執筆陣
ベルモンド作品が劇場で楽しめる。日本劇場初公開作を含め、全8作が『ジャン=ポール・ベルモンド傑作選』として10月30日より上映
初めて覚えた外国人の名前がジャン=ポール・ベルモンドだった、というひとはけっこういるんじゃなかろうか。とくに寿命の折り返し地点を超えた者たちの間では。
ぼくもそうだ。コマーシャルで断然好きだったのは、湖池屋のスナック「ポリンキー」のそれだった。もう何十年も見ていないので記憶を掘り返すしかないのだが、たしか擬人化されたスナック菓子が歌ったり踊ったりするものだったはずだ。そのスナック菓子は三体あって、それぞれ“ジャン”“ポール”“ベルモンド”という名前がついていた(※)。
(※現在は「ジャン」「ポール」「ベル」と改められている)
それだけに、後年、ジャン=ポール・ベルモンドなる俳優が実在して...
執筆陣
伝説のプレイヤーによるファン垂涎のステージパフォーマンスが4Kで蘇る! 『真夏の夜のジャズ 4K』、いよいよ8月21日より公開
ジャズ・ドキュメンタリー・フィルムの古典『真夏の夜のジャズ』が、8月21日(金)から4Kリマスターで上映される。
映画館でかかるのは90年代半ば、六本木にあったまぶしくて相当キザだったカルチャー発信地“WAVE”地下1階「シネ・ヴィヴァン」で催されたレイトショー以来ではないかと思う。だとすると25年もの時を経ての再上映だ。ジャズ・ファンは今も確実に増えていて、しかも世界の現役ジャズメンが新鮮で面白い音楽をどんどん送り出してくれるものだから、リスナーの年齢層も下へ下へと広がっている気が個人的にはしている。『真夏の夜のジャズ』を観たことがない、知らないひとは増加するいっぽうだろう。
観ていな...
執筆陣
「アート・ブレイキー・フェスティバル2019」開催。小林陽一&ジャパニーズ・ジャズ・メッセンジャーズ、石井裕太クインテットが伝説のジャズ・ドラマーに捧ぐ
去る2月24日、赤坂B♭にて「アート・ブレイキー・フェスティバル2019」が開催された。アート・ブレイキーは20世紀のジャズ界を代表するドラマー/バンド・リーダーのひとりで、1990年に亡くなった。1919年生まれという公式プロフィールに従えば、今年は生誕100年ということになる。
彼のバンド“アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ”は1950年代半ばから約35年間にわたって活動し、今も現役のOBにはピアノ奏者のキース・ジャレット、ジャズマンとして初めてピュリッツァー賞を獲得したトランペット奏者ウィントン・マルサリス、今年のグラミー賞で「最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム...
執筆陣
メンフィス meets マッスル・ショールズ featuring ウィリー・ハイタワー, スティーヴ・クロッパー & ハイ・リズムフェイム+スタックス+ハイ! 78歳の“生きる伝説”ハイタワーが初来日、熱いソウルで心に火をつけた!
毎日をしっかり生きて、着実に活動を続けることの尊さ。それをウィリー・ハイタワーの歌唱はまざまざと感じさせてくれた。
1940年、アラバマ州バーミングハム近くのガズデン生まれ。ビヨンセの父、マシュー・ノウルズと同郷だ。6歳からゴスペルを歌い、65年に初めての“世俗”シングル「What Am I Living For」をニューヨークのレコード会社“Enjoy”から出した。66年にはピート・シーガーらが作り、サム・クックもとりあげた「If I Had a Hammer」をリリース。キャピトル・レコード(当時ビートルズ、ビーチ・ボーイズ、ルー・ロウルズなどがいた)から出した「It’s a Mir...
執筆陣
スウィング・アウト・シスター/10年ぶりのニュー・アルバムを携えて、来日公演を盛大に開催。新曲のほか、「ブレイクアウト」「あなたにいてほしい」など定番もたっぷり
“DREAMS COME TRUE”の結成にも影響を与えたと伝えられる英国のユニット、スウィング・アウト・シスター(SOS)が10月11日と12日「ビルボードライブ東京」に登場した。彼らの日本公演は2014年以来だが、今回は10年ぶりの新作オリジナル・アルバム『オールモスト・パスウェイディッド』を携えてのそれであるところに特別感がある。
レコード・デビューは1985年。当初はヴォーカルのコリーン・ドリューリー、キーボードのアンディ・コーネル、ドラムスのマーティン・ジャクソンの3人編成だった。翌年「ブレイクアウト」の大ヒットを飛ばし、89年のセカンド・アルバム『カレイドスコープ・ワールド』...
