執筆陣
EMTのフォノイコライザーアンプ「EMT128」は、EMTカートリッジの能力を最大限引き出すための6本のサブミニチュア管を使用。密度感が抜群で油彩画のような色彩美を奏でる逸品
EMTトンテクニック(EMT tontechnik)は、2018年からEMTの業務を引き継いだスイスのハイフィクション社が手掛けている。主宰者のミッハ・フーバ氏はターレス・トーンアームを開発した才人であり、私はEMTの前途が輝かしいと信じている。ここで紹介するフォノイコライザーアンプのEMT128は、EMT製フォノカートリッジが秘めたパフォーマンスを最大限に発揮するために開発された製品。アルミニウムを切削加工して造られた堅牢な筐体は、正面から見ると横置きにしたスタイラス=レコード針の形状を想わせる。
EMT
EMT128
¥1,400,000(税別)
●入力端子:MC1系統(RCAアンバ...
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EMTの新型ヘッドシェル一体型MCフォノカートリッジ、ステレオ仕様3機種を聴く。4N銀コイル80周年モデルは、先鋭的で緻密な音
EMTのヘッドシェル一体型フォノカートリッジは、ヨーロッパを代表する放送局用カートリッジとして君臨してきた。有名なステレオ仕様のTSD15は1965年に誕生しており、今も熱烈な愛用者が存在する。
2014年からEMTのフォノカートリッジを製造しているのは、ターレストーンアームで有名なミッハ・フーバー氏が主宰するスイスのハイフィクション社。このたび、新型のヘッドシェル一体型のMCフォノカートリッジが発表された。資料を紐解くと、ステレオのTSDが3機種とモノーラルのTMDが3機種、加えて世界限定80個というTSDアニバーサリーが登場する。TSDとTMDには一般的なSME互換タイプとEMT製ト...
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音楽表現はプロ級の貫禄。MC型カートリッジ・EMT JSD Pure Black
JSD Pure Blackは、『管球王国』80号でリポートしたJSD S75の後継機である。後継機といってもマイナーチェンジ版と発表されていて、価格は据え置き。スペックも、ボディ構造の強化にともない自重が2g増したくらいで同等だ。実機をよくよく観察して発見したのは、カンチレバーとSFLスタイラスの結合法が変わったことである。旧タイプのそれを、筆者はまるで魔法のようと記した。新しいPure Blackはむしろオーソドックス。ホワイトサファイアのカンチレバー先端に孔をあけ、針先を深く植え込んである。振動質量がすこし増えたかもしれないが、感覚的には手堅く安心だ。
今回の試聴では待望の昇圧トラ...