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【麻倉怜士のCES2023レポート06】ソニーの27型空間再現ディスプレイに改めて感動! 実物大のオブジェクトが、眼前に立体的に見える
ソニーの新しい27型の「Spatial Reality Display」(空間再現ディスプレイ)に、深く感動した。2020年のCESで、視線検出方式の15.6型モデルが発表された時も相当、感動したが、今回は、さらにさらに感動が深まった。
それはまったくもって、画面の大きさから来る感動である。つまり15.6型という小さなサイズでも、びっくりしたのだから、27型という大きな、不思議なサイズに改めて感動しないわけはないではないか。ソニーは平井一夫社長の時代から「感動=英語ではKANDO」を唱え、今でも社是になっているが、なんでそれが感動なんだと怒りたくなるものもあるなかで、これは100%ピュア...
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【麻倉怜士のCES2023レポート05】Auro-3Dが新次元に入った。ストリーミングへ進出し、新コーデック「Auro-Cx」も開発!
Auro-3Dが新次元に入った。昨年、資本構成が変わり、新しい方向性が打ち出された。旧Auro Technologies N.V.が保有していたすべての資産、社員、Auro-3D技術の権利をベルギーの投資会社Saffelberg Investment groupが買収し、新会社NEWAUROB.V.が設立された。まさしく新出発らしい新会社ではないか。CES期間で、ミラージュホテルの一室に設けられた、Auro-3Dスウィートで、新展開を取材した。
まずストリーミングへの進出だ。これまでは、オーディオ・ビジュアルマニア向けの、高音質イマーシブオーディオコーデックというイメージが強く、製品も高...
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【麻倉怜士のCES2023レポート04】サムスンディスプレイのQD-OLEDは、「知覚輝度」で勝負。55型、65型、77型の4Kパネルと49インチのウルトラワイドパネルをラインナップ
サムスンディスプレイが開発したQD-OLEDは、2年目に入った。昨年の初年度はサムスンエレクトロニクス、ソニー、デルが採用したが、2年目は採用メーカーがどれくらい増えるかにまずは注目だ。筆者はアンコアホテル・ボールルーム7のサムスンディスプレイ・スゥイートを訪問し、仔細に取材できた。
今年のプロモーションは「高輝度+色の高輝度」効果を打ち出す。つまり単に輝度的な明るさだけでなく、色の高彩度が加わると、たとえ数字上の輝度は同じであっても、人の視覚の認識では、格段により明るいと感じることを、前面に打ち出すのである。高彩度にて輝度が上がったように見える(同じ輝度の色では,彩度が増すにつれて知覚...
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【麻倉怜士のCES2023レポート03】LGディスプレイから、第3世代有機ELパネルがお披露目された。マイクロレンズアレイ+META Boosterで圧倒的な高輝度を実現
LGディスプレイの有機EL・画質改善の第2弾が明らかになった。昨年の2022年の第2世代パネル「OLED.EX」がその第1弾(EXとはEvolution=進化とeXperience=体験の頭文字)。寿命を長期化させる重水素効果により、ピーク輝度を30%高めたることに成功したものだ。2022年の各社の有機ELテレビは、その前年モデルより格段のクォリティアップを実現していたが、それはOLED.EXの力に支えられていたことは、疑問の余地がない。
それに続く第2弾が、2023CESで発表された、マイクロレンズアレイ技術を採用した第3世代の有機ELパネルという位置づけだ。極小のレンズ群を有機EL発...
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【麻倉怜士のCES2023レポート02】 “SHARP is Back AGAIN” シャープが「AQUOS XLED」でアメリカに再参入。ミニLEDバックライト搭載液晶テレビで高級イメージをアピール
4年前のCES2019では、シャープがブースを出展、アメリカ再参入を訴えた。当時、副社長だった石田佳久氏にインタビューした。石田氏は「CESには4年ぶりのブース出展になります。弊社はアメリカのビジネスではB to Bが中心ですが、商品も揃ってきましたので、このあたりできちんとアメリカの皆様にも、シャープがどんなことをやっているかを訴求しようと思いました」と言っていた。
ところがこの試みはその後、コロナ禍などもあり、実際にはわずかな試験販売で終わっていた。盛りあがったテレビ需要も急減し、なかなか入るタイミングを失っていた。でも、アメリカ市場を担当する吉田宏之氏(シャープ スマートディスプレ...
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【麻倉怜士のCES2023レポート01】3年ぶりに“リアルCES”に来た! 以前の活気を取り戻した会場から、最前線情報をお届けします。乞うご期待
2020年以来、3年ぶりのCESだ。1998年から毎年通っているのは、その年のオーディオ・ビジュアル、デジタルの動向が予見的に分かるイベントとして欠かせないからだ。
2021年と22年はコロナで渡航が叶わなかった。3年ぶりのCESは、元気だ。今日は開催前日のプレスデイだが、活気があちこちで感じられた。CTAの発表によると 今回は173の国や地域から3100社が参加、4,700社を超えるメディアが取材するとのことだ。
4日(現地時間)のメディア・デイも、いつもの活気を感じた。マンダリンベイ・ホテルで朝8時のLGエレクトロニクスの会見から始まり、5時のコンベンションセンターのソニー会見まで、...
