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【麻倉怜士のCES2025レポート11】LGディスプレイの新しい「4スタック」有機ELパネルは、ピーク輝度4000nits
LGディスプレイはCES2025でのブース出展を見送ったが、2025年の新有機ELパネルは、パナソニックとLGエレクトロニクスが搭載を発表した。パナソニックの新製品、「Z95B」シリーズは「Primary RGB Tandem technology」を採用したと喧伝している。これこそ、LGディスプレイの最新技術「4スタック・原色発光バネル」の成果だ。これはちょっと理解が難しい技術なので、解説しよう。
LGディスプレイの有機ELパネルは、WOLED方式といわれる。有機EL層を白色発光させ、その白色をカラーフィルターで、RGB化する。この際、有機EL層は複数の原色、補色を重ねて発光し、白をつ...
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【麻倉怜士のCES2024レポート06】LGディスプレイは「META Technology 2.0」で、カラー輝度を倍増! 次世代有機ELテレビの画質が大いに楽しみになった
ディスプレイ開発は、2年おきにテーマが変わる。2023年は、マイクロレンズアレイのMETAパネルが登場した。これは大イノベーションであり、毎年はさすがに無理だ。そこで2024年の有機ELパネルは、マイクロレンズアレイ(MLA)技術の第2弾として、回路での改良に力を入れた。
LGディスプレイが画質改善を始めたのは、2022年の第2世代パネル「OLED.EX」がその第1弾(EXとはEvolution=進化とeXperience=体験の頭文字)。パネル寿命を長期化させる重水素効果により、ピーク輝度を30%高めることに成功した。第2弾が、2023年のマイクロレンズアレイ。ブランドは「META」(...
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革新的進化を遂げた「OLED.EX」の正体【韓国LGディスプレイ独占取材リポート】
この7月、3年振りに韓国・LGディスプレイを訪れた。有機ELパネルのエバンジェリスト(伝道師)を自認する私は2015年からほぼ毎年、韓国、中国に取材や講演に出掛けていたが、それがコロナで不可能に。やっと再開され、LGディスプレイの有機ELパネル製造拠点「坡州(パジュ)工場」とソウル市麻谷(マゴク)にある研究開発拠点の「LGサイエンスパーク」を訪問した。
まず驚いたのが、ここ数年の有機ELパネルの発展ぶりだ。私が初めてLGディスプレイを訪れた時は、採用メーカーはグループのLGエレクトロニクスのみだったが、今や日本でのLG、ソニー、パナソニック、東芝(TVSレグザ)、フナイ、シャープを始め、...
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【麻倉怜士のIFAリポート2019】その6:LGの48型4K有機ELディスプレイを見た。リビングだけでなく、すべての部屋に有機ELテレビを置く時代がやってくる
LGディスプレイは、IFAの新パビリオン27館で、ごく限られた関係者向けに新製品を公開。それが48インチの4K有機ELだ。
撮影禁止なので、残念ながらパネル製品の写真はないが、昨秋から話題になっていた小型有機ELディスプレイが、遂に完成したことはいろいろな意味で意義深いことだ。今、4Kは現状は77、65、55インチだが、これに48インチが加わることで、マーケティング的にも、テレビスタイル的にも、有機ELの新しい時代を迎えることになる。
これまでは有機ELはプレミアムテレビとして大型化を追求してきたが、今後は、パーソナル化がテーマになる。一家に一台有機ELテレビから、すべての部屋に有機EL...