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Qobuzで愉しむハイレゾストリーミング【HiVi2025春号】
「Steppin’ Out With My Baby/ホリー・コール」
(96kHz/24ビット)
1993年3月に録音されたホリー・コールの名曲「I Can See Clearly Now」は機器評論の定番だ。それから32年後に13枚目のスタジオ・アルバム『Dark Moon』の冒頭の「Steppin’ Out With My Baby」は新スタンダードになるかもしれない。アーヴィング・バーリンが作曲しフレッド・アステアがMGMの傑作ミュージカル『イースター・パレード』で歌ったスタンダードナンバーだ。陽気なアステアとはまったく違う重い質感。巨大なヴォーカル音像が、偉容な声質で迫ってくる...
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【HiVi視聴室の新リファレンスシステム】序論 リファレンス機器の3条件とは
視聴室は評価の基準であり生命線である。その基準が揺らいではならない
HiVi視聴室のリファレンススピーカーが、替わった。これまでのモニターオーディオ・Platinum Series IIからBowers & Wilkinsの800 Series Diamond(以下、800 D4シリーズ)に変更になった。オーディオビジュアル専門誌の視聴室の標準スピーカーが替わることが、どれほどの意味合いを持つのか。
リファレンスルームおよびリファレンスシステムのミッションは、評価の基準を成すことだ。それは、ハードウェア機器の性能を測る基準であり、同時にディスクや配信のコンテンツの画質、音質を評価する基準...
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エバーソロの兄弟モデルをガチで聴き比べ! 「DMP-A8」愛用者のオーディオルームに「DMP-A10」を持ち込んだら、さらに品格の高い音を楽しむことができた
エバーソロのフラッグシップモデル「DMP-A10」が話題だ。同社製品はミュージックストリーマーやUSB DAC、プリアンプとしても使える多機能性と音のよさでネットワークオーディオ愛好家から注目を集めている。さらにDMP-A10には、最上位モデルとして様々な音質チューンが加えられているということもあり、弟機の「DMP-A8」とどれくらい音の違いがあるのか気になっている方も多いようだ。そこで今回は、DMP−A8を愛用している西村明高さんのオーディオルームにDMP-A10を持ち込んで、両モデルのサウンドをじっくり確認してもらった。アドバイザーとして麻倉怜士さんにも同行いただいている。(まとめ:...
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『THE PEANUTS~Monaural Edition(1959~1961)』33 1/3回転アナログレコード/ステレオサウンド オリジナルソフトの魅力を語る78
「鮮明なアナログ」、「凝縮感」、「一体感」の3つで読み解く、伝説のデュオ・ザ・ピーナッツの完璧なデュアルハーモニー
双子姉妹のポップ・デュオ、ザ・ピーナッツのモノーラル録音アルバムだ。本アナログディスクにはキーワードが3つある。
①「鮮明なアナログ」。「鮮明」といっても、現代的なスマートで高解像度、透明度が高い……という最新デジタル的なそれではなく、アナログらしいヒューマンなフレーバーを色濃く持ちながら、衝撃的に鮮やかなのである。アナログならではの触感、可触的な高解像感だ。
②「凝縮感」。単にモノーラルだから、ファントムセンターにまとまるというシンプルな話ではなく、本ディスクではザ・ピー...
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【麻倉怜士のCES2025レポート11】LGディスプレイの新しい「4スタック」有機ELパネルは、ピーク輝度4000nits
LGディスプレイはCES2025でのブース出展を見送ったが、2025年の新有機ELパネルは、パナソニックとLGエレクトロニクスが搭載を発表した。パナソニックの新製品、「Z95B」シリーズは「Primary RGB Tandem technology」を採用したと喧伝している。これこそ、LGディスプレイの最新技術「4スタック・原色発光バネル」の成果だ。これはちょっと理解が難しい技術なので、解説しよう。
LGディスプレイの有機ELパネルは、WOLED方式といわれる。有機EL層を白色発光させ、その白色をカラーフィルターで、RGB化する。この際、有機EL層は複数の原色、補色を重ねて発光し、白をつ...
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【麻倉怜士のCES2025レポート まとめ】2025年を牽引してくれる、様々な新技術との出会いがあった
【麻倉怜士のCES2025レポート01】生成AIが、テレビの世界にも長足の進歩をもたらす!? TVS REGZAの技術展示は、新しいテレビとの付き合い方を予感させてくれた - Stereo Sound ONLINE
今年もアメリカ、ラスベガスで世界最大クラスのテクノロジー見本市「CES 2025」が開催された。Stereo Sound ONLINEでも、例年同様に麻倉怜士さんによるリポートをお届けする。麻倉さんは現場を駆け回って、面白そうなニュース、ストーリーを鋭意取材してくれたので、ご期待いただきたい。
その第一弾として、TVS REGZAの技術展示についての直撃インタビューをお届け。...
