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ピュアオーディオ川柳大会 vol.1 -OTAIAUDIO- オーディオ界の松尾芭蕉は誰だ!?
愛知県北名古屋市で、40年以上にもわたってオーディオの魅力を伝え続けている専門ショップ「OTAI AUDIO」が、このたび「ピュアオーディオ」をテーマとした川柳大会を実施する。川柳大会は、さまざまな教育機関や組織によって開催されているが、テレビ番組などで取り上げられることの多い、「サラリーマン川柳(サラ川)」は、おもわずニヤリとしたり、身につまされたりして、よくご存知だろう。
ここでご紹介する川柳大会は先述のとおり、テーマが「ピュアオーディオ」 五・七・五にあわせて、オーディオ機器やリスニングライフに絡めた一句が投稿対象だ。同店のスタッフが読んだ句を一例としてあげてみよう。
「音変わる、...
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マーティン・ローガン「ElectroMotion ESL X」 一世を風靡した米国発祥の静電型スピーカーが再上陸。 優れた応答性と透明感は軽量振動板ならでは
超軽量振動板(振動幕)ならではの応答性に優れた透明感のあるサウンド
久しぶりの静電型である。マーティン・ローガンは、スピーカーらしからぬルックスと水平指向性の広い静電パネルで一世を風靡した米国発祥のブランド。金属コーティングを施した透明振動幕を縦方向に張ることで湾曲面を構築している、ひじょうに巧妙な設計だ。現在は研究開発を米国で行ない、カナダで生産されている。ここで紹介するEM-ESL Xはスリムな静電パネルが特徴で、前後に配した約20㎝口径のダイナミック型ウーファーが400Hz以下の低音域を担当する、ハイブリッド構成となっている。管球王国試聴室で音を鳴らしてみた。
超軽量振動板(振動幕...
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MASTAZオーディオプロジェクトの「MCB5040L-TK」はラックスマンPD171A専用のダブルアーム・ベース。MDF製で安定性に優れ、高級カートリッジの実力を存分に引き出す
フォノカートリッジがいくつかあると、音楽ジャンルや音質傾向を考えて使い分けたくなる。そんなときはダブルアーム仕様のアナログプレーヤーが便利なのだが、市販製品はシングル構成がほとんど。そこで考えられたのが、簡単にダブルアーム環境を実現できるMASTAZ(マスタツ)のコネクションベースセットだ。ここで紹介するのは、ラックスマンのPD171Aにジャストフィットする専用設計のMCB5040L-TKである。定評あるイケダのダイナックバランス型IT407CR1ロングアームを装着して、その音を本誌試聴室で検証してみた。
MCB5040L-TKは、厚いMDF製ベースにアームベースのユニットを連結させた構...
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フォステクス、Solシリーズの技術要素を継承するフルレンジユニット「FE108NS」と「FE208NS」。新型スーパートゥイーター「T96A」を追加するとたちまち臨場感が向上
フォステクスのフルレンジユニットFEシリーズは、限定生産だったSolシリーズ以来、そこに注がれた技術要素を継承し、あるいは新しい要素を加え、さらにはいったん解きほぐしてから別の手法で同等の効果を得ようとするなど、入念な開発方針が軌道に乗ったように思える。すなわちNSシリーズが快調なのだ。
今回試聴したのはFE108NSとFE208NSだ。そこに注がれた特徴的な技術はすでにお馴染みのもの。つまり「2層抄紙コーン」、「ポケットネックダンパー」、「ハトメレス」などだ。搭載フェライト磁石はFE108NSが90mm径、FE208NSが156mm径と、それぞれの有効振動板面積と同等かそれを超えるほど...
