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『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』 熱心なビートルズファンに向けた、知られざる一面を捉えたドキュメンタリーだった
ビートルズがインド紀行において楽曲作りに勤しむ姿を捉えたドキュメンタリー作品である。
1968年、カナダの青年ポール・ザルツマンが自身の生き様を見つめ直すため、インド北部のリシケシュにある瞑想運動の創始者、マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーの僧院を訪れる。そこには偶然にもビートルズのメンバーが、瞑想から新たなる活動の源を得るため僧院のバンガローに滞在していた。ビートルズの面々との出会いはややぎこちないものだったが、やがて打ち解けてジョークを飛ばしあうようになる。
本作の監督はそうした体験を持つ32年後のポール・ザルツマン(映像作家となり、エミー賞を2度受賞)。娘のデビアニ・ザルツマンに当時の...
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『ドリームプラン』ブルーレイのドルビーアトモスサウンドを、浴びるように楽しむ。ハードコートらしい、迫力ある試合をダイレクトに感じた【フィジカル万歳 01】
ネットでの動画配信が主流になりつつある昨今、でもホームシアターで楽しむならフィジカルメディアの魅力も忘れたくない。実際に、ビットレートの有利さや細かな仕様、特典などでそのメリットを感じることも多いはず。本連載では、そんなディスクメディアを愛する方々に、ご自宅のシアターで気になる作品を体験してもらい、その楽しさを紹介していく。第一回はスポコン作品を愛する潮晴男さんお薦めの一本だ。(StereoSound ONLINE編集部)
貧困や人種差別・偏見を乗り越えて、二人のスーパーテニスプレーヤーを育て上げた実話の映画化である。
スポーツを題材にしたハリウッド作品はたくさんあるが、野球やアメフト、...
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“谷村新司の、魂のこもった声が聴きたい” という想いを形にしたレコードだ。新たに録音された “時代を超えた声の魅力” が、今まで見えてこなかった音の世界を拓いてくれる
谷村新司の作品を数多く手掛けるステレオサウンド社から、また新しいアルバム「谷村新司Ⅲ」がリリースされた。
この作品は、2017年に谷村新司が歌手生活45周年を記念してリリースしたアルバムの中から往年の名曲8曲を選りすぐった構成となっているが、その全曲が約30年ぶりに谷村新司が新たにレコーディングした音源を使った初のアナログレコードであるという点がこれまでとは異なっている。
谷村新司III(LP) ¥8,800(税込)
●品番:SSAR-069●仕様:33 1/3回転、180g重量盤
●企画・販売:株式会社ステレオサウンド●制作・発売:ユニバーサルミュージック合同会社
<収録曲>
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スーパースター “エルヴィス・プレスリー” の光と影を描き出す、音楽ファン必見の一作。全編ロックンロールが鳴り響くような音響演出を楽しみたい
スーパースター “エルヴィス・プレスリー” の生い立ちからスターダムにのし上がるまで、そして晩年のラスヴェガスでの公演をモチーフに描いた作品である。監督のバズ・ラーマンが丹念にエルヴィスの足跡を辿り、彼に大きな影響を及ぼしたトム・パーカー(トム・ハンクスが好演!)との愛憎が見事に描き出されている。
それにしてもバズ・ラーマンの眼力には恐れ入った。ハリウッドには確かに優秀な人材が集まっているが、エルヴィス役に抜擢されたオースティン・バトラーの演技の素晴らしいこと。エルヴィスを少し優男にしたような風貌ながら、歌唱力とステージパフォーマンスは観るものを釘付けにする。60年代以前の歌唱はオーステ...
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電源ノイズ対策に価値ある一台!アイソテック「V5 AQUARIUS」「V5 TITAN」
音質だけでなく映像のS/N改善にも。
オーディオビジュアル機器の生命線である電源。日本の場合、壁面に設置された商用電源のコンセントから100Vの電力を供給すれば機器は動作する。しかしながらオーディオビジュアル機器への給電は、ままならないことが多いのも事実だ。深夜帯は安定する電圧も夕方になると下降するケースもある。加えて問題となるのが、ノイズである。照明器具やエアコン、さらにはパソコンなど家庭内にあってもノイズ源はいたるところに存在する。とりわけ厄介なのがインバーター装置を持つ照明器具やエアコンである。また集合住宅では、自宅だけ気を付けていてもよそからノイズが舞い込んでくることもある。
そ...
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リンダ・ロンシュタットの懐かしい映像とヒット曲を織り交ぜながら、生きざまをていねいに描いた快作。『サウンド・オブ・マイ・ボイス』は、 “歌手・リンダ” のパワーが伝わってくる
リンダ・ロンシュタットの生涯を追ったドキュメンタリー映画である。一般的にミュージシャンの生い立ちを扱った物語は生前を偲んで製作されることが多いが、今年に入って公開されたセリーヌ・ディオン『ヴォイス・オブ・ラブ』しかりで、最近は存命の人を取り上げるケースが多い。『サウンド・オブ・マイ・ボイス』もそうした作品のひとつだが、過去の映像とヒット曲を織り交ぜながら彼女の生きざまをていねいに描いている。
日本公開は4月22日だが、米国では2019年に上映済み。実は米国盤のブルーレイを既に入手していたこともあり、日本はこれから劇場公開だったのかと、ちょっとびっくり。試写より早く、ホームシアターで観てい...
