトなACE30をリアスピーカーに回し、トールボーイ型のACE50やセンター専用機ACE Centerと合わせてサラウンドシステムを組んでみた。
高性能リボントゥイーターを細身エンクロージャーに搭載
シリーズ共通の特色は、アルミ押出し材によるエレガントで洗練された細身のエンクロージャーと...