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3極5極複合管ECL805のシングルアンプ。 春日無線変圧器 KA47SE
3極5極複合管ECL805(6GV8)を起用したシングル出力アンプ。既発のKA24SEGを改良したとのこと。
この複合管の3極管部は増幅率50の高ミュー管。出力用の5極管部は100V台の低い電圧での使用も想定した低電圧大電流型だ。つまり内部抵抗が低いのであり、ラジオやテレビ用に使いやすい設計になっている。
コンデンサー結合の2段アンプであり、出力端から初段へ全体トータルNFBを掛けている。電源の整流は半導体ダイオードによるブリッジ整流。いたって簡素な設計だが、出力トランスの巻線を1次、2次側ともに逆接続しているのがユニークだ。つまり1次巻線の高電圧側端子をプレートに、プレート側端子を電源...
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サン・オーディオのパワーアンプ「SV2A3TSX」はタムラ製作所特注のトランス搭載。2A3らしい伸びやかなタッチに聴き惚れる
2A3パラレルシングルの無帰還モノーラルアンプ構成。これは、既に発売されているWR50パラレルシングルのSV-TE/50TSXと基本は同じ構成だ。タムラ製作所特注のトランス類は角張った稜線の新タイプを搭載している。公称出力はWR50の方が7W、2A3は6.5Wとほぼ同等だ。出力端子は8Ω、16Ω用が設置されている。
初段は6SN7のパラレル接続であり、段間トランスを駆動する2段目は出力管の6V6GTを3極管接続。これらの増幅段はロフチンホワイト流に直結接続されている。低い回路インピーダンスで過渡特性を維持する意図が感じられる。新たに採用した段間トランスのB5002TSAは10kΩ対40k...
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磁気回路が刷新されたMC型のARTシリーズ。 オーディオテクニカ AT-ART9XI,AT-ART9XA 2機種同時に発売
オーディオテクニカは、MC型フォノカートリッジの最高級ラインにARTの名称を冠している。本年6月に同社は2機種のARTを同時に発売した。両機ともART9Xのネーミングが共通で価格も15万円と同一。AT-ART9XIは従来のART9から刷新した鉄芯タイプのフラッグシップ機。型番末尾のIはアイアン=鉄芯を意味している。いっぽうのAT-ART9XAは、ART7からの大幅改良モデル。型番末尾のAはエアー(空気)で空芯を意味しており、非磁性のポリマーを巻き枠にしている。0.12mVの出力電圧だったART7に対して、ART9XAでは巻き枠を大型化することで0.2mVと大幅アップを実現。
両機とも発電...
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堅実な物作りで定評があるPro-Jectのレコードプレーヤー「X2」は力強く厚手の音を聴かせる。同時期発売のMC型フォノカートリッジ「PICK IT DS2 MC」は音の立ち上がりが俊敏だ
音楽の都ウィーンに本社を構えるプロジェクト・オーディオシステムズ社(1991年創業)は、質実剛健かつリーズナブルな価格設定のオーディオ機器を製造している。なかでもアナログプレーヤーは得意分野で、ここで紹介する新製品のX2はMM型フォノカートリッジを付属しながら17万円という、お買い得なベルトドライブ機だ。
フォノカートリッジはデンマークのオルトフォンとの協業で、音決めはプロジェクトが行なっている。本機のベースは2Mらしく、楕円針と丈夫なDJ用カンチレバーを組み合わせたもの。出力は7mVもある。トーンアームはカーボン/アルミの2重構造で共振を減らしており、9インチ長。軽量で高感度なストレー...
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ブリンクマンのフォノイコライザーアンプ第2世代機「Edison MkⅡ」は、声色の生々しさが印象的で立体感も豊か
独ブリンクマンを主宰するヘルムート・ブリンクマン氏は、真空管と半導体それぞれのよさを知り尽くしている。ここで紹介するエジソンMkⅡは、同社フォノイコライザーアンプの第2世代機。3系統ある入力のうち2系統はバランス/アンバランスが選択でき、合計4本のテレフンケン製(NOS)PCF803を搭載する、バイポーラ・トランジスターとのハイブリッド増幅回路が特徴である。ガラス天板からは、整然と並ぶ良質の素子が窺える。出力はXLR端子が1系統のみだ。
本誌試聴室のリファレンス・プリアンプはエアータイトATC5でアンバランス入力である。そこでXLR→RCAアダプター(3番コールドは非接続)を用意して音を...