執筆陣
角川映画45周年記念『犬神家の一族』4Kデジタル修復版。驚愕の高画質・高音質で甦った傑作の舞台裏に迫る(その5)
●4Kデジタル修復版 新マスター完成までの道のり〜ポストプロダクション編③〜
『犬神家の一族』<4Kデジタル修復版>。入念なレストアが施されたマスターはいよいよグレーディング(色彩調整)のプロセスへと進む。市川崑監督がイメージしていた作品の姿をいかに再現するか。修復化の工程のなかでもとりわけ重要な作業になる。
グレーディングを担当するのはIMAGICAエンタテインメントメディアサービス(以下、Imagica EMS)映像制作部 データイメージンググループ カラリストの阿部悦明だ。阿部はこれまでも市川監督作品では『炎上』『おとうと』『雪之丞変化』、往年の角川映画では『セーラー服と機関銃』『...
執筆陣
角川映画45周年記念『犬神家の一族』4Kデジタル修復版。驚愕の高画質・高音質で甦った傑作の舞台裏に迫る(その4)
●4Kデジタル修復版 新マスター完成までの道のり〜ポストプロダクション編②〜
『犬神家の一族』<4Kデジタル修復版>のマスターが完成するまでのプロセスを追った「『犬神家の一族』<4Kデジタル修復>の軌跡」。本編の劇場公開に先駆けて日本映画専門チャンネルでオンエアされ、現在ではYouTubeのKADOKAWA映画公式サイトにもアップされている。もうご覧になっただろうか?
4Kデジタル修復された本編映像も動画で見てみると説得力がある。10分間の短縮版であるにもかかわらず、複雑な工程が簡潔に分かり易く纏められている。それもそのはず、番組を担当したのは本連載にも協力して頂いているIMAGICA...
執筆陣
角川映画45周年記念『犬神家の一族』4Kデジタル修復版。驚愕の高画質・高音質で甦った傑作の舞台裏に迫る(その3)
●4Kデジタル修復版 新マスター完成までの道のり〜ポストプロダクション編①〜
『犬神家の一族』を4Kデジタル修復版として蘇らせる。このプロジェクトをKADOKAWAと共に推進するIMAGICAエンタテインメントメディアサービス(以下、Imagica EMS)メディア営業部。Imagica EMSサイドのスタッフを束ねるプロデューサー的な役割を果たしているのが水戸遼平だ。
前回紹介したように、同営業部の土方崇弘がこれまでリリースされてきた全種類のパッケージソフト、出版物でのスタッフの証言や評論等などから作品を研究する一方で、水戸は現存するネガやプリントなどのフィルム関係、劇場公開時には東洋...
執筆陣
角川映画45周年記念『犬神家の一族』4Kデジタル修復版。驚愕の高画質・高音質で甦った傑作の舞台裏に迫る(その2)
●4Kデジタル修復版 新マスター完成までの道のり〜プリプロダクション編〜
『犬神家の一族』4Kデジタル修復版。今回のこの新マスター制作のためのプロジェクトをKADOKAWAと共に推進する大役を担ったのはIMAGICAエンタテインメントメディアサービス メディア営業部の水戸遼平と土方崇弘だ。
これまでも『炎上』『おとうと』『雪之丞変化』などの市川崑監督作品、最近では特撮ファンの間で大いに話題を呼んだ『平成ガメラ』や『大魔神』シリーズの4Kデジタル修復版も手掛けている。いわゆる“古い作品”を、スタジオの持つ最新の技術と熟練のスタッフたちの“技”によって現代に蘇らせることには既に定評がある。
...
執筆陣
角川映画45周年記念『犬神家の一族』4Kデジタル修復版。 驚愕の高画質・高音質で甦った傑作の舞台裏に迫る(その1)
●4Kデジタル修復版の制作は、今は亡き市川崑監督との対話である
時は昭和51年。1976年。初めて耳にする“角川春樹事務所”が映画の製作を開始した。これがいわゆる“角川映画”の始まりだ。次々と繰り出される作品の面白さ、メディアを駆使したそれまで経験したことのなかったような展開によって瞬く間に映画界を、時代を、まさに席巻したのが角川映画である。もちろん当時の映画ファンにも大いなる驚きをもって熱狂的に迎えられた。詰めかけた観客たちでいつも膨れ上がった映画館の賑わいを昨日のことのようにご記憶の方も多いだろう。その角川映画の記念すべき第一回作品がご存知『犬神家の一族』である。
「角川映画祭」開催...
執筆陣
『大魔神怒る』4K修復版を見て、声を失うほどの衝撃を受けた! 日本映画が誇る“伝奇特撮時代劇”は、ぜひ劇場のスクリーンで体験してもらいたい
いまからおよそ半世紀前、“昭和の特撮作品”が注目を集めている。東宝の『ゴジラ』シリーズや東映の『仮面ライダー』シリーズ、『ウルトラマン』シリーズ。昨今はハリウッドのスタジオも巻き込んで新作が製作・公開されるようになって久しい。当時を知る世代には懐かしく、VFX作品で育った世代には目新しい。再見するたびに日本の生んだ“特撮”ならではのこだわりとクォリティにはいまも目を見張らされるばかりだ。
ご存知『大怪獣ガメラ』シリーズもそのうちのひとつ。大映の生んだ特撮作品の代表作としてよく知られている。のだが、負けず劣らず高い人気を誇るのが『大魔神』シリーズだ。『大魔神』『大魔神怒る』『大魔神逆襲』か...
