執筆陣
マランツMM8077に刮目すべし!AV8805との見事なコンビネーション
マランツのコントロールAVセンターAV8805の導入記からはや5ヵ月。懸案であったオーバーヘッドスピーカー用のパワーアンプに気になるモデルがある、と麻倉怜士さんから編集部に一報が入った。そのモデルとは同じくマランツの7chパワーアンプMM8077。“純正” 組合せでのイマーシブ・サウンドはいかなる世界を提示してくれるのか。早速、D&Mホールディングスでの取材を実施した。(HiVi編集部)
これまでもHiVi誌内では、自宅ホームシアターにコントロールAVセンターAV8805を導入した話をした。基本的な音質のよさ、音調の端正さ、そして3次元サラウンドフォーマットAuro(オーロ)3Dを再生で...
執筆陣
ヘッドホンリスニングの理想をすべて具現化したソニー「DMP-Z1」。まさかこんな製品を、天下のソニーが作るなんて……(後) 麻倉怜士のいいもの研究所 レポート7
アルミ削り出しシャーシに、最上級ウォークマンの再生機能とバッテリー駆動のアナログアンプを内蔵したデジタルオーディオプレーヤー兼ヘッドホンアンプ「DMP-Z1」。麻倉さんが“とんでもない製品”と呼ぶこのアイテムの開発インタビュー後編をお届けする。ヘッドホンリスニングの理想を徹底追究したDMP-Z1に込められた思いをひもといていただこう。
DMP-Z1のリポート前篇はこちら →
麻倉 ところで、いつ頃からこんな“とんでもない製品”の企画を始めたのでしょう?
田中 われわれも、ウォークマンとしての課題意識は持っていました。ウォークマンなので屋外で使われるもので、室内で聴く物ではない。しかし室...
執筆陣
ヘッドホンリスニングの理想をすべて具現化したソニー「DMP-Z1」。まさかこれほどのアンプを、大会社のソニーが作るなんて……(前) 麻倉怜士のいいもの研究所 レポート6
香港オーディオショウで注目を集め、続くIFA2018で話題をさらった、ソニーの「DMP-Z1」。幅約14cm、奥行28cm、重さは2.49kgというアルミ削り出しシャーシに、最上級ウォークマンの再生機能とバッテリー駆動のアナログアンプを内蔵したデジタルオーディオプレーヤー兼ヘッドホンアンプだ。しかも価格は95万円という超弩級。IFA会場でその音に触れた麻倉さんが、こんな“とんでもない製品”を開発した面々に、話を聞かずに居られるわけがない。対応いただいたのは、ソニービデオ&サウンドプロダクツ株式会社の佐藤朝明さん、佐藤浩朗さん、露木亮吾さん、田中光謙さんだ。
麻倉 DMP-Z1には久々に驚...
執筆陣
“とてもわくわくするオーディオ機器が、出た” 11.2MHzで聴いて、録れる。現代の万能デジタルデバイス、コルグ「Nu I」の魅力に大接近(後)
コルグのDSD 11.2MHz対応A/D&D/Aコンバーター「Nu I」。実に楽器メーカーらしい提案に溢れたこの製品が生まれたいきさつについて、前篇では麻倉怜士さんによるインタビューをお届けした。そして今回は、麻倉さんにNu Iで様々な音源を聴いていただいたインプレッションをご紹介しよう。リニアPCMからDSD、アナログレコードの録音品質まで、Nu Iの実力を徹底吟味した。(編集部)
※前編の内容はこちら
コルグのNu Iは、DSD 11.2MHzのA/D&D/A変換に対応したデジタルデバイスである。USB DAC、DSD 11.2MHzの録音機、プリアンプに加え、オノ セイゲンさんの...
執筆陣
DSD 11.2MHzで聴いて、録れる。現代の万能デジタルデバイス、コルグ「Nu I」の魅力に大接近(前) “こんな画期的な製品は、如何にして生まれたのか?”
コルグから1ビットタイプのA/D & D/Aコンバーター「Nu I」が11月下旬に発売される。DSD 11.2MHzに対応したDAC機能に加えて、アナログ音声の録音も可能。さらに同社オリジナルの真空管デバイス「Nutube」を通した音も楽しめる、加えて、オノ セイゲン氏のプロデュースによる、マスタリングプログラムも提供。まさに万能デジタルデバイスだ。コルグ本社に出向き、Nu Iの開発陣にインタビューした。インタビュアーはご自宅で同社製DACを愛用している、麻倉怜士さんだ。(編集部)
1ビット USB-DAC/ADC+PREAMP Nu I ¥425,000(税別、11月下旬発売予定)
●...
執筆陣
シャープのエキサイティングな新提案を、IFA2018ブースで実感。石田佳久副社長にその狙いを聞いた:麻倉怜士のいいもの研究所 レポート5
先般ベルリンで開催されたIFA2018について、StereoSound ONLINEでも注目トピックを麻倉さんの現地リポートで紹介した。その際に麻倉さんは、シャープブースの“目のつけどころ”の変化を感じたという。その変化について、シャープ株式会社石田佳久副社長に直撃インタビューを実施していただいた。その様子を、紹介しよう。(編集部)
麻倉 今日はよろしくお願いいたします。シャープさんのブースは一昨年のIFA復帰以来拝見していますが、今年は出し物が増えてきたなぁと実感しました。8Kテレビも、前回のLC-70X500に続いて第二弾が登場しました。まずは8Kテレビへの取組みについてお聞かせ下さ...