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【麻倉怜士のCES2025レポート10】全身で、映画やゲームの世界を体感できる。ソニーの「LBE」は、IPの多方面での展開を加速させる注目提案だ
CES2025のソニーブースは、3DCG制作ソリューションのXYN(ジン)や、車や船、飛行体の新たな移動体撮影システムといったクリエイター向けのテクノロジーが新たに提案された。そんな中で麻倉さんが注目したのが、「LBE」(ロケーション・ベース・エンタテインメント)だ。麻倉さん曰く、“インタラクティブ版お化け屋敷”で、センシング、匂い、映像、音響に関連する技術を投入し、来場者が作品世界に没入できる提案だ。今回はLBEを含めたコンテンツ制作環境の進化についてソニー・ピクチャーズ エンタテインメント テクノロジー・デベロップメント シニア・バイス・プレジデントの高島芳和さんにお話をうかがった。...
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qdcのハイエンドIEM「EMPEROR」で、最高の音楽体験を! 5 ウェイ15 ドライバーがもたらす情緒感・叙情感の豊かなサウンドで、どんな音源でも心地よく楽しめる
qdcのハイエンドIEM「EMPEROR」を、Astell&Kernのデジタルオーディオプレーヤー「A&ultima SP3000T Copper」に接続して、聴いてみよう。いずれも、当該ジャンルでは最高峰のクォリティを持つイヤホン、DAPだ。
ユニバーサルIEM:qdc EMPEROR ¥550,000(写真右、税込)
●形式:密閉・ハイブリッド(トライブリッド)型
●使用ドライバー:10mmダイナミックドライバー×1、低域用BAドライバー×4、中域用BAドライバー×2、高域用BAドライバー×4、超高域用静電型ドライバー×4
●再生周波数帯域:5Hz〜70kHz
●入力感度:106dB...
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【麻倉怜士のCES2025レポート09】ソニー・ピクチャーズの配信サービス「RIDEVU」を体験。IMAX Enhanced作品が、ベンツで視聴可能。日本でも、まもなく
コンベンションセンターの西館は、クルマの専門展示場。Xperiブースに陣取ったメルセデスベンツのE450では、「RIDEVU(ライドビュー)」というソニー・ピクチャーズの配信サービスが受けられる。
ソニー・ピクチャーズはテレビ向けと、クルマ向けにコンテンツ配信サービスを展開。ソニーのテレビ向けは「Sony Pictures Core」だ(『Bravia Core』から名称変更)。クルマ向けのRIDEVUはベンツ独占だ。数千のタイトルが視聴可能。その中の100タイトル程は無料で配信され、毎月、内容が変わる。
そこで凄いのは、ベンツにIMAX Enhancedコンテンツを配信するのである。ソ...
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【麻倉怜士のCES2025レポート08】BMWのSUV、X3M50が「DTS AutoStage Video Service Powered by TiVo」を搭載。カー・エンタテインメントは短尺が好まれる
ウエストホールのXperiブースで、DTSのカーエンタテインメントサービス、「DTS AutoStage Video Service Powered by TiVo」を搭載したBMWのSUV、X3M50が出迎えてくれた。
同サービスは2023年にBMWが採用したのを嚆矢に現在、世界146ヵ国で1,000万台の車両に搭載されるまでに成長。北米の600万台以上の車両がDTS AutoStageとHD Radioが受信している。北米ではハーレー・ダビットソン、フォード・モーターも採用。2026年には日系のクルマメーカーも採用する運びという。インターネット配信だけでなく、放送にも対応するのが特徴...
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【麻倉怜士のCES2025レポート07】サムスンディスプレイの新「2025 QD-OLED」はピーク輝度4000nitsを実現!
2023年から、アンコアホテルのサムスンディスプレイ・スウィートに通っているが、毎年、大きな成果が得られている。今年も、予想以上だった。
「2025QD-OLED」とネーミングされた今年のQD-OLEDは何と、ピーク輝度が4000nitだ! これまで2023年が2000nits、24年が3000nitsと来て、25年は4000nitsを実現したのである。それは、ベースになる青色の有機EL発光層の材料を変えたことが大きく効いている。
有機ELパネルの開発テーマは、発光層の材料開発とアルゴリズム(信号処理)が一年おきに入れ替わる。2023年は青色発光層に新材料「OLED HyperEffic...
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【麻倉怜士のCES2025レポート06】ディナウディオ初のサウンドバーは予価2万ドルで、2025年末〜2026年の発売か
ラスベガス・コンベンションセンターの中央ホール東端のディナウディオブースでは、ディナウディオ初のハイエンドサウンドバー「Symphony(シンフォニー) Opus 1」のプロトタイプが展示。シンフォニーがブランド名で、商品名が「Opus 1」。価格は2万ドル。まずはハイエンドから市場に参入する。
ユニットは全部で24基。フロントにフルレンジが10基、サイドに2基、アップが2基、フォースキャンセル方式の対向サブウーファーが4基(ユニット数は8基)、加えてサイド、トップにもユニットを持つ。ワイヤレスサブウーファーもオプションで用意される。
ビームフォーミングにより、ハイトも含め、イマーシブサ...