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自分だけの高密度劇場!省スペースを実現しながら音は妥協しないスマートな組合せ。エアパルス「SM200」+イヤーメン「Tradutto」「CH-AMP」
往年のオーディオ・コンポーネントの考え方は、自分の気に入ったコンポを買い揃える“組合せの妙”にあった。すなわちプレーヤー/アンプ/スピーカーは個別に用意するのが当たり前だったが、現代のオーディオは少し様子が異なるようだ。というのも、デスクトップオーディオが市民権を得始め、省スペースでいい音が実現できる土壌が整いつつあるのだ。そこで主役になるのは、コンパクトなサイズのネットワーク機能付きDAC内蔵プリアンプとか、パワーアンプ内蔵アクティブスピーカーである。
オーディオ機器のサイズは、一般に横幅430mm前後の、いわゆるフルサイズコンポが今も主流である。また、かつて日本の家庭用オーディオ市場...
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ステレオサウンド オリジナルソフトの魅力を語る 名盤ソフト 聴きどころ紹介45/『ハリー・ベラフォンテ・カーネギー・ホール・コンサート』LP
音楽史上に名高い名録音の名盤。
思いの丈を込めたベラフォンテの温かく瑞々しい熱唱が存分に味わえる
1985年に大ヒットしたチャリティーソング「ウィー・アー・ザ・ワールド」の仕掛人の一人がハリー・ベラフォンテであるという事実は、意外と知られていない。自身ニューヨークのハーレムで生まれ育ち、カリブ系黒人の父とジャマイカ人の母を持つ混血黒人であったことから、早くから人種差別や反戦運動等に熱心(しかもかなり強力)に取り組んでいたという。希代のエンターテナーとして本盤で聴かせる聴衆とのインティメイトなやりとりとステージ進行、圧倒的な歌唱力/表現力からは、私たち日本人にはそうした彼の一面……反体制的...
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「CINEMA」の名は伊達ではない!革新を遂げたマランツの新AVセンター製品群登場 MARANTZ「CINEMA 70s」「CINEMA 50」
AVセンター市場におけるマランツのポジションはたいそうユニークだ。スリムモデルNR1711の売上げは単品製品としてナンバーワンを記録しているそうだが、AVセンターの製品構成/ラインナップは、決して王道的なものではない。端的に言えば、ニッチな製品ラインナップなのだ。たとえばNR1711は機能を絞り込んだ薄型モデルであり、HDMI端子を備えたプリメインアンプ的なAVセンターなのだが、本機が市場に与えたインパクトは大きく、「新しい価値観」を生み出したといってよい。
この度、マランツのAVセンターのラインナップが全面的に刷新されることとなった。シリーズ名称も新たに「CINEMA」と銘打ち、これま...
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ステレオサウンド オリジナルソフトの魅力を語る 名盤ソフト 聴きどころ紹介42/『シナトラ・ライヴ・アット・ザ・サンズ/フランク・シナトラ』(LP) Stereo Sound REFERENCE RECORD
粋と伊達、そして華を感じる音に感激! シナトラの傑作中の傑作ライヴを臨場感たっぷりに復刻レコード化
20世紀のアメリカを代表するヴォーカリストは誰かと尋ねれば、多くの人が「フランク・シナトラ」と答えるのではないだろうか。ショービジネス界におけるシナトラの存在はそれほど絶大で、それは私たち日本人の想像を遥かに超えるものだったに違いない。何しろ愛称が“ザ・ヴォイス”なのだから。
俳優としても活躍したシナトラは、半世紀以上の芸歴の中で実に多くのアルバムを輩出した。デビュー当初のハリー・ジェームス楽団やトミー・ドーシー楽団等の専属期以降は、シナトラの伴奏サポートといえば、ほぼお抱えといっていい編...
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洗練された外観とは裏腹の実に説得力の高いサラウンド音響を満喫!─ ピエガ」5.1ch ─
こんにちマルチチャンネル再生に対応したサラウンドスピーカー群をラインナップしているメーカーは決して多くない。スイスを拠点にグローバルな人気を博し、ここ日本でも熱心な愛用者の多いピエガはそのひとつだ。昨年新たにラインナップに加わったACEシリーズは、TMicroシリーズに代わるエントリーライン。今回はコンパクトなACE30をリアスピーカーに回し、トールボーイ型のACE50やセンター専用機ACE Centerと合わせてサラウンドシステムを組んでみた。
高性能リボントゥイーターを細身エンクロージャーに搭載
シリーズ共通の特色は、アルミ押出し材によるエレガントで洗練された細身のエンクロージャーと...
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オーレンダー「N150」、「N20」がHiViベストバイのネットワークトランスポート部門1位独占。評価のポイントを解き明かす
「HiViベストバイ」ナンバーワンモデルの実像
ネットワークトランスポート部門 第1位 N150、N20
オーレンダーの勢いが止まらない。昨年夏に発売された、CDリッピングシステム搭載のサーバーシステムACS10とACS100に続き、今年に入ってネットワークトランスポートのN150とN20がデビュー。こうした矢継ぎ早の製品投入に、このカテゴリーにおける同社の先駆者としての自信と矜持を感じるのは、私だけではないだろう。
ACS100やACS10、あるいはA30と、Nシリーズとのもっとも大きな相違点は、大雑把にいえばCDリッピング機能の有無だ。これまで愛聴し、貯まってきたCDを音楽ファイルデ...
