執筆陣
【麻倉怜士のCES2025レポート11】LGディスプレイの新しい「4スタック」有機ELパネルは、ピーク輝度4000nits
LGディスプレイはCES2025でのブース出展を見送ったが、2025年の新有機ELパネルは、パナソニックとLGエレクトロニクスが搭載を発表した。パナソニックの新製品、「Z95B」シリーズは「Primary RGB Tandem technology」を採用したと喧伝している。これこそ、LGディスプレイの最新技術「4スタック・原色発光バネル」の成果だ。これはちょっと理解が難しい技術なので、解説しよう。
LGディスプレイの有機ELパネルは、WOLED方式といわれる。有機EL層を白色発光させ、その白色をカラーフィルターで、RGB化する。この際、有機EL層は複数の原色、補色を重ねて発光し、白をつ...
執筆陣
【麻倉怜士のCES2025レポート まとめ】2025年を牽引してくれる、様々な新技術との出会いがあった
【麻倉怜士のCES2025レポート01】生成AIが、テレビの世界にも長足の進歩をもたらす!? TVS REGZAの技術展示は、新しいテレビとの付き合い方を予感させてくれた - Stereo Sound ONLINE
今年もアメリカ、ラスベガスで世界最大クラスのテクノロジー見本市「CES 2025」が開催された。Stereo Sound ONLINEでも、例年同様に麻倉怜士さんによるリポートをお届けする。麻倉さんは現場を駆け回って、面白そうなニュース、ストーリーを鋭意取材してくれたので、ご期待いただきたい。
その第一弾として、TVS REGZAの技術展示についての直撃インタビューをお届け。...
執筆陣
【麻倉怜士のCES2025レポート10】全身で、映画やゲームの世界を体感できる。ソニーの「LBE」は、IPの多方面での展開を加速させる注目提案だ
CES2025のソニーブースは、3DCG制作ソリューションのXYN(ジン)や、車や船、飛行体の新たな移動体撮影システムといったクリエイター向けのテクノロジーが新たに提案された。そんな中で麻倉さんが注目したのが、「LBE」(ロケーション・ベース・エンタテインメント)だ。麻倉さん曰く、“インタラクティブ版お化け屋敷”で、センシング、匂い、映像、音響に関連する技術を投入し、来場者が作品世界に没入できる提案だ。今回はLBEを含めたコンテンツ制作環境の進化についてソニー・ピクチャーズ エンタテインメント テクノロジー・デベロップメント シニア・バイス・プレジデントの高島芳和さんにお話をうかがった。...
執筆陣
【麻倉怜士のCES2025レポート09】ソニー・ピクチャーズの配信サービス「RIDEVU」を体験。IMAX Enhanced作品が、ベンツで視聴可能。日本でも、まもなく
コンベンションセンターの西館は、クルマの専門展示場。Xperiブースに陣取ったメルセデスベンツのE450では、「RIDEVU(ライドビュー)」というソニー・ピクチャーズの配信サービスが受けられる。
ソニー・ピクチャーズはテレビ向けと、クルマ向けにコンテンツ配信サービスを展開。ソニーのテレビ向けは「Sony Pictures Core」だ(『Bravia Core』から名称変更)。クルマ向けのRIDEVUはベンツ独占だ。数千のタイトルが視聴可能。その中の100タイトル程は無料で配信され、毎月、内容が変わる。
そこで凄いのは、ベンツにIMAX Enhancedコンテンツを配信するのである。ソ...
執筆陣
【麻倉怜士のCES2025レポート08】BMWのSUV、X3M50が「DTS AutoStage Video Service Powered by TiVo」を搭載。カー・エンタテインメントは短尺が好まれる
ウエストホールのXperiブースで、DTSのカーエンタテインメントサービス、「DTS AutoStage Video Service Powered by TiVo」を搭載したBMWのSUV、X3M50が出迎えてくれた。
同サービスは2023年にBMWが採用したのを嚆矢に現在、世界146ヵ国で1,000万台の車両に搭載されるまでに成長。北米の600万台以上の車両がDTS AutoStageとHD Radioが受信している。北米ではハーレー・ダビットソン、フォード・モーターも採用。2026年には日系のクルマメーカーも採用する運びという。インターネット配信だけでなく、放送にも対応するのが特徴...
執筆陣
【麻倉怜士のCES2025レポート07】サムスンディスプレイの新「2025 QD-OLED」はピーク輝度4000nitsを実現!
2023年から、アンコアホテルのサムスンディスプレイ・スウィートに通っているが、毎年、大きな成果が得られている。今年も、予想以上だった。
「2025QD-OLED」とネーミングされた今年のQD-OLEDは何と、ピーク輝度が4000nitだ! これまで2023年が2000nits、24年が3000nitsと来て、25年は4000nitsを実現したのである。それは、ベースになる青色の有機EL発光層の材料を変えたことが大きく効いている。
有機ELパネルの開発テーマは、発光層の材料開発とアルゴリズム(信号処理)が一年おきに入れ替わる。2023年は青色発光層に新材料「OLED HyperEffic...
