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【麻倉怜士のCES2023レポート18】ソニーが、宇宙感動体験の創出を目指した「STAR SPHERE」が本格始動! 衛星の打ち上げも終了し、いよいよユーザーサービスが動き出す
ソニーグループ(以下、ソニー)は、昨年のCES2022で「宇宙感動体験の創出を目指すSTAR SPHERE(スタースフィア)」事業をスタートすると発表した。東京大学、JAXAと共同で進めてきたプロジェクトで、ソニーのカメラを搭載した人工衛星を打ち上げ、ユーザーが意図したカメラワークで地球や星々を撮影できるサービスだという。それから1年、CES2023直前の1月3日に無事衛星の打ち上げに成功し、ビジネスが次の段階に入った。今回はCES2023のソニーブースにて、ソニーグループ株式会社 新規事業探索部門 副部門長の矢部雄平さんと、新規事業探索部門 宇宙エンタテインメント推進室の関根知美さんに...
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【麻倉怜士のCES2023レポート17】2023年のテレビは、より「人に近づく」。次は視聴者個人個人の、画調の好みまで忖度する
REGZAのミリ波レーダーによる視聴位置把握、アナログデバイセズの視聴位置に向け音の指向性を向けるVIRTUAL IMMERSION(いずれも既報)と、CES2023ではオーディオビジュアル機器がユーザーに寄り添う姿勢が、鮮明になった。
テレビでいうと、これまでは入力してきた信号を分析し、その種類(映画、スポーツ、ドラマ……)によって、コンテンツに最適な画質(輝度、コントラスト、階調、色、フレーム数など)をテレビ内部で設定していた。
今回は出力側、つまりテレビの画面の外に、イコライジングの網を拡げたことが、画期的だ。REGZAではミリ波レーダーにて視聴者がどの位置にいるかを把握し、その距...
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【麻倉怜士のCES2023レポート16】パナソニック開発のVRグラス「MeganeX」は、メタバース専用ではない! ビジネス用から医療用機器まで、様々な展開に期待する
パナソニックとShiftallはCES2023で、VR(Virtual Reality、仮想現実)グラス「MeganeX」の新展開を発表した。同社は昨年のCESでMeganeXを出品、左右それぞれ2.6K(水平2560×垂直2560画素)、両目で5.2Kの映像が楽しめるデバイスとして注目を集めた。その製品は系列会社のShiftallから2022年内に発売される予定だったが、実際には発売が遅れ、2023年3〜4月頃の発売になるとリリースされている。今回は、同社事業開発センター XR開発部 部長の柏木吉一郎さんとXR総括の小塚雅之さんに、MeganeXの進化点についてお話をうかがった。(St...
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【麻倉怜士のCES2023レポート15】2023CESでは、ここにも注目した② LGのエモい冷蔵庫から、ソニー・ホンダのEV「アフィーラ」まで。私のファンとも遭遇!?
色のエモーション① サムスンとフィリップスが手を結んだテレビ背後照明
フィリップスブランドのテレビは、アンビライトが光る。テレビの背後に、LEDが列にはめ込まれ、映像の色相情報に応じて、それに合った色を発する仕組み。それがどうしたのだと言われても困るが、ヨーロッパの光文化(比較的暗い部屋での間接照明)だから発想されるフューチャーだ。
今回はサムスンエレクトロニクスがその背面光機能を取り入れた。フィリップスの色相変化アプリのHUEとも連動、コンテンツの色味に応じて、テレビの背景照明だけでなく、部屋の照明がハーモニーするのである。
色のエモーション② LGの「MOODUP」搭載冷蔵庫は、千変...
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【麻倉怜士のCES2023レポート14】2023CESでは、ここにも注目した① シャープの軽量HMDや、アナログデバイセズのサウンドバー向け新技術提案
シャープのHMDは超軽量、レンズも優秀
重量約175gと、軽いHMD(ヘッドマウントディスプレイ)をシャープが開発。バッテリーを搭載せず、スマートフォンとUSB Type-Cのケーブルで接続して使う。シャープの携帯電話部隊が開発したものでディスプレイからカメラモジュール、レンズに至るまで、ほとんどの部分を自社開発している。
特に自慢は焦点変更をレンズ自体の伸縮で行う「ポリマーレンズ」。もともとシャープ矢板工場でビデオメカの組み立てを行っていた関東タツミ電子をルーツに持つ、カンタツ株式会社が開発した先進レンズ技術だ。一般のレンズは合焦速度が遅く、それがVR酔いを惹起する。その点、カンタツの...
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【麻倉怜士のCES2023レポート13】正確なAI検出のために、数万を超える映像データの機械学習を行いました。新世代レグザエンジンZRαは、人に寄り添うテレビの第一歩を踏み出した(後)
TVS REGZAはCES2023にブースを出展、独自のレグザエンジンZRαの進化版による高画質&センシング技術の成果を公開した。前編ではこの新しい映像エンジンの使い方について担当者に直撃、続く後編では、AIによるディープニューラルネットワークの処理内容について更に深いお話しをうかがっている。対応いただいたのはTVS REGZA株式会社 取締役副社長 石橋泰博さん、R&Dセンター半導体開発ラボ 参事 木村忠良さん、テレビ映像マイスタ 住吉 肇さんの3名だ。(StereoSoundONLINE編集部)
麻倉 新世代のレグザエンジンZRαでは複数のネットワークを使って解析しているとのことでし...
