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【麻倉怜士のCES2022レポート03】2022年の画質シーンは「奥行表現」競争へ〜TVS REGZAとソニーに聞く〜
CESのテレビ動向を読むと、絵づくりに新しい傾向が表れてきたことが分かる。「奥行」指向だ。
TVS REGZA(東芝)は、映像処理エンジン「レグザエンジンZR α」を引っ提げて久しぶりにCESに出展。この新エンジンの特徴が「奥行」表現だ。ソニーは昨年のXRプロセッサーの改良版をCESで発表し、ここでも「奥行」表現をセールスポイントにした。韓国勢もサムスン、LG揃って「Object Depth Enhancer」という画質技術を採用している。ここにきて、テレビ大手は、足並みを揃えて「奥行」に絵づくりのターゲットを当ててきた。
その理由はいくつかある。解像度が2K、4K、8Kと向上し、画像情...
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劇場作からドラマ、『仮面ライダー』『戦隊』シリーズまで。みんな大好きな映像作品を生み出し続ける「東映東京撮影所」は、知恵と工夫に溢れた空間だった(1)
StereoSound ONLINE読者で「東映」の名前を知らない人はいないだろう。劇場作品はもちろん、人気テレビドラマや『仮面ライダー』『戦隊』シリーズといった特撮など、数多くの作品を作り続ける総合映像制作会社だ。さらに東京と京都の2ヵ所に撮影所を所有している国内唯一の存在でもある。
今回、そんな東映東京撮影所の取材に対応いただいたでので、短期連載としてお届けする。第1回は潮 晴男さんによる、東映東京撮影所長の木次谷良助さんと、撮影所次長兼スタジオ営業部長の阪井一哉さんへのインタビューをお楽しみいただきたい。(編集部)
編集部注:東映東京撮影所では、一般見学は受け付けていません
潮 今...
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JBL L100 Classic 75―往年の名機の名が最新ユニットで復活。磨き込まれた音質は、躍動感と瞬発力を発揮
本機は、往年の人気機種L100 CenturyをJBL創立75周年モデルにしつらえた新製品。2018年にはL100 Classicが発売されているが、Classic75は音質についても相当に磨いたという全世界750セット(国内50セット)の限定品だ。外装は全6面にチーク・リアルウッドの突き板仕上げ。専用スピーカースタンドJS120が付属する。
中域と低域のユニットはピュア・パルプコーン、高域は25mm径チタン製ドームトゥイーターを採用。技術的な訴求点は、30cm径ウーファーの2重ダンパーを改良して奇数次歪みを低減。13cm径のスコーカーは製造プロセスから見直して周波数レスポンスをスムース...
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4K UHD BLU-RAY レビュー『ロジャー・ラビット』ロバート・ゼメキス監督【世界4K-Hakken伝】
WHO FRAMED ROGER RABBIT with 4K DIGITAL RESTORATION
IF YOU DON'T like "Who Framed Roger Rabbit," have your pulse checked. Robert Zemeckis' multi-dimensional free-for-all, where cartoon figures bump, quip and cavort with flesh-and-blood characters, is not only a technical tour de force, it crackle...
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互換交換針で著名なJICOから新たなMC型 鮮やかな色彩感とダイナミックな表現が魅力 JICO SETO-HORI Remodel
瀬戸物のキャビネットで限定製作されたMC型カートリッジの新装ヴァージョン
JICO(ジコー)は、MM型フォノカートリッジの優れた互換交換針で世界的に知られる存在。その本社と工場は、大阪や神戸などの都市部から約200㎞離れている兵庫県の新温泉町にある。会社名は日本精機宝石工業株式会社である。
瀬戸彫・リモデルは、瀬戸物のキャビネットで限定製作されたMC型カートリッジの新装ヴァージョンである。硬質セラミックの瀬戸物は、焼結過程で僅かに収縮する。それを計算に含めて製作したのがオリジナルだ。リモデルと称する本機は、瀬戸彫を金属製ヘッドシェルと一体化したことが特徴。アルミと銅の合金素材を5軸の精密...
