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ステレオサウンド オリジナルソフトの魅力を語る。名盤ソフト 聴きどころ紹介38/『ブリテン:戦争レクイエム』『メンデルスゾーン:交響曲第3番《スコットランド》』
この4月6日、ステレオサウンドから新たに「名盤コレクション」のクラシック作品が一挙5タイトル、リリースされた。いずれもSACD+CDという2枚組の体裁で、ハイブリッド式を採らなかったところに音質への配慮が感じられる。その中からここでは『メンデルスゾーン:交響曲第3番<スコットランド>、他』と『ブリテン:戦争レクイエム』の2タイトルを紹介しよう。
これこそ、デッカ黄金時代の音。豊穣たるオーケストラサウンドに酔う
最初に、この2枚のデッカ盤に共通した重要点ふたつを記しておく。それは、録音エンジニアに巨匠ケネス・ウィルキンソンが携わっていることだ。オーケストラの細部をマルチマイクで収録するので...
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名盤ソフト 聴きどころ紹介34/「小椋佳」Stereo Sound REFERENCE RECORD
小椋佳の声の神髄が引き出されたこだわりのSACDとアナログレコード登場
小椋佳。叙情性に富んだ繊細なメロディと心に深く響く歌声。そしてていねいにつづられた歌詞のもつ陰影と、彼は歌い手であると同時に、一言一言、細やかな心遣いをもって言葉を紡ぐ吟遊詩人と言っていいかもしれない。
ここで紹介する2作品は、デビューから50年を数え、現在公演中のコンサートツアーを最後に第一線から退く、小椋桂の名曲の中から、ステレオサウンド社がオリジナルでセレクトした15曲を収めたSACD+CDの2枚組と、同10曲収録のアナログレコードである。
収録楽曲は、NHKホールでの初コンサートを収めた『遠ざかる風景』(19...
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【動画】エソテリックが始動させた高音質音楽ソフトの制作拠点を訪ねて
オーディオ愛好家の間で、音のよいSACDをリリースするブランドとして信頼を集めるエソテリック。おおむね3ヶ月に1度、世界の名演奏・名録音の中から選び抜いた作品を発売してきた同社は、ついにその音づくりのための作業を自社内で行なう「エソテリック・マスタリング・ センター」を始動させた。
エソテリック・マスタリング・センター開設にあたっては、このプロジェクトのプロデューサーである大間知基彰氏の「後世に遺すべき世界の音楽作品に備わる、本当の感動を届けるためには、音づくりの根幹をなすマスタリングを自社の技術・設備、そしてスタッフで行なう必要がある」という、強い決意が大きな原動力となったという。
ス...
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【動画】ミュージシャンが語るギターとオーディオ、音楽とオーディオ
音楽が流れ出した瞬間、存在が消えるオーディオ。それこそが私たちのめざすもの。そんな共通の思いを抱く4人のミュージシャンが自分達の作品を聴きながら、さまざまな思いを語ります。今回用意されたスピーカーは、カナダから輸入されているPARADIGM社のPERSONA B。ピュアベリリリウムユニットで構成されるこの小型2ウェイ・ブックシェルフモデルに組み合されるのは、ギタリストでオーディオデザイナーの鈴木 哲さんが設計・開発・製造を行なっているFUNDAMENTALの最新セパレートアンプ。
お集まりいただいたのは、その鈴木 哲さんと、オーディオ評論家でベーシストの和田博巳さん、そして特別ゲストとし...
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マックスオーディオ主催「35th AUDIO VISUAL FAIR」がいよいよ11月26日(金)より開幕!
今週末、北九州・小倉のマックスオーディオが主催する「35th AUDIO VISUAL FAIR」が開催される。タイトルの通り、今年で35回目となるこの展示即売会は、中国、四国、九州地方のオーディオ愛好家にとって絶対に見逃せないビッグイベント。今年、東京インターナショナルオーディオショウやオーディオセッションin OSAKAなどでお披露目された、注目の新製品がこの小倉の地に一堂に会するからだ。
EVENT DATA
名称 35th AUDIO VISUAL FAIR
開催日 11月26日(金)~11月28日(日)
開催時間 10:00~18:00
会場 アジア太平洋インポートマート(AI...
