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【麻倉怜士のCES2020レポート18】表示機器の進化が、コンテンツの作り方にも変化を与える。“クリエイターの創造力を解き放つ技術”をソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ株式会社の小倉敏之氏が語る
CES2020でのソニーブースでは、モビリティ分野以外でも注目の展示が行なわれていた。それが“クリエイターの創造力を解き放つ3D空間映像技術・3D空間ディスプレイ技術”で、具体的には「3D空間キャプチャーによるバーチャル制作技術」「4K Crystal LEDディスプレイ」「3D空間映像技術・3D空間ディスプレイ技術」などだ。CESインタビューの最後は、それらコンテンツ制作者に向けた新しい提案について、ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ株式会社TV事業本部 技術戦略室 小倉敏之氏のお話を紹介する。(編集部)
麻倉 今年のソニーブースでは、コンテンツクリエイターに向けた新提...
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【麻倉怜士のCES2020レポート17】「8K」や「AIoT」への取り組みを進めるシャープ。その詳細を、取締役 副社長執行役員 ICTグループ長の石田佳久さんが語る
昨年に続いてCES出展を果たしたシャープ。昨年同様に「8K+5GエコシステムとAIoTで世界を変える」というビジョンの下、「8K+5G」や「AIoT」に関連した様々な展示を行なった。ここでは昨年からさらに具体化が進んだ同社の取り組みについて、シャープ株式会社 取締役 副社長執行役員 ICTグループ長の石田佳久さんにお話をうかがっている。(編集部)
麻倉 今日はよろしくお願いいたします。CES2020のプレスカンファレンスも拝見しましたが、今回はリアライズというか、これまで示されていた計画図が具体化してきたように感じています。
石田 プレスの皆さんからは、ここ数年ずっと同じ事を言われていま...
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【麻倉怜士のCES2020レポート16】日本メーカーは、アメリカや中国でどのようにテレビを売っているのだろう? ソニーの世界販売戦略を、ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ株式会社の川村 基さんが語る
日本のテレビメーカーは世界でどのようにテレビを売っているのだろうか。ソニーを例に取り、検証する。まず昨年のIFAでソニー・ヨーロッパでテレビマーケティングを担当する上杉孝仁VP(バイス・プレジデント)に、ヨーロッパでの売り方を解説してもらった。今回のCESでは、中国、アメリカ、そして日本での売り方を、川村 基氏(かわむら もとい、ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ株式会社 TV事業本部 マーケティング部門 マーケティング企画部 担当部長)に訊いた。(編集部)
麻倉 まず、中国です。
川村 市場の特徴としてはオンラインでの販売の比率が高く、中国ブランドが大勢います。ただし、...
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【麻倉怜士のCES2020レポート15】8Kはオリンピックまでに出します。もちろん8Kチューナー内蔵で! ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ社長の高木一郎さんに聞く
「CES2020」ソニーブースで話題を集めたのは、モビリティ・コンセプトカーの「VISION-S(ビジョン エス)」だった。車における安心・安全や快適さ、エンタテインメントなどを追求する取り組みを具現化したもので、ソニーのイメージング・センシング技術やAI、クラウド技術が凝縮されている。さらにVISION-Sには、没入感のある立体音場を実現する「360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)」も搭載されている。その360 Reality Audioを始めとするソニーのオーディオビジュアルの取り組みについて、麻倉さんがソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダ...
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【麻倉怜士のCES2020レポート14】なんと、カーブドディスプレイが有機ELで大復活。「BENDABLE」テレビは用途によってフラットとカーブドの切り替えが可能
かつて大流行し、いまではまったく見られなくなった(一部、ゲーム用のディスプレイには細々とある)カーブドディスプレイが、来年から有機ELテレビで復活する可能性が大だ。コンベンションセンターのセンター館のLGディスプレイ・スウィートで、筆者は目撃したのである。
LGディスプレイが有機EL採用メーカーに提案する「スクリーン可動有機ELテレビ」。有機ELは、巻き上げができるほど、バネル自体にフレキシビリティがある。カーブド・復活・ディスプレイは、フラットと1000Rのカーブドがリモコンで切り替えられる。その名も「BENDABLE」という。
家族で観る時にはフラット画面で、一人で映画を耽溺鑑賞する...
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【麻倉怜士のCES2020レポート13】横のつながりを強化して、ユーザーに価値のある体験を届ける。パナソニック アプライアンス社 副社長、小川理子さんにインタビュー
CESリポート恒例の、麻倉怜士さんによるメーカーインタビューをお届けする。その第一弾は、パナソニック株式会社 アプライアンス社 副社長の小川理子さん。テクニクスブランドの復活から5年、昨年発売されたイヤホンも好評な同社は2020年にどんな新しい提案をするのか? またパナソニックとしての展開は?(編集部)
麻倉 今日はお時間をいただき、ありがとうございます。小川さんのご担当はかつてはオーディオだけでしたが、いまはかなり拡がっています。まずは今の小川さんのお仕事の内容から教えて下さい。
小川 私の現職は、パナソニック株式会社 アプライアンス社の副社長で、コンシューマー向け家電すべての技術担当...
