執筆陣
イヤーメンのD/Aコンバーター「Tradutto」は、コンパクトながら繊細かつ濃密な高分解能で、3次元的な音場が展開
イヤーメン(Ear Men)は2019年に発足した新進メーカー。アメリカ・シカゴに拠点があり、東欧セルビアのオーリスオーディオ(Auris Audio)の協力を得て、製造はすべてヨーロッパで行なわれている。このトラデュット(Tradutto)は、小型のデスクトップサイズのD/Aコンバーターだが、内容はすこぶる高水準だ。
D/A Converter
イヤーメン
TRADUTTO
オープン価格(実勢価格9万円前後)
●デジタル入力:3系統(USB、RCA同軸、TOS角型)、Bluetooth
●対応フォーマット:PCM768kHz/DSD512/DXD768kHz(USB、最大)、192kH...
執筆陣
シルテックのオーディオケーブル「クラシック・レジェンド」は、導体に銀と金の「合金」を採用する新モデル。一挙に純度が高まり情報密度が向上し、録音も生々しさが向上。既存のシステム全体を、まるで別世界に連れ去るよう
クラシック-レジェンド680(CLASSIC-LEGEND)シリーズは、シルテック製品の中核をなすクラシックシリーズの最新世代。その改良点については、①新開発のG9 Silver-Gold導体、②革新的なトリプルレイヤージャケット、③改良された超静音シールド、の3点が謳われている。
導体素材は銀と金による「合金」とのことだが、導体素材としては銀が本体であり、金は銀材料のクラック、隙間を埋める役割のようだ。今回は、「9Nを誇る純度」を維持しながらアニール(焼きなまし)技術を改良したという。導体自身がクラシック-アニバーサリー(CLASSIC-Anniversary)と比べて"最大2倍の太さ...
執筆陣
EMTのフォノイコライザーアンプ「EMT128」は、EMTカートリッジの能力を最大限引き出すための6本のサブミニチュア管を使用。密度感が抜群で油彩画のような色彩美を奏でる逸品
EMTトンテクニック(EMT tontechnik)は、2018年からEMTの業務を引き継いだスイスのハイフィクション社が手掛けている。主宰者のミッハ・フーバ氏はターレス・トーンアームを開発した才人であり、私はEMTの前途が輝かしいと信じている。ここで紹介するフォノイコライザーアンプのEMT128は、EMT製フォノカートリッジが秘めたパフォーマンスを最大限に発揮するために開発された製品。アルミニウムを切削加工して造られた堅牢な筐体は、正面から見ると横置きにしたスタイラス=レコード針の形状を想わせる。
EMT
EMT128
¥1,400,000(税別)
●入力端子:MC1系統(RCAアンバ...
執筆陣
直熱3極管の味わいを愉しめるシングルアンプ。出力管300Bと2A3は無調整で差替え可能。アムトランス TU8900 TK ver.
本機はエレキットのTU8900を、アムトランスがTK=『管球王国』用にヴァージョンアップした完成品パワーアンプだ。300Bと2A3が無調整で差替え可能というのが最大の特徴。
本機にはアムトランス・ヴァージョンもあり、オリジナルの非オーディオ用カーボン被膜抵抗を1/2Wオーディオ用カーボン被膜抵抗AMRTに、また5Wのオーディオ用金属皮膜抵抗を採用。それと高音質オイルコンデンサーAMCYも採用して音質の向上を図っている。今回のTKヴァージョンは、抵抗をより大型の3/4W型に変更。5Wの金属皮膜抵抗とコンデンサーのAMCYは承前。さらにボリュウムをアルプス電気製に換装し、音量調整ノブを黒色に...
執筆陣
サウンドウォーリアのプリメインアンプ「SWL-T20」は、トーンコントロールとフォノEQを内蔵し、快適に音楽を楽しめる。セットモデルでは明快なヴォーカルと、ソロ楽器の陽性の表情を再現
まずは、製造元である城下工業の来歴を略記したい。1923年、長野県上田にて製糸業として創業。やがて電線事業、語学学習用ヘッドフォン、カセットレコーダー、CDプレーヤー、語学やコンピューターの学習教室システムなど、電気機器の製造にシフト。その輸出も盛んだ。2009年にはオーディオ用真空管アンプSW-T10を開発。そのシリーズ機全体で3千台を越える販売実績を上げている。 そして2013年、サウンドウォーリア(Sound Warrior)デスクトップシリーズを発表。最新のデジタルオーディオを含めたオーディオブランドとして、製品群を充実させて今日に至っている。
サウンドウォーリア
SWL-T20...