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【麻倉怜士のCES2023レポート12】正確なAI検出のために、数万を超える映像データの機械学習を行いました。新世代レグザエンジンZRαは、人に寄り添うテレビの第一歩を踏み出した(前)
先日速報をお届けした通り、TVS REGZAはCES2023にブースを出展、独自のレグザエンジンZRαの進化版による高画質&センシング技術の成果を公開した。YouTubeや現地取材でそのパフォーマンスに触れた麻倉怜士さんから新世代レグザエンジンZRαについてより詳しいお話をうかがいたいというリクエストがあり、StereoSoundONLINEでは開発担当者にインタビューをお願いすることにした。対応いただいたのはTVS REGZA株式会社 取締役副社長 石橋泰博さん、R&Dセンター半導体開発ラボ 参事 木村忠良さん、テレビ映像マイスタ 住吉 肇さんの3名。以下でその詳細を報告する。(Ste...
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【麻倉怜士のCES2023レポート11】ほんとうに対話しているようなVR体験を提供する、キヤノンのVRコミュニケーションシステム「KOKOMO」
VRでの対話はアバターを通じて行うのが一般的だが、どうもいまひとつリアリティがない。アバターでない本物の相手の姿が見え、声が聞こえれば、VRヘッドセットを掛けていてもリアルな臨場感が得られるだろう。キヤノンUSAの、VRコミュニケーションシステム「KOKOMO」は、まさにそんな不自然を解消し、バーチャルなのだが、まるで目の前の相手と会話しているような気分にさせてくれる、VR対話ソリューションだ。
CANONブースで体験した。VRヘッドセットを掛け、机の上のスマートフォンが私を撮影する。相手はカリフォルニアのアーバインから交信している。背景はマリブ海岸のビーチハウス。会話はたわいないもの。...
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【麻倉怜士のCES2023レポート10】ドローンスピーカー飛翔! ローランドの創業50周年記念デジタルピアノにびっくり
2020年のCESリポートで、ローランドの未来型デジタルピアノを報じた。「“これぞ未来のデジタル・ピアノだ” ローランドの近未来コンセプトモデル「GPX-F1 Facet」が素晴らしい」( )というタイトルで、多面体で構成された、クリスタルのようにキラキラ光るコンサート・グランドピアノ型のコンセプト・モデル『GPX-F1 Facet』を紹介した。
今回のCES2023でのデジタルピアノも刮目。「ローランド創業50周年記念モデル」という平凡な名前の試作機だが、中味はもの凄くユニークで、未来的だ。
なんとドローンを鳴らすのである。ドローンにスピーカーを取り付け、いやスピーカーにドローンを取...
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【麻倉怜士のCES2023レポート09】LGが、「これからは透明有機ELテレビが家庭に入る時代」と宣言。テレビが透明になったら何が変わる?
LGエレクトロニクスのプレス・カンファレンスで注目したのが、OLED T(TはTRANCEPALENT)だ。透明有機EL自体はもう何年も前から、B to Bでは実用化され、オフィスのパーティション、地下鉄の窓ディスプレイ、サイネージなどのアプリケーションが進展している。
例えば、自転車販売店ではディスプレイに鮮やかな製品映像を流しつつ、その背後に実物の自転車を飾る。これは商品の見せ方の例で、他の販売店にも応用できる。筆者が訪れたソウルのパン屋では、パンを焼く姿を透明ディスプレイの向こうに見て、画面には宣伝アニメが流れていた。
では、家庭でのアプリケーションはどうか。LGエレクトロニクスは...
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【麻倉怜士のCES2023レポート08】トルコの大手テレビメーカー、ベステルが、初めてTiVo OSを採用。曖昧検索に魅了される
激しい競争が繰り広げられている、スマートテレビのOSシーンに新顔、TiVo OSが割って入った。トルコの大手テレビメーカー、ベステルが、初めてTiVo OSを採用したのである。正確にいうと、Media TekのチップセットにTiVo OSがインプリされ、そのチップをベステルが採用したという形だ。
ベステルは自社ブランドの他に、「Daewoo」「Regal」「Hitachi」「Telefunken」「JVC」……などのブランドを使い、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、トルコといったヨーロッパ諸国で人気のメーカーだ。毎年、数百万台の販売実績を上げている。
普通に考えれば、一般的...
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【麻倉怜士のCES2023レポート07】ディズニープラスとソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが強力サポート、2023年はIMAX Enhancedの飛躍の年
IMAX Enhancedの新展開が分かった。IMAX EnhancedとDTSを有するXperiは、CES2023にタイミングを会わせ、Park MGMホテル内にてプライベートブースを開設。ここでIMAX Enhancedの最新情報が得られたので、報告しよう。
IMAXは世界80を超える国、地域に1,500以上のIMAXシアターを展開。IMAX上映作品はこれまで300~350タイトルに登っている。一般のシネマスコープのアスペクト比が横2.35:縦1に対し、IMAXは1.43:1というかなり縦に長い。その分、画面のマッシブ感が半端でない。
その家庭用のイマーシブ・フォーマットがIMAX ...