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【麻倉怜士のCES2020レポート12】ソニー、裸眼立体ディスプレイ「視線認識型ライトフィールドディスプレイ」の驚異。ブラビアへの展開も期待
3Dが流行っていた頃、3Dの理想は裸眼方式だといわれたが、私は到底、信じられなかった。だって、もの凄く画質が悪いし、ある一定の方向でしか3Dに見えないし、とにかく不快であった。しかるにソニーがCESで発表した「視線認識型ライトフィールドディスプレイ」は凄い立体空間だ。
裸眼だが、解像感が高く、しかも見る位置が一定でなくとも、上からでも、斜め横上から様々な角度から見ても、まるでそこに本物の立体物があるような、見え方だ。CGに人物のテクスチャーを貼り付けたダンスの男女二人が踊っている姿が、実に自然なのだ。まるでリアルな小人が踊っているよう。レイトラッキング(光の当たる方向に応じて影をリアルに...
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【麻倉怜士のCES2020レポート11】「Dolby Atmos Music」本格始動。Amazonに加えTIDALでもストリーミング配信が開始
これは凄い、近未来はイマーシブサラウンド(立体サラウンド)が、必ずや2chに取って代わると、確信させられたのが、WYNNホテルのスウィートに陣を構えるドルビーが、デモンストレーションした「Dolby Atmos Music」。ひじょうに感動的だ。
ソニーの360 Reality Audioが登場し、にわかにイマーシブサラウンドへの関心が高まっている。しかし、このデモを聞くまで、Dolby Atmos Musicがこれほど急成長しているとは、知らなかった。ユニバーサル・ミュージックが熱心に取り組み、ワーナー・ミュージック、ソニー・ミュージックも加わり、すでに全世界で数千曲がリリースされてい...
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【麻倉怜士のCES2020レポート10】JVCケンウッドの「EXOFIELD」が、遂にイマーシブに進化。バーチャルに拡がるチャンネルは7.1.4を採用
ものみなイマーシブサラウンドに行く時代。ついにヘッドホン・テクノロジーの最先端を走る、JVCケンウッドの頭外定位音場処理技術「EXOFIELD(エクソフィールド)」が、2chバージョンから、イマーシブサラウンドバージョンに進んだ。
個人特有の頭部伝達関数(HRTF)を実際に計ることによって、リスニングルームで眼前にスピーカーを聴いているような体験を得るというのが、そもそものEXOFIELDのコンセプトだ。新しく欧米で発表されたEXOFIELDは、ワイヤレスシアターシステム「XP-EXT1」。2chがイマーシブサラウンドになっただけでなく、頭部伝達関数の採取方法が革命的に簡略化された。
ま...
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【麻倉怜士のCES2020レポート09】“これぞ未来のデジタル・ピアノだ” ローランドの近未来コンセプトモデル「GPX-F1 Facet」が素晴らしい
これぞ未来のデジタル・ピアノだ。
LGエレクトロニクスの隣のローランドブースに、コンサート・グランドピアノ型のコンセプトモデル「GPX-F1 Facet」があった。横長のグランドピアノだが、伝統の上に乗った大胆な形が凄い。まるで、多面体で構成されたクリスタルのようにキラキラ光る、宇宙船かSFに出てくるスポーツカーだ。
2015年に開催されたピアノデザインの“Roland Digital Piano Design Awards”で大賞を受賞した韓国のジョン・チャン・キム氏による「Facet Grand Piano(ファセット・グランドピアノ)」のデザインを具現化したコンセプトモデル。「Fa...
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【麻倉怜士のCES2020レポート08】HDMI ForumとHDMI Licensing Administrator が、HDMI2.1の認証プログラムを解禁。8K伝送の実用化への道がさらに進んだ
ラスベガス・コンベンションセンターSホール1階にあるHDMIブースは、HDMI2.1製品、ケーブル、システムが主役。ようやく、実現の運びが見えたHDMI2.1の現状を探ろうと、多くの来場者で溢れていた。
HDMI ForumとHDMI Licensing Administratorは、1月7日のプレスカンファレンスで、HDMI 2.1用のHDMIケーブルの認証プログラムを発表。これにて、8K伝送の実用化への道がさらに進んだ。
認証の内容は以下の通り。4K/120p、8K/60pのスムーズな伝送、最大伝送速度48Gbps対応、HDRのダイナミック・メタデータ、VRR(Variable Re...
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【麻倉怜士のCES2020レポート07】テレビそのものが回転する! サムスンエレクトロニクスのスマホ連動テレビ「The Sero」が面白い
スマホとテレビの連動というと、これまでは単純にスマホ画面をテレビで映す……というものだったが、サムスンエレクトロニクスの新発想テレビは、スマホを縦にするとテレビも縦に回転し、横にすると、あら不思議テレビも横に回転するのである。つまり、InstagramやTikTokなど、スマホでデフォルトの縦動画コンテンツをテレビで縦に見るための仕掛けだ。
映画やテレビ番組は横長だから横長テレビに合致するが、スマホの縦動画を横長スクリーンに映すと、真ん中だけの小さな映像になる。それは面白くない。テレビでも縦動画は縦画面で見たいというニーズ(?)に応え開発されたのが、スマホ方向連動テレビ「The Sero...