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アナログリラックスのカートリッジ「EX300」は、ウォルナット無垢材ボディにネオジム磁石搭載のMC型で、密度が濃く味わい深い再生
アナログリラックスEX300は、多面体カットしたボディはおなじみだが、EX3などのメイプルではなくウォルナット(クルミ)無垢材を採用。硬さと響きよさからアコースティックギターにもよく採用される素材だ。針先のアルミニウム製カンチレバーへの接着は「新開発IF接着」を導入。強固な接着により、針先とカンチレバーの一体化を図っている。マグネットはネオジム、巻き線は高純度6N銅となる。
アナログリラックス
EX300
¥250,000(税別)
●発電方式:MC型●出力電圧:0.5mV(1kHz)●内部インピーダンス:15Ω●適正針圧:2g●自重:10g●針交換価格:¥175,000(税別)●問合せ先...
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リンのカートリッジ「EKSTATIK」は、サファイヤ・カンチレバー採用のMC型で精密な3次元的定位を聴かせる同社トップモデル
LINNのMCカートリッジEKSTATIKは、2013年のKANDID以来のフラッグシップモデルだ。内容は超軽量5・7gのKANDIDから一新されている。ボディは7075アルミニウム(超々ジュラルミン)のハニカムカット仕上げのスケルトン。シャーシはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)をコーティングして腐食に対策しているもよう。カンチレバーはボロンより剛性のあるサファイヤ製。針先はマイクロリッジ・スタイラス。巻き線は4N銅。自重は7g。3点支持の取り付けネジ穴はアルミニウム・ブロンズ製。試聴では、LINNジャパンから提供された3点取り付け用に加工したヘッドシェルに取り付けた。トーンアームは...
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カジハラ・ラボのトーンアーム「KL-UA01」は、高精度化で基本性能を高めた純国産品で、広い音場と応答の俊敏さが印象的
カジラボKL-UA01は、高い基本性能を持ちながらリーズナブルな価格のユニバーサル・トーンアームである。本機のベースになったのはポールスター(生産完了品)で、水平回転のスラストベアリングと垂直回転のピボット部分の精度がともに向上しているという。アームパイプを含む各部はアルミニウム製。イケダのトーンアームと同じく、老舗アナログ製品メーカーのアイテイ工業で丁寧に造られる純国産品である。
カジラボ
KL-UA01
¥220,000(税別)
●型式:スタティックバランス型●スピンドル・ピボット間:212mm●オーバーハング:16mm●針圧調整範囲:0g~3g●適合カートリッジ重量:19g~26g...
執筆陣
シルテックの高純度銀素材ケーブル「クラシック・アニバーサリーシリーズ」は、細部まで輪郭明瞭で俊敏な応答性が得られて、情報量、瞬発力が増した感動を呼ぶ再生
シルテックの銘はシルバー+テクノロジーに由来する。このオランダのメーカーは高純度銀素材に独自の技術を注入。素材にあるクラック(微小な隙間)については金を流入させることで、金銀混成導体を完成させている。現在それはG7と呼ぶ世代に進化している。また絶縁体にも独自の発想があり、テフロンとカプトンの2層巻きとシールドの多層構造を採用する。絶縁特性が良すぎると帯電を起こしやすくなり、機械的な振動や音声電流にともなう悪影響が難題とされる。そこで薄くて柔軟性のある絶縁体とともに、その帯電を抜くための多重シールドという発想も必要になるわけだ。
シルテック
CLASSIC
550i-RCA2.0M
¥25...
執筆陣
サエクのターンテーブルシート「SS300Mk2」は、神戸製鋼のアルミ合金を採用したソリッドマットで音量感が明らかに高まり、精密な音に
オリジナルはサエクのトーンアームを製作していたオーディオエンジニアリング社製のSS300ソリッドマット。それを最新の素材と加工技術で再現したサエクコマースによる硬質金属製マットである。SS300はジュラルミン(A2017)系のアルミニウム合金製だったが、このマーク2では神戸製鋼所が開発した精密機械加工用のアルハイス(A5052P)というアルミニウム合金が使われている。表面は光沢のある黒色アルマイト仕上げである。オリジナルもアルマイト処理だったが、指先に微細な凹凸を感じさせる黒い艶消し仕上げだった。
サエク
SS300Mk2
¥39,000(税別)
●材質:アルミニウム合金●外径:φ300...