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期待の新ブランドWestminsterLabのセパレートアンプ「Quest」&「Rei」を聴く。超高解像度レンズで撮った8K映像のような、清冽なサウンドが出現した
今年の1月、StereoSound ONLINEに試聴記を寄稿したウェストミンスターラボ(WestminsterLab)の「Quest(クエスト)」。このプリアンプとの組合せを想定して開発された、モノブロック・パワーアンプ「Rei(レイ)」がわが国に上陸した。
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そこで輸入元の協力を得て、QuestとReiの2モデルをぼくのリスニングルームでテストすることに。ここではそのインプレッションをお伝えしたい。
モノーラルパワーアンプ
Westminsterlab Rei
¥4,000,000(ペア、税別、WestminsterLab 1.5m電源ケーブル付属)
●出力:100W...
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WestminsterLab「Quest」の音に心奪われた。2021年のハイエンドオーディオ界を彩る、おそるべき実力を備えたプリアンプの登場だ
またひとつ、ハイエンドオーディオ界を彩る新星が、英国から登場した。2007年にロンドンで設立されたWestminsterLab(ウェストミンスターラボ)だ。
音質を吟味したUSBケーブルの開発・販売でスタートした同社は、2016年のドイツ・ミュンヘンの「ハイエンドショー」でAB級のモノーラル・パワーアンプ「UNUM(ウーヌム)」を発表、その高評価を経て、2019年にA級モノーラル・パワーアンプの「Rei(レイ)」を、2020年にプリアンプの「Quest(クエスト)」を登場させている。
今般わが国で最初に発売されるのは、プリアンプのQuestだ。価格は300万円(税別)。オプションでカーボ...
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時代は “ブラックスクリーン”! Screen InnovationsのSlateなら、明るい場所でも高コントラストな映像が楽しめる
明るい場所で投写できる喜び
米国テキサス州オースティンに本拠を置くスクリーンイノベーションズ社は、灯を残した部屋でもコントラストが維持できるALR(Ambient Light Rejection)スクリーン開発に定評がある。今般HiViグランプリのペリフェラル部門賞を受賞したキクチSPA-UTと同系統の製品も展開している。
SPA-UTは上方からの光を遮り下からの光を反射させるレンチキュラー・タイプだったが、本製品「Slate(スレート)」はそうではない。塩化ビニール素材の幕面に、黒の顔料を混ぜ合わせたコーティング材を塗布して耐外光性能を持たせたスクリーンである。同社には「スレート」の他...
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スタイリッシュなだけじゃない。最先端ルームチューン機能も搭載したBang & Olufsenの最新シアターシステムで、2chからサラウンドまで、唯一無二の魅力を堪能する
完全ワイヤレスイヤホンから本格アクティブスピーカー、有機ELテレビまで幅広いラインナップを展開するデンマークのBang & Olufsen(B&O)。1925年の創業以来95年にわたって、美しいサウンドとデザインを備えた高品位なライフスタイル製品を送り出してきた。今回は山本浩司さんと一緒に、B&Oの最新モデルを体験できるBang & Olufsen 銀座店にお邪魔して、同社のフラッグシップスピーカー「Beolab 90」と有機ELテレビ「Beovision Harmony」を核にしたシステムで映画や音楽を体験させてもらった。さらにB&O音響責任者のGeoff Martin(ジェフ・マーテ...
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リンのパッシブ型4ウェイ・スピーカー「MAJIK 140 SE」が驚異の進化。従来品から台座の変更のみで、低域の音質はまるで別物に
リン(スコットランド)のパッシブ型4ウェイ・スピーカーMAJIK 140がSEヴァージョンに進化した。輸入元によると、台座(スタンド)部分の変更のみということだが、実際に聴いてみてその音質向上ぶりにビックリ。「いやいやこの音の違いは台座だけじゃないでしょ。ユニットやキャビネットにも手が加わっているんじゃ?」と訝しく思ったが、「いえ、台座のみの変更と聞いております」と輸入元の社長は素っ気ない。
さて、その台座部分だが、従来は木質のMDF製で今回のSEはアルミ製。幅と奥行がそれぞれ1cmほど大きくなっており、質量はMDFの1.4kgにたいして5.9kg。なんと4倍以上の重さだ。たしかにこの重...
