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スーパースター “エルヴィス・プレスリー” の光と影を描き出す、音楽ファン必見の一作。全編ロックンロールが鳴り響くような音響演出を楽しみたい
スーパースター “エルヴィス・プレスリー” の生い立ちからスターダムにのし上がるまで、そして晩年のラスヴェガスでの公演をモチーフに描いた作品である。監督のバズ・ラーマンが丹念にエルヴィスの足跡を辿り、彼に大きな影響を及ぼしたトム・パーカー(トム・ハンクスが好演!)との愛憎が見事に描き出されている。
それにしてもバズ・ラーマンの眼力には恐れ入った。ハリウッドには確かに優秀な人材が集まっているが、エルヴィス役に抜擢されたオースティン・バトラーの演技の素晴らしいこと。エルヴィスを少し優男にしたような風貌ながら、歌唱力とステージパフォーマンスは観るものを釘付けにする。60年代以前の歌唱はオーステ...