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HiVi2023年春号は3月17日発売。特集は「音に拘る」。マランツ、デノンの旗艦AVセンターを筆頭に“スゴ音”の組合せを探ります!
マランツ・デノンから、それぞれコロナ禍を挟んで開発が進められていた超弩級のAVセンター「AV10+AMP10」と、「AVC-A1H」が遂にリリースされる。そこで「音に拘(こだわ)る」と題して、4つのテーマに沿って、いま注目すべき「音」の大研究をいたします。オーディオビジュアルの感動を支えている原動力は「音」であり、その魅力を支えるハードウェアから、方法論まで様々なスタイルで鋭く斬り込んでいきます。
テーマ1では、究極を目指したマランツのセパレートAVセンター「AV10+AMP10」と、デノンの一体型AVセンター「AVC-A1H」を徹底分析、各モデル8ページに渡って、実機のテストリポートを...
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ひとりの頑固老人を通じて、戦後アメリカの姿が見えてくる。名優トム・ハンクスがベストセラーの映画化に臨む『オットーという男』
主人公の老人、オットーはとにかく頑固で堅物。眉間にシワを寄せてムスっとしていて、誰かと接せざるを得ないときは、その人物が去ると“idiot”(この愚か者め、というような意味だろうか)と言い放つ。妻に先立たれてから厭世観が増し、いついかにして死のうかと考えている。
この老人を演じるのは、名優トム・ハンクス。いっぽう、息子のトルーマン・ハンクスが演じる若き日のオットーは、ほがらかで、シャイで、頭脳明晰な好青年だ。なにが彼をこんなふうにしたのか? 年老いたオットーの心からは“かつてのオープン・マインドな姿”は完全に消え去ってしまったのか? 原作は、スウェーデンの作家フレドリック・バックマンの小...
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観る者を1944年の空中戦へと案内! ヴィンテージ機種満載、ド迫力の一作『KG200 ナチス爆撃航空団』
画面から迫力が飛び出してくる、そういうしかない作品だ。1944年当時の戦いを、資料によると「戦闘機の爆破や破壊シーンにおいてすら機体のCG合成はせず、精密なスケールモデルを使用。VFXでその効果を高めはしつつも、極限までCGには依存しない制作スタイルを貫いて」表現したというのだから、こだわりぶりに驚かされる。使われるのは無論、1944年当時の戦闘機。クラシック音楽でいうなら「ショパン国際ピリオド楽器コンクール」みたいなことをしているわけだ。
舞台はナチス占領下のフランス。戦うのはひとりのアメリカ空軍パイロットと、ドイツ空軍秘密部隊。ちなみにナチス・ドイツによるフランス占領は1940年6月...
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知的なアクション・シーンも見もの。リーアム・ニーソンの話題作『ブラックライト』が全国公開
190センチ以上の長身と華麗な身のこなしで、さまざまな役どころを繰り広げてきた重鎮リーアム・ニーソンの最近作のひとつが3月3日から全国上映される。監督・脚本・制作マーク・ウィリアムズ。
今回、ニーソンが扮するのはFBI長官直々に雇われた、通称“フィクサー”と呼ばれる役。潜入捜査をしている秘密捜査官に危険が迫った際、身を挺して救出するという役割を担っている。ある秘密捜査官から聞いた話は、彼を驚かせるに十分なものだった。FBIが