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【麻倉怜士のCES2022レポート02】ハイセンスのレーザーテレビは8Kに進展。左右に2台並べて32:9映像を投写するブレンディングプロジェクションも提案
毎年、CESの中国・ハイセンスのプレス・カンファレンスは、レーザーテレビが中心だ。「テレビ」といっても、これはプロジェクターである。レーザー光源をDLPチップで変調して近接のスクリーンに下から投写する、業界用語でいうと「超短焦点プロジェクター」。
それをプロジェクターとは呼ばず、「レーザーテレビ」と呼ぶのがハイセンス流。つまり特別な場合にしか使わないプロジェクターではなく、日常的なテレビとして、使って欲しいというネーミングだ。でもハイセンスは大画面での魅力を訴え、スクリーンサイズは100インチ以上をPRしている。正しくは「レーザーシネマ」が適切な名前だろう。
毎年のCESでは、技術的な進...
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イヤーメンのHiVi冬のベストバイ1位の2モデル、ヘッドホンアンプ「TR-Amp」、D/Aコンバーター「Tradutto」の音像に迫る
HiViベストバイ2021冬にて、DAC部門とヘッドホンアンプ部門で1位を獲得したブランドがEARMAN(イヤーメン)だ。2019年に始動したこの新進気鋭ブランドはどんな点を評価されたのか。小原由夫さんにその魅力をひもといていただいた。(HiVi編集部)
ヘッドホンアンプ部門Ⅰ(20万円未満)第1位
TR-Amp
オープン(実勢価格4万1,800円前後)
●定格出力:2.5V/400mW以上(16Ω)、3.4V/350mW以上(32Ω)
●接続端子:デジタル音声入力1系統(USBタイプC)、アナログ音声出力1系統(RCA)、ヘッドホ出力2系統(6.3mm、3.5mm、同時使用可)、充電用...
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【麻倉怜士のCES2022レポート01】祝! 2年ぶりのリアル開催。LGエレクトロニクスやソニーの注目アイテムが早くも登場。今後のレポートに期待されたし
いよいよ「CES2022」が始まった。2年ぶりのリアル開催。私は現地のラスベガスには行かずに、日本からリモートで取材する。
現地時間1月3日にトレンド解説のTEC WATCHからスタート、1月4日は大手のプレス・カンファレンス。LGエレクトロニクスから始まり、ソニーで終わるといういつものスケジュールパターンで、開催された。
LGは有機ELの新バネル。その、「OLED EX」は重水素化合物の採用と画像処理にて輝度を最大30%向上させた。これから詳しく取材する予定。
ソニーは、「VISION-S」のEVをいよいよ、発売する構えだ。SUVタイプの試作車両「VISION-S 02」を発表しただけ...
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ノイズキャンセルを搭載したミドルクラス機。 SENNHEISER CX Plus True Wireless
今や、巷のヘッドホン/イヤホン再生の主流となっているのは完全ワイヤレスイヤホン。国内外のオーディオブランド、パソコン周辺機器メーカー、ガジェットブランド、さらにファンションブランドまでもがさまざまなモデルを発売している状況だが、1945年にフリッツ・ゼンハイザー博士によって創立されたドイツの名門ゼンハイザー社も、積極的な製品展開を行なっており、コアなヘッドホンファンからも定番として信頼されるブランドとなっている。
今回レビューするCX Plus True Wirelessは、同社が9月に発売したミドルクラスの最新鋭モデル。HiViベストバイ超激戦区のワイヤレスイヤホン部門Ⅱで5位になるな...
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名盤ソフト 聴きどころ紹介32/『テレサ・テン ファーストコンサート』Stereo Sound REFERENCE RECORD
ステレオサウンドオリジナルセレクション・シリーズに、テレサ・テンの稀少盤が加わった。1977(昭和52)年の春、東京・新橋のヤクルトホール(当時)で催されたファーストコンサート。アナログのテープ音源をデジタルコンバートして、SACD+CDの2枚組ディスクにまとめたアルバムだ。このシリーズのお約束どおり、SACDはシングルレイヤーの独立ディスクで、新たに起こしたDSDマスターによって全曲を1枚に収録。CDについては、別のA/Dコンバーターを通し、SACDと同一内容のPCM音源を直接制作した。
熱心なテレサ・ファンの読者諸氏だったら先刻ご承知かもしれないが、ひと月ほど前におなじタイトルのアナ...