執筆陣
【麻倉怜士のIFAリポート 2018】その10 ベルリン・フィルとテクニクスの協業が3年を経過。その後の成果をキーマンにじっくり聞いた
IFAでは毎回、パナソニックと共にベルリンのコンサートホール「フィルハーモニー」を訪れ、両者の協業の内容と成果を取材している。今回は同社がサポートしているコンサートストリーミングサービス「ベルリン・フィル デジタル・コンサートホール」の現状と、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(ベルリン・フィル)側がパナソニック(テクニクス)の技術者に施している耳の訓練の内容、テクニクスブランドのステレオ製品への音質アドバイスについて取材した。
ベルリン・フィルメディア・マネージングディレクターのロバート・ツィマーマン(Robert Zimmermann)さん、ベルリン・フィルのトーンマイスターであるク...
執筆陣
【麻倉怜士のIFAリポート 2018】その09 超・超・超弩級デジタルオーディオプレーヤー兼ヘッドホンアンプ「DMP-Z1」は、ソニー・オーディオの牽引車だ
ソニーがIFAで発表したデジタルオーディオプレーヤー兼ヘッドホンアンプ「DMP-Z1」には、これまで体験したことのない音の凄みがある。
初めに、私のインプレッションから述べよう。きわめて微細なディテイルまで音の情報量が豊富だ。特筆すべきは低域から高域まで速度が揃っていること。一般に低域は遅れがちになるが、それが中高域と同じハイスピードで進行することは、驚異だ。
その結果、音の鮮明度がひじょうに高く、内声部までクリアーに見渡せる。ヘッドホンながら音場の広さと共に、細部の音像まで凝縮感を持ち、音の生命力、エネルギー感につながっている。音の粒が躍動し、まさに迸るような音楽的生命感が味わえる。
...
執筆陣
【麻倉怜士のIFAリポート 2018】その08 ゼンハイザー、初のイマーシブサラウンドバー「AMBEO Soundbar」をIFAで発表
ドイツのヘッドホンメーカーの話題の新製品は、意外にも音が空中に放出されるサウンドバー、それも立体音響の「3Dサウンドバー」だ。視聴したが、サウンドバーなのに、立体的に音場が形成され、方向性・音場密度も予想外に素晴らしいではないか。
名称は「AMBEO Soundbar」。AMBEOはゼンハイザー独自の「3D技術プログラム」だ。再生環境だけでなく、録音、伝送、再生の各分野で独自技術を展開するのがAMBEO。3Dサウンドバーはその一環である。
ドイツの研究機関「フラウンフォファー」と共同開発した3D仮想化技術を搭載。13のドライバーユニットがビームフォーミングにて、360度に音を発する。チャ...
執筆陣
【麻倉怜士のIFAリポート 2018】その07 ヤマハが「C-5000」「M-5000」を展示。フラッグシップ・ハイファイシステムを聴いた
日本のオーディオメーカーでは、オンキヨーグループが今回のIFAから姿を消したのとは対照的に、ヤマハブースは大躍進。毎年、訪れるごとにブースが広くなっている。
これまでも「ヤマハ=音楽会社」というイメージづくりのために、オーディオとピアノなどの楽器を同一ブース内に置いていたが、今回はブース自体が拡張されたので、今やオーディオと楽器が隣り合った別ブースとなった。来年はさらに拡張する計画で、第1ホールのオーディオハピリオンの入り口はヤマハで占拠されるだろう。
日本メーカーの躍進は嬉しい。もっと嬉しいのが、今年がヤマハにとって「フラッグシップイヤー」ということだ。HiFiオーディオ分野でターンテ...
執筆陣
【麻倉怜士のIFAリポート 2018】その06 ソニーのフラグシップイヤホン「IER-Z1R」はこだわりの塊
「音の常識を超えた、新しい次元の音をつくりたい。イメージをまったく、根底から変える製品をつくりたい」と、桑原英二(V&S事業部商品設計部門商品技術1部2課)は、言った。
その結果、開発されたのがフラグシップイヤホン「IER-Z1R」だ。ソニーの音のクライテリアをマークするシグネチャー・シリーズで初のイヤホン。私のインプレッションは、掉尾に記すが、まさに「イヤホンの音はこんなもの」というこれまでの常識を一変させる、ここまでの再現性を持つのかと刮目した。
桑原との会場インタビューの詳細は、のちに私の連載「いいもの研究所」で記すが、そこから、大事なエッセンスをお届けしよう。新しい次元の音とはど...
執筆陣
【麻倉怜士のIFAリポート 2018】その05 JVCが世界初の家庭用8Kプロジェクター「DLA-NX9B」を発表。ネイティブコントラストは10万対1!
ビクター(JVCケンウッド)のプロジェクターづくりには、ふたつの法則がある。
①まずはハイエンドのB to B用に先端映像技術を開発し、数年を経て家庭用に移管する。
②家庭用では数年に一回、画期的な技術アドバンスを成し、それも数年掛けて移管
−−である。マーケティング用語では「スキミング戦略」もしくは「展覧会戦略」という。
今回のIFAでは、「8K」「ネイティブ画素数」のふたつで、これが見られた。ビクターはNHK技研とのコラボレーションにて、多くの8Kプロジェクターを開発してきた。その目玉が4K画素のD-ILAデバイスによるe-shift・8K。
原理はホームプロジェクターでお馴染みの、...