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マーティン・ローガンが新たな輸入元を得て日本再上陸。まるでコンサートホールのサウンドを聴かせる「Classic ESL 9」、「Electro Motion ESL X」
ESL(エレクトロ・スタティック・ ラウドスピーカー=静電型スピーカー)を主力とする米国マーティン・ローガンの製品が、新たな輸入元を得てわが国に再上陸を果した。ここではESL XとESL9という新製品2モデルの概要とリスニング・リポートをお届けする。
固定電極に挟まれた極薄超軽量フィルムに高電圧をかけ、音楽信号に合わせてそれを振動させて平面波を前後両方向に放射する。これがESLの基本原理だ(電圧をかけるための電源が必要)。一般的なダイナミック型ドライバーに比べて、きわめてシンプルな仕組みで発音させることができ、反応の速い繊細なサウンドがその特長。基本原理の発明はふるく、1950年半ばに英...
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有機的かつ緊密に溶け合った極上かつ衝撃のサラウンドを体感。ストームオーディオ「ISP.24 ANALOG MK2」「PA 16 MK2」
チャンネルベースで音楽録音の3Dミキシングを実現、欧州のクラシック系レーベルを中心に支持されている「Auro(オーロ)3D」。この画期的な方式を発案したベルギーのギャラクシースタジオを母体とするストームオーディオ社(フランス)のISP 3D.16ELITE(HiViグランプリ2018/ブロンズ・アウォード受賞)が第2世代機に進化、この秋わが国に上陸した。
CONTROL AV CENTER
STORM AUDIO
ISP.24 ANALOG MK2
¥2,000,000+税
●対応サラウンドフォーマット:ドルビーアトモス(最高13.1.10構成)、Auro-3D、DTS:X、ほか
●接続...
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僕自身が「ベイシー」になって撮影しました。『ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)』がいよいよ公開。星野哲也監督が、ジャズ喫茶への愛を語る
岩手県一関市にあるジャズ喫茶「ベイシー」を舞台にした映画『ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)』が9月18日に公開される。同店はオーディオファンの間でも有名で、ステレオサウンド別冊『ジャズ喫茶 ベイシー読本』もご好評いただいている。そんな「ベイシー」がどんな映像・音でスクリーンに再現されるのか、今回は自らもオーディオファンという星野哲也監督に、本作に込めた想いをうかがってみた。インタビュアーは山本浩司さんにお願いしている。(編集部)
山本 やっと劇場公開ですね(本作品は当初5月29日公開予定だったが、コロナ禍により9月18日に延期された)、おめでとうございます。
星野 ...
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ソナス・ファベール、オリンピカ・ノヴァの見惚れるほどの美しさ。サウンドも鳥肌ものだ。
わが国の高級スピーカー市場で現在もっとも人気の高いブランドといえば、英国のB&Wとイタリアのソナス・ファベールということになるだろうか。プロ用モニタースピーカーを出自とするB&Wと異なり、ソナス・ファベールは80年代半ばの創業以来、楽器的アプローチで「音もすがたも美しい」家庭用スピーカーを専門に開発してきた歴史を持つ。
寄木細工を思わせる見事な木工技術で同社スピーカーの個性を決定づけてきた創業者の故フランコ・セルブリンが2005年に同社を去ったのち、その衣鉢を継いだのは、フランコの薫陶を受けた1976年生れのパオロ・テッツォンだった。年若い彼の双肩にソナス・ファベールの看板を背負わせるの...
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名盤ソフト 聴きどころ紹介15/『恋人よ/五輪真弓』 Stereo Sound REFERENCE RECORD
吉田拓郎のノーテンキな「結婚しようよ」が大ヒットした1972年。和製フォークにティーンネージャーの多くは熱狂し、猫も杓子も(ぼくも)フォークギターを買って簡単なコードをがちゃがちゃとかき鳴らしていたのだが、その年に五輪真弓は「少女」でデビューした。
ロック好きの中学2年生だったぼくはこの曲を深夜放送で聴き、田舎くさくてウェットな和製フォークとはひと味異なるこの曲のかわいた洋楽テイストに強く心惹かれた記憶がある。それもそのはず「少女」を収録した五輪真弓のデビューアルバムは、女性シンガー・ソングライターの草分けキャロル・キングが参加した当時珍しい米国録音だったのである。その後も彼女はビンボー...