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KEFの新「Blade」「THE REFERENCE」シリーズの音を体験。MAT搭載12世代Un-Qドライバーがもたらす明瞭な定位感と情報の再現に、KEFスピーカーの新展開を見た!
2020年9月、KEFは “MAT”(MetamaterialAbsorption Technology)と呼ぶ新技術を投入したブックシェルフ型スピーカー「LS50 Meta」をリリースした。MATは迷路のような構造を持つプレート状のデバイスを用いてスピーカーの排圧を逃すことで音の歪みを低減する技術で、LS50 Metaでは、その成果が結実した抜けのいいサウンドを獲得していた。
この刮目すべき技術がいずれ他のモデルにも展開されるであろうことは容易に察しがついたが、このたび満を持して、同ブランドのトップモデル「Blade」と「THE REFERENCE」シリーズに搭載、一挙7モデルが発表さ...
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手軽なホームシアターの夢を叶えてくれる、超短焦点プロジェクター「VAVA Chroma VA-SP003」。明るく元気な映像は、リビングの大画面体験にぴったりだ
映画ファンなら誰しも憧れるホームシアター生活。コロナ禍にあって外出がままならない昨今、お家時間が増えてからというもの、そうした環境があったらなぁと、思い浮かべる人は多いことだろう。しかしながらホームシアターは何かとハードルが高いと感じている人も多い。プロジェクターにアンプにスピーカーにと、色々な機材を揃えなくてはならないし、スクリーンやプロジェクターを設置するスペースも確保しなくてはならないからだ。
ならばプロジェクターの代わりに大画面テレビを導入しようというオーディオビジュアルファンもいるだろう。だがプロジェクターで投写するほどの画面サイズを持つフラットテレビとなると、実は意外と融通が...
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劇場作からドラマ、『ライダー』『戦隊』シリーズまで。みんな大好きな映像作品を生み出し続ける「東映東京撮影所」は、知恵と工夫に溢れた空間だった(2)
東映東京撮影所の取材リポート第2弾をお届けする。第1回の木次谷所長へのインタビューでは、東映東京撮影所は仕事内容によっていくつかの組織に分かれていることをうかがった。そこで今回は、東映株式会社デジタルセンターにお邪魔し、ポストプロダクション事業と新技術を研究しているツークン研究所についてお話しを聞いている。取材に対応いただいたのは、デジタルセンターセンター長兼ツークン研究所長の葛西 歩さんと、ポスプロ事業部長の志田直之さんのおふたりだ。(編集部)
編集部注:東映東京撮影所では、一般見学は受け付けていません
潮 今回は、東映東京撮影所でポスプロ作業を担当している東映デジタルセンターについて...
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劇場作からドラマ、『仮面ライダー』『戦隊』シリーズまで。みんな大好きな映像作品を生み出し続ける「東映東京撮影所」は、知恵と工夫に溢れた空間だった(1)
StereoSound ONLINE読者で「東映」の名前を知らない人はいないだろう。劇場作品はもちろん、人気テレビドラマや『仮面ライダー』『戦隊』シリーズといった特撮など、数多くの作品を作り続ける総合映像制作会社だ。さらに東京と京都の2ヵ所に撮影所を所有している国内唯一の存在でもある。
今回、そんな東映東京撮影所の取材に対応いただいたでので、短期連載としてお届けする。第1回は潮 晴男さんによる、東映東京撮影所長の木次谷良助さんと、撮影所次長兼スタジオ営業部長の阪井一哉さんへのインタビューをお楽しみいただきたい。(編集部)
編集部注:東映東京撮影所では、一般見学は受け付けていません
潮 今...
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モンキー・パンチさんの故郷を初訪問。世界的人気アニメ『ルパン三世』の原点がまさにここにあった!:ファン必見。モンキー・パンチ・コレクションを訪ねる(4)
ここまで3回に渡ってお届けしてきた、モンキー・パンチ・コレクション訪問記も今回が最終回。今回は、1998年以来モンキー・パンチさんのホームシアターの師匠(?)として長く、濃いお付き合いを続けてきた潮晴男さんが、モンキーさんの故郷を訪ねてどんな風に感じたのかをまとめていただいた。初めて訪れた浜中町は、潮さんの目にはどう映ったのだろうか。(編集部)
「霧多布岬から望む壮大な海岸線に圧倒された」
2021年4月、ステレオサウンド別冊「モンキーパンチさんが教えてくれた」の発刊に併せ、モンキーさんの生まれ故郷である北海道厚岸郡浜中町に設けられた「モンキーパンチ・コレクション」を取材する予定だった。...
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モンキー・パンチさんの心の中には、浜中町の風景が息づいていた。世界中の『ルパン三世』ファンにこの自然を感じて欲しい:ファン必見。モンキー・パンチ・コレクションを訪ねる(3)
故・モンキー・パンチさんが生前愛用していたアイテムや原画のコピーなどが並ぶ、「モンキー・パンチ・コレクション」。StereoSound ONLINEでは、北海道厚岸郡の浜中町総合文化センターにあるこの施設の完全取材を実施した。
そもそもは、今年4月に発売した小社別冊「モンキー・パンチさんが教えてくれた」の記事用として取材を企画していたが、コロナ禍という情勢もあって、延期になっていた。そしてこの11月にようやく実現できたので、StereoSound ONLINEでご紹介している次第だ。
さらに弊社から11月上旬に発売したSACD/CDハイブリッド盤『ルパン三世1977〜1980 ORIGI...