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『マーヴェリック』の世界を「体験する」ための感動装置。それがこの5.1chサラウンドシステムなのだ!ECLIPSE「TD307THMK3」
【再生システム研究】テレビからの発展。シンプル5.1ch再生で大感動を実現
『トップガン マーヴェリック』の豪華絢爛な音響は入門的なシステムで、どこまで再現できるか。再生するはチャプター12から13。蛇行する狭い峡谷の底、谷間中心の地下ウラン濃縮プラントを破壊するオペレーション。レーダーに捕捉されないよう峡谷に300フィートの低高度、高速度で侵入するが、プラントの前には高い山が立ち塞がり、背面飛行で飛び超えなければならない。設定した2分15秒以内にたとえ攻撃に成功しても、地対空ミサイルSAMが直ぐに襲ってくる、GPSも効かない……というまさにミッション・インポッシブル。
この場面には本作...
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驚異の音。これぞ小さな巨人だ。シンプルでありながら最先端機能満載。ジェネレックから新アクティブスピーカー登場 GENELEC「6040R」
GENELEC(ジェネレック)が家庭用スピーカーシステム6040Rを発表した。世界のスタジオで標準的に使われている、フィンランドのモニタースピーカーを家庭で使いたいという要望は世界中で多数あり、日本法人にも寄せられていた。すでにヨーロッパ市場でいち早くリリースされていた、Signatureシリーズの第一弾となる、フロア・スタンディングスピーカー「6040R」がついに日本に上陸したのだ。型番の「R」とは「Re-Imagine(再構築)」のこと。同シリーズは、ジェネレックの歴史の中でも象徴的な過去製品を、最新の技術を投入し、リニューアルすることを旨とする。
本製品の原点は2001年の「604...
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高品位を妥協なく凝縮した音の宝石箱を試す!フェルム・オーディオの新発想デジタルコンポーネント徹底使いこなし
ポーランドのFerrum Audio(フェルム・オーディオ)の名前を知ったのは、昨秋体験したオーディオ用DC電源パワーサプライHYPSOS(ヒプソス)だった。小型DACが、付属ACアダプターからの給電に比べ、圧倒的に音質向上したのに驚いた。フェルム・オーディオはさらにHYPSOSとほぼ同じ横幅217mmのヘッドホンアンプ内蔵USB DAC/プリアンプERCO(エルツォ)、ヘッドホンアンプOOR(オア)と、矢継ぎ早に注目すべき新製品をリリース、旺盛な製品開発力を見せつけた。本稿ではこの3つを縦横に試聴する。
2020年ワルシャワに設立。確かな技術と製造能力を備えている
フェルム・オーディオ...
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これぞ究極の立体音響ヘッドホン技術だ! 映画制作現場でも使われているソニー「360 Virtual Mixing Environment」の効果に、大いに感動した:麻倉怜士のいいもの研究所 レポート87
「360VME(Virtual Mixing Environment)」の効果が凄い! ダビングステージなどのサウンドミキシング制作環境の音響をヘッドホンを使って再現する技術で、サウンドエンジニアなどのプロフェッショナルも納得の高い精度で音場を再現してくれるのだ。しかも、既にこの技術を使ったソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(以下SPE)の作品が劇場公開されているという。
今回はこの技術がどのようにして創り出されたのか、またハリウッドの現場で使われるようになったいきさつについて、360VMEの開発を担当したソニーグループ株式会社 R&Dセンターの沖本 越さんと中川 亨さん、中井彬人...
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「360 Spatial Sound Mapping」が生み出す3D音場は一度体験すべき! ソニーの「HT-A5000」「HT-A3000」にサウンドバーの新しい価値を見た:麻倉怜士のいいもの研究所 レポート86
リビングシアターの満足度をワンランクアップさせるアイテムとして、サウンドバーが人気を集めている。最近はドルビーアトモスなどのデコード機能を備え、そこに独自の技術を加えることで優れた包囲感、臨場感を再現する製品も少なくない。
その代表格がソニーの“サウンドバー3兄弟”だ。昨年発売された「HT-A7000」が長男格で、7.1.2スピーカーを内蔵し、サウンドバーだけで豊かなサラウンド再生が可能。さらに別売のワイヤレスリアスピーカーやワイヤレスサブウーファーを加えることで、独自の立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」の効果も楽しめる。
そして今回、弟機となる「HT-A...
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パナソニックの「ウォールフィットテレビ」は、テレビに革命を起こす! 4K無線伝送が拓くライフスタイルの変革に期待する:麻倉怜士のいいもの研究所 レポート85
9月上旬にドイツ、ベルリンで開催されたIFA 2022のパナソニックブースで注目を集めた展示が、部屋のレイアウトに縛られないコンセプトを提案した「ウォールディスプレイ」だ。同社が培ってきた4K無線伝送技術を活用し、テレビを様々な制約から解放する提案という。そして先般、そのコンセプトが、ウォールフィットテレビ「LW1」シリーズとして日本で正式にリリースされた。
今回の連載では、ウォールフィットテレビの開発担当者であるパナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社 副社長執行役員ビジュアル・サウンドビジネスユニット長 阿南康成さんと同 技術センター 中澤 攝(おさむ)さん、同...