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【麻倉怜士のCES2024レポート06】LGディスプレイは「META Technology 2.0」で、カラー輝度を倍増! 次世代有機ELテレビの画質が大いに楽しみになった
ディスプレイ開発は、2年おきにテーマが変わる。2023年は、マイクロレンズアレイのMETAパネルが登場した。これは大イノベーションであり、毎年はさすがに無理だ。そこで2024年の有機ELパネルは、マイクロレンズアレイ(MLA)技術の第2弾として、回路での改良に力を入れた。
LGディスプレイが画質改善を始めたのは、2022年の第2世代パネル「OLED.EX」がその第1弾(EXとはEvolution=進化とeXperience=体験の頭文字)。パネル寿命を長期化させる重水素効果により、ピーク輝度を30%高めることに成功した。第2弾が、2023年のマイクロレンズアレイ。ブランドは「META」(...
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【麻倉怜士のCES2023レポート09】LGが、「これからは透明有機ELテレビが家庭に入る時代」と宣言。テレビが透明になったら何が変わる?
LGエレクトロニクスのプレス・カンファレンスで注目したのが、OLED T(TはTRANCEPALENT)だ。透明有機EL自体はもう何年も前から、B to Bでは実用化され、オフィスのパーティション、地下鉄の窓ディスプレイ、サイネージなどのアプリケーションが進展している。
例えば、自転車販売店ではディスプレイに鮮やかな製品映像を流しつつ、その背後に実物の自転車を飾る。これは商品の見せ方の例で、他の販売店にも応用できる。筆者が訪れたソウルのパン屋では、パンを焼く姿を透明ディスプレイの向こうに見て、画面には宣伝アニメが流れていた。
では、家庭でのアプリケーションはどうか。LGエレクトロニクスは...
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【麻倉怜士のCES2023レポート04】サムスンディスプレイのQD-OLEDは、「知覚輝度」で勝負。55型、65型、77型の4Kパネルと49インチのウルトラワイドパネルをラインナップ
サムスンディスプレイが開発したQD-OLEDは、2年目に入った。昨年の初年度はサムスンエレクトロニクス、ソニー、デルが採用したが、2年目は採用メーカーがどれくらい増えるかにまずは注目だ。筆者はアンコアホテル・ボールルーム7のサムスンディスプレイ・スゥイートを訪問し、仔細に取材できた。
今年のプロモーションは「高輝度+色の高輝度」効果を打ち出す。つまり単に輝度的な明るさだけでなく、色の高彩度が加わると、たとえ数字上の輝度は同じであっても、人の視覚の認識では、格段により明るいと感じることを、前面に打ち出すのである。高彩度にて輝度が上がったように見える(同じ輝度の色では,彩度が増すにつれて知覚...
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【麻倉怜士のCES2023レポート03】LGディスプレイから、第3世代有機ELパネルがお披露目された。マイクロレンズアレイ+META Boosterで圧倒的な高輝度を実現
LGディスプレイの有機EL・画質改善の第2弾が明らかになった。昨年の2022年の第2世代パネル「OLED.EX」がその第1弾(EXとはEvolution=進化とeXperience=体験の頭文字)。寿命を長期化させる重水素効果により、ピーク輝度を30%高めたることに成功したものだ。2022年の各社の有機ELテレビは、その前年モデルより格段のクォリティアップを実現していたが、それはOLED.EXの力に支えられていたことは、疑問の余地がない。
それに続く第2弾が、2023CESで発表された、マイクロレンズアレイ技術を採用した第3世代の有機ELパネルという位置づけだ。極小のレンズ群を有機EL発...
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世界で唯一、RGB印刷方式有機ELパネルを搭載したインテリアモニター「glancy」は、現代アートを楽しむ最高のディスプレイだった:麻倉怜士のいいもの研究所 レポート69
世界で唯一、RGB印刷方式の有機ELパネルを量産している株式会社JOLED。同社の有機ELパネルは色の忠実さ、色域の広さが評価され、多くのモニターディスプレイメーカーの編集用や医療用機器に搭載されている。これまではB to B用途が中心だったが、先日、自社ブランド初の家庭用インテリアモニター「glancy」(グランシー)を発表、クラウドファンディングをスタートした。
今回の連載では、デバイスメーカーであるJOLEDが家庭用ディスプレイを発売することになったいきさつについて、開発担当者にインタビューした。対応いただいたのは、株式会社JOLED 製品事業本部 事業開発推進部 部長の小野雅行さ...
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【麻倉怜士のCES2022レポート04】全世界が大注目! サムスンディスプレイ「QD-OLED」の詳細が分かった
CES2022では、ディスプレイデバイスの革新があった。サムスンディスプレイとLGディスプレイが、次世代有機ELパネルを発表したのである。ここではサムスンディスプレイの新有機ELパネル「QD-OLED」(サムスンはこの言い方はしていない。QD-Displayと称す)が正式にデビューした話をしよう。LGディスプレイの「OLED.EX」は別記事で。
これまで全世界のテレビメーカーの有機ELテレビには、韓国LGディスプレイ製の白色有機ELが搭載されてきたが、今後は事態が変わりそうだ。サムスンディスプレイが、新有機ELパネルQD-OLEDをデビューさせたからだ。すでに親会社のサムスンエレクトロニ...
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NHK「技研公開2021オンライン」は興味深い研究が満載! 私が注目した4つのテーマを深掘りした(後):麻倉怜士のいいもの研究所 レポート53
6月30日(水)まで開催中の「技研公開2021オンライン」では、オーディオビジュアルファン注目の研究発表が多数紹介されている。前回の連載ではその中から麻倉さんが注目したふたつの技術を紹介した。後篇となる今回は、さらにふたつのテーマについてお届けする。ひとつはフレキシブル有機ELパネルを使った没入型VRディスプレイで、もうひとつは発光素子として使う量子ドット技術だ。どちらも近未来のディスプレイシーンを変えるかもしれない、重要な研究だ。その詳細を、紹介する。(編集部)
<テーマ3> 未来の没入型VRディスプレー
技研公開で毎回話題を集めているフレキシブル有機ELパネルを使った応用例だ。見てい...
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【麻倉怜士のCES2020レポート06】JOLED、新型印刷・RGB有機ELパネルを発表。32型4K有機ELテレビに大いに期待
日本の有機ELディスプレイメーカー、JOLEDが新型印刷・RGB有機ELパネルを、ラスベガス・コンベンションセンターに隣接するウエストゲイトホテルで公開した。
これまでの21.6型に加え、新たに27型と32型がデビュー。昨年11月に稼働した能美事業所(石川県)での、第5.5世代のガラス基板(1300×1500mm)ラインから取り出された、出来たてほやほやの新作パネルだ。能美事業所の月産能力は2万枚(ガラス基板投入ペース)とされ、今後の印刷方式有機ELパネルの活用拡大が期待される。
初代の21.6型は、まずソニーの医療用モニター、次に台湾の大手パソコンメーカー、ASUSのプロフェッショナル...