執筆陣
【麻倉怜士のCES2025レポート06】ディナウディオ初のサウンドバーは予価2万ドルで、2025年末〜2026年の発売か
ラスベガス・コンベンションセンターの中央ホール東端のディナウディオブースでは、ディナウディオ初のハイエンドサウンドバー「Symphony(シンフォニー) Opus 1」のプロトタイプが展示。シンフォニーがブランド名で、商品名が「Opus 1」。価格は2万ドル。まずはハイエンドから市場に参入する。
ユニットは全部で24基。フロントにフルレンジが10基、サイドに2基、アップが2基、フォースキャンセル方式の対向サブウーファーが4基(ユニット数は8基)、加えてサイド、トップにもユニットを持つ。ワイヤレスサブウーファーもオプションで用意される。
ビームフォーミングにより、ハイトも含め、イマーシブサ...
執筆陣
【麻倉怜士のCES2025レポート05】世界のテレビメーカーの間で、TiVo OSが大躍進。シャープは今年2月から、TiVo OSの55インチ液晶テレビをアメリカで販売する
テレビ用のOSは、これまでROKU、グーグル、アマゾンなどが大宗体だが、XperiのTiVo OSが今、躍進している。
当初は、2023年にトルコのベステル(自社ブランドの他にDaewoo、Regal、Hitachi、Telefunken、Toshiba、JVCなどのブランドも)が導入した程度だったが、その後、年を追う毎に採用が増えている。シャープ、パナソニック(どちらもヨーロッパ向けテレビ)、中国のスカイワース、コンカ……と、これまで8社、33以上のブランドが採用。
CESでの最新ニュースは、シャープ。シャープ ホームエレクトロニクスカンパニー オブ アメリカ(Sharp Home E...
執筆陣
【麻倉怜士のCES2025レポート04】新型高輝度パネルと独自の放熱構造が生み出す原色再現とピュアな白に、有機ELの可能性を感じた。パナソニックの新展開に期待が高まる
麻倉怜士さんによる、CES2025インタビューの第二弾をお届けする。今回は有機ELのフラッグシップを発表したパナソニックブースにお邪魔して、新製品の進化点や画作りのポイントについてうかがっている。また同社は昨年アメリカのテレビ市場に再参入しているが、その狙いについても詳しくお聞きした。インタビューに対応いただいたのは、パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社 副社長執行役員 ビジュアル・サウンドビジネスユニット長の阿南康成さん、同ビジュアル・サウンドビジネスユニット 商品企画部 テレビ商品戦略課の高城敏弘さん、同じくビジュアル・サウンドビジネスユニット 北米テレビ事...
執筆陣
【麻倉怜士のCES2025レポート03】HDMIはバージョン2.2に進化。なんと96Gbps伝送で、映像も16K/60Hzに対応
HDMI規格の新バージョン「HDMI 2.2」が、CES2025開催前日の1月6日に発表された。最大のポイントは、伝送速度。なんとHDMI 2.1の48Gbpsの2倍の96Gbpsが達成された。
これまでのHDMIの転送速度を振り返ると、2006年のHDMI1.3が10.2Gbps、2013年のHDMI2.0が18Gbps、そして2017年11月のHDMI2.1が48Gbpsだ。ちょうど7年ごとに、2~3倍のスピードアップを果たしていることが分かる。
マンダリンベイ・ホテルで開催された記者会見で、規格策定を行うHDMIフォーラム社長のチャンドリー・ハレル氏は、こう言った。
「HDMIへの...
執筆陣
【麻倉怜士のCES2025レポート02】ソニー・ホンダモビリティのEV「AFEELA 1」が遂に発表! ドライバーシートからの眺めを動画でお届けしよう
ソニー・ホンダモビリティ(SHM)のEV、「AFEELA 1」がCES2025で発表。ラインナップと価格が明らかに。
8万9900ドル(約1420万円)の基本モデル「オリジン」、外観色を3色から選べる10万2900ドル(約1625万円)のフラグシップモデル「シグネチャー」の2タイプが用意。カリフォルニア州限定での発売になる。クルマとドライバーが対話するEVだ。
では、どんな感じでハンドルを握り、車載ディスプレイを観るのだろうか。ソニー・ホンダモビリティブースの「シグネチャー」の運転席に座る機会があり、動画で撮影した。これを見ればあなたもAFEELA 1を運転できる!?
執筆陣
【麻倉怜士のCES2025レポート01】生成AIが、テレビの世界にも長足の進歩をもたらす!? TVS REGZAの技術展示は、新しいテレビとの付き合い方を予感させてくれた
今年もアメリカ、ラスベガスで世界最大クラスのテクノロジー見本市「CES 2025」が開催された。Stereo Sound ONLINEでも、例年同様に麻倉怜士さんによるリポートをお届けする。麻倉さんは現場を駆け回って、面白そうなニュース、ストーリーを鋭意取材してくれたので、ご期待いただきたい。
その第一弾として、TVS REGZAの技術展示についての直撃インタビューをお届け。テレビをより使いやすく、より高画質に進化させてくれるAIの使い方とはどんなものなのか? 現地ブースにて、TVS REGZA株式会社 取締役副社長の石橋泰博さんと、海外事業本部グローバルマーケティング&ブランドマネージ...