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ステレオサウンド オリジナルソフトの魅力を語る。名盤ソフト 聴きどころ紹介38/『ブリテン:戦争レクイエム』『メンデルスゾーン:交響曲第3番《スコットランド》』
この4月6日、ステレオサウンドから新たに「名盤コレクション」のクラシック作品が一挙5タイトル、リリースされた。いずれもSACD+CDという2枚組の体裁で、ハイブリッド式を採らなかったところに音質への配慮が感じられる。その中からここでは『メンデルスゾーン:交響曲第3番<スコットランド>、他』と『ブリテン:戦争レクイエム』の2タイトルを紹介しよう。
これこそ、デッカ黄金時代の音。豊穣たるオーケストラサウンドに酔う
最初に、この2枚のデッカ盤に共通した重要点ふたつを記しておく。それは、録音エンジニアに巨匠ケネス・ウィルキンソンが携わっていることだ。オーケストラの細部をマルチマイクで収録するので...
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超短焦点プロジェクターの価値を高める頼もしい相棒となる!エリートスクリーン「ケストレルテンション2CLR」
本機は、超短焦点プロジェクター専用設計の電動立上げスクリーンで、両サイドからワイヤーで引っ張るタブ(サイド)テンション構造付きがセールスポンイト。高い平面性を確保することで、超短焦点プロジェクターでとかく問題視されることの多い歪みをスクリーン側で少しでも緩和できるよう配慮された設計だ。
エリートスクリーン社は、米カリフォルニア州に本社を置き、全世界への販売ネットワーク構築、欧州とアジアにサテライトオフィスを持つプロジェクター用スクリーンの専業メーカーである。ちなみに販売は直販体制で、価格には配送費(126インチ以上)も含まれており、保証期間を2年としているところも頼もしい。
では実機を見...
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名盤ソフト 聴きどころ紹介36/『クロスオーバー黄金時代 1977〜1987 FUSION』Stereo Sound REFERENCE RECORD
私がもっとも愛して止まないメディアがアナログレコードであることをHiVi読者ならば先刻ご存じのことと思う。そんな私が自分の名前を冠したレコードを出せることになったのだから、これはもう望外の喜び以外の何物でもない。
ことの発端は、2021年夏頃の話。ステレオサウンド社のソフト担当者から「小原さん、クロスオーバー黄金時代のLP出しませんか?」と連絡がきたこと。クロスオーバー黄金時代とは、2019年3月に同社からリリースされた、当方監修のクリティクス・シリーズSACDハイブリッド盤『クロスオーバー黄金時代1977〜1987 FUSION』のこと。無論断る理由などなく、私はふたつ返事で「是非!」...
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ダイナミックオーディオ5555の「H.A.L.I」で、オーディオ再生芸術のカタルシスを味わう! ウェストミンスターラボ「Quest」&「Rei」が、見事にその世界を描き出した
ハイエンドオーディオの世界には、「泣く子も黙る」という存在がいくつかある。東京・秋葉原の老舗専門店 ダイナミックオーディオ5555の7F、通称「川又ルーム」と呼ばれる「H.A.L.I」(HIEND AUDIO LABORATRY I)はそんなひとつで、マニア 垂涎の聖地といってよい。その部屋で話題の英国製ハイエンドブランド、ウェストミンスターラボのセパレートアンプを聴いてみませんかというお声が掛かり、寒空をいそいそと出掛けた次第である。
H.A.L.Iにお邪魔するのはほほ10年ぶりだ。部屋の主によって巧みに統制されたシステムが整然と居並ぶ様は壮観そのもの。日本音響エンジニアリングのHyb...
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イヤーメンのHiVi冬のベストバイ1位の2モデル、ヘッドホンアンプ「TR-Amp」、D/Aコンバーター「Tradutto」の音像に迫る
HiViベストバイ2021冬にて、DAC部門とヘッドホンアンプ部門で1位を獲得したブランドがEARMAN(イヤーメン)だ。2019年に始動したこの新進気鋭ブランドはどんな点を評価されたのか。小原由夫さんにその魅力をひもといていただいた。(HiVi編集部)
ヘッドホンアンプ部門Ⅰ(20万円未満)第1位
TR-Amp
オープン(実勢価格4万1,800円前後)
●定格出力:2.5V/400mW以上(16Ω)、3.4V/350mW以上(32Ω)
●接続端子:デジタル音声入力1系統(USBタイプC)、アナログ音声出力1系統(RCA)、ヘッドホ出力2系統(6.3mm、3.5mm、同時使用可)、充電用...
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色再現と立体感に魅了された!QLED+Mini-LED液晶テレビで最新ネット動画作品を満喫する TCL「65C825」
TCLのテレビを視聴取材するのは、私自身2回目になる。今回の65C825は、前回チェックした55C825と同じ仕様のQLEDパネルを採用した大型機だ。同社は世界第2位の液晶テレビ出荷台数を誇る中国の大手家電メーカーで、QLED+Mini-LED機は今後の主力となるモデルである。
パネル形式は前述の通り、量子ドット技術を採用したQLED/倍速駆動VA式で、4Kチューナー内蔵のAndroid TVとなる。ディスプレイ直下に配した数千個のMini-LEDバックライトをローカルディミング制御している点が見逃せない一大フィーチャー。HDR/HLG/ドルビービジョンなど、4Kコンテンツ対応力も抜かり...