執筆陣
管球式映画館“巣籠り生活”充実作戦始動。10年ぶりのAVセンター導入に加え、JVCのDLPプロジェクターで4K/HDR対応に挑む!
これはまだしばらくの間は“巣籠り生活”を余儀なくされる事態が続くかもしれない。そんなことをぼんやりと考えていたのが昨年の秋。なにしろ都心の映画館に出かけていくのも憚られる。いかに自宅で過ごす“映画時間”、ホームエンタテインメントを充実させられるか。この機会に今いちど真剣に考えよう。
ウチのホームシアター環境もより使い易く、より過ごし易い空間にしたい。そんな気持ちが発端となって、まずは“オブジェクトオーディオの再生も出来るリーズナブルなAVプリ&セレクター”を導入するのはどうだろうと思いつき、自宅で試聴をしてみたのがStereo Sound ONLINEの記事でもリポートしたヤマハの新AV...
執筆陣
悩めるAVファンの“身近な救世主”。ヤマハ「RX-V6A」を使って、既存2chシステムを活かしつつ、ドルビーアトモス再生を楽しんでみた
ここのところ配信で映画を観る機会が多くなった。もっぱらiTunes Storeで購入したタイトルがメインになっている。パッケージはHDマスター、しかし配信では4Kマスターが使われていることも少なくない。特に最近はドルビービジョン&ドルビーアトモスが採用されているケースが目立つ。
ウチで使っているのはApple TV 4K。HDMI端子から出力、コンバーターで映像と音声を分離し、サラウンド音声はリニアPCM 2chに変換している。UHDブルーレイや配信、4Kチューナーなどから映像と音声、それぞれにセレクターを経由させている状態だ。
●AVセンター ヤマハRX-V6A ¥65,000(税別)...
執筆陣
90年近い歴史を持つ「角川大映スタジオ」は、更なる進化を遂げていた。<第2回> “工房”のような雰囲気が満ち溢れた撮影ステージに驚く
数々の名作映画を送りだしてきた、角川大映スタジオ潜入リポート第二弾は、映画ファンが一番気になるであろう撮影スタジオを紹介しよう。映画やドラマ、CMはどんな場所で作られているのか、またそれに欠かせない美術セットはどんな風に作られているのか。今回は、自身も角川大映スタジオでCM制作に立ち会ったことがあるという酒井俊之さんにリポートをお願いしよう。(編集部)
編集部注:角川大映スタジオでは一般見学は受け付けていません。ゲート横のアンテナショップ「Shop MAJIN」ではグッズ購入が可能です。
角川映画といえば1970年代から1980年代にかけて映画館でよく観た。けれどそこからさらに時代を遡る...
執筆陣
全10曲の選曲に異議なし! アナログレコード『アリス』ベスト盤を聴いて、 ”70年代の音の記憶” が書き換えられた
アリスの音楽と初めて出会ったのは実にタイミングがよかった。これからまさに「冬の稲妻」が大ヒットして人気に火が付きそうだぞ! という時がちょうど中学一年生。深夜に聴くラジオ放送にハマりだした頃だ。大阪でいうと毎日放送の「ヤングタウン」などは人気番組のひとつ。そのパーソナリティのひとりでもあったのがチンペイ(谷村新司)である。軽妙で時にワイ談を挟みつつ気持ちのいい低い声に魅力があった。普通のラジカセで聴いていても声の通りがよかった。
そして番組のなかで頻繁に流れていたのがアリスの楽曲だったというわけだ。最新のシングル曲だけでなく、遡って古い曲も流れることもしばしば。「モーリス持てばスーパース...
執筆陣
【HiVi名作選】アーティストと監督、それぞれの“角松敏生”を感じてください(HiVi2010年12月号)
オーディオやオーディオビジュアルの世界は日進月歩。次々に新しい技術やそれを搭載した新製品が登場し、入れ替わりも早い。だが同時にそれらは、常に時代の最先端を走っているモデル達でもあり、思い出に残る製品ともいえる。このシリーズでは、弊社出版物で紹介してきた名機や名作ソフトに関連した記事を振り返ってみたい。(編集部)
アーティストと監督、それぞれの“角松敏生”を感じてください。
最新ライヴBDにこめられたこだわりとは
BD(ブルーレイ・ディスク)というメディアを得て、角松敏生さんの映像作品が俄然面白くなってきていることは既に読者の方々もご存知の通り。本誌10月号でも視聴リポートをお届けした「C...
執筆陣
『クリスマスの約束 2019』オンエアを楽しみに待ちつつ、SACD『ever』で小田和正さんの“声”を復習する。アナログレコードを彷彿させるしなやかなサウンドだ
また今年も『クリスマスの約束』の季節がやってきた。音楽好きの間ではもうすっかりお馴染みになっている小田和正さんの音楽番組だ。似たようなプログラムは数々あれどクォリティの高さは他の追随を許さない。十代の頃からオフコースのレコードに慣れ親しんできたボクにとっても一年に一度の大きな楽しみになっている。
その放送に先駆けてオフコース初のSACDとなる『オフコースBEST ever』がリリースになった。グループ結成45周年を記念してファンが選んだ楽曲から構成された2015年のベストアルバムだ。
オフコースBEST『ever』(Single Layer SACD) ¥4,500(税別)
今回のディス...