執筆陣
SOLEIL(ソレイユ)/それいゆ受験勉強前、最後のパフォーマンス! ブリティッシュ・ロック仕様の「だるま」に片目を書き入れて合格を誓う
去る9月19日、セカンド・アルバム『SOLEIL is Alright』を発表。3月にリリースされたファースト・アルバム『My Name is SOLEIL』以上の反響を巻き起こしているSOLEIL(ソレイユ)が10月7日、タワーレコード渋谷店にてリリースイベントを開催した。
SOLEILは2017年に発足したユニットで、メンバーは、ヴォーカルのそれいゆ、ギターの中森泰弘(ヒックスヴィル、ましまろ)、ベース&プロデュースのサリー久保田(元ザ・ファントムギフト、les 5-4-3-2-1)の3人。15歳になって数ヵ月のリード・ヴォーカリストと、音楽を知り尽くしたベテランふたりの“年代差ユニ...
執筆陣
ジ・インプレッションズ/「People Get Ready」、「I’m So Proud」……ソウル・ミュージックの世界遺産が、結成60年にして奇跡の初来日
カーティス・メイフィールドやリロイ・ハトソンを輩出した伝説のヴォーカル・グループ、ジ・インプレッションズが奇跡の初来日を果たした。
結成は今からちょうど60年前の1958年、場所はシカゴとされる。ザ・ルースターズというグループを母体に発足し、“ジェリー・バトラー&ジ・インプレッションズ”名義でのデビュー曲がいきなり全米R&Bチャートの第3位を記録。間もなくバトラーがソロ活動に転じ、60年代初頭にはサム・グッデン、カーティス・メイフィールド、リチャードとアーサーのブルックス兄弟、フレッド・キャッシュ(ザ・ルースターズからの復帰組)の5人になった。
それからの活躍がまた特筆に値する。61年か...
執筆陣
『マンマ・ミーア!』ファンも必見! スウェーデンが世界に誇る4人組“ABBA”、そのトリビュート来日公演が9月10日からスタート
♪ユ~キャンダ~ンス♪
この曲を聴いたことのない大人を探す方が難しいだろう。スウェーデンが誇る4人組ヴォーカル・グループ、ABBA(アバ)の大ヒット曲「ダンシング・クイーン」だ。1976年に発売され、たちまち世界で300万枚の売り上げを記録。アメリカ・イギリスのヒット・チャートでは第1位に輝いた。それだけなら“昔、ものすごく流行ったヒット曲”のひとつでしかないのだが、今なおキャッチーなものとして歌い継がれ、聴き継がれているところにABBAの持つレガシーの凄みがある。
そしていま、ABBA周辺が再び熱い。1983年以来、35年ぶりに新曲レコーディングを行なってファンを驚かせたのは今年4月の...
執筆陣
カーラ・トーマス&ザ・メンフィス・オールスター・レビュー 60年代メンフィス・ソウルを代表する“クイーン”が、最高峰のメンバーと共に来日
フジロック・フェスティバル‘18でも大好評を博したカーラ・トーマス&ザ・メンフィス・オールスター・レビュー。その単独公演が東京・ビルボードライブ東京(7月30日と31日)、大阪・ビルボードライブ大阪(8月2日)にて開催された。
「クイーン・オブ・ソウル」といえばいつの間にかアレサ・フランクリン(これを書いているとき、危篤との報が入った)に与えられた称号のようになってしまったが、1960年代当時のアレサの呼び名は、ぼくが後追いして知った限りでは「レディ・ソウル」(ソウルの貴婦人)であった。では「クイーン」は誰だったのか。カーラ・トーマスにほかならない。
ソロ・アルバムのタイトルが『ザ・クイ...
執筆陣
SOLEIL(ソレイユ)/さよなら14歳、こんにちは15歳。マージ―ビートの妖精が代々木に降臨、9月発売の新作アルバム(モノーラル)からの曲も交えて超満員オーディエンスの心を射抜く
今年3月21日、ファースト・アルバム『My Name is SOLEIL』でCDメジャー・デビュー(モノーラル録音)。そして7月4日には同作が待望のLPレコード化(モノーラル録音)。モノーラルの道をひた走るSOLEIL(ソレイユ)が7月29日、代々木Zher the ZOOにて「SOLEIL「さよなら14歳」バースデーライブ」を開催した。
SOLEILは2017年に発足したユニットで、メンバーは、ヴォーカル&グロッケン(鉄琴)のそれいゆ、ギターの中森泰弘(ヒックスヴィル、ましまろ)、ベース&プロデュースのサリー久保田(元ザ・ファントムギフト、les 5-4-3-2-1)の3人。今年3月2...
執筆陣
【速攻レビュー付】mora、マイルス・デイヴィス全盛期のアルバム『'Round About Midnight』ほか全8作品をハイレゾで配信開始
音楽配信サイトmoraは、6月6日よりマイルス・デイヴィスのアルバム8タイトルのハイレゾ配信を開始した。フォーマットはFLACの96kHz/24bitだ。ラインナップされるのは下記の通り。ここでは、ジャズ評論家・原田和典さんに、マイルスの紹介を含め、8作品の中から特に注目の3枚(★印のタイトル)を選んで、インプレッションをまとめてもらった。
【マイルス・デイヴィス ハイレゾ配信開始タイトル】
ジャズ界に大きな足跡を残したマイルス・デイヴィス
Miles Davis(マイルス・デイヴィス)とは、米国セントルイス出身のトランペット奏者(1926~1991)である。18歳からニューヨークのジャ...