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第6回シーエスフィールドオーディオショー @ H.A.L3のお知らせ
ハイエンドオーディオケーブル JORMA DESIGN製品などの輸入代理会社シーエスフィールドは、今週末にダイナミックオーディオ 5555で試聴会を行なうことになった。このイベントは、毎年行っていたものとのことで、コロナウイルス感染症蔓延防止のため、しばらくの間中止となっていたそう。なお、タクトシュトックとの合同試聴会も11月6日(土)15時から17時の予定で実施するという。詳細は以下のとおり。
第6回シーエスフィールドオーディオショー @ H.A.L3
(ダイナミックオーディオ5555 H.A.L.3主催)
日時
2021年11月6日(土)~11月7日(日)
デモ予定の出品製品
・LI...
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名盤ソフト 聴きどころ紹介27/『チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番』『ワーグナー:ザ・ゴールデン・リング〜楽劇《ニーベルングの指環》』 Stereo Sound REFERENCE RECORD
ステレオサウンドがリリースする「オーディオ名盤コレクション〈クラシック篇〉」は、原則SACDとCDの2枚組。SACDは1枚の12㎝ディスクの中にSACD層とCD層を有したハイブリッドディスクではない、シングルレイヤー仕様である。
ハイブリッド仕様のSACDの場合、厚さ1.2mmの中に、レーザー光源側から見て0.1mmにSACD層、0.6mmにCD層が記録されている。読取り時のレーザー光線の波長が異なるため、干渉はないといわれているが、シングルレイヤーSACD盤とハイブリッドSACD盤を聴き比べると音の違いは確かにあって、質感描写のなめらかさや音場の見通しのよさでシングルレイヤーSACDが...
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名盤ソフト 聴きどころ紹介26/『ロッシーニ:弦楽のためのソナタ集(全6曲)、二重奏曲、パガニーニによせてひと言、涙』『ヴィヴァルディ:協奏曲集《四季》』Stereo Sound REFERENCE RECORD
オーディオのメインのメディアがレコードからCDに置き換わろうとした頃、その動きをもっとも支持したのはクラシック愛好家だった。それは単にヒスノイズやスクラッチノイズといったアナログ特有の問題がクリアーしただけでなく、ダイナミックレンジやS/Nの拡大、さらには盤を裏返したり、交換したりといった再生時の煩わしさから解放されたことも大きかった。
他方、SACDが今もこうして音のいいメディアとして重用されているのは、ひとえにクラシック好きのオーディオファイルの存在がこれまた無視できないと私は思う。12cmディスクメディアの世界的な市場縮小の中で、クラシックSACDはいまもってコンスタントにリリース...
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名盤ソフト 聴きどころ紹介25/『シナトラズ・シナトラ』『スウィング! シナトラ=ベイシー=クインシー』『マイ・ウェイ』 Stereo Sound REFERENCE RECORD
フランク・シナトラ(1915〜1998)は、20世紀を代表するエンターティナーのひとりだ。音楽ファンのみならずオーディオファイルからも愛されてきた、イタリア系アメリカ人の歌手である。かつて米国モービルフィデリティは、彼のキャピトル時代のアルバムを集めた豪華な16枚組ボックスLPセットを限定発売したことがある。
ステレオサウンドは、オーディオファイルを対象に高音質のSACDやCD、LPレコードを制作している。フランク・シナトラの作品は、昨年『シナトラ・ライヴ・アット・ザ・サンズ』のシングルレイヤーSACD+CDを第一弾としてリリース。ラスヴェガスのサンズ・ホテルズ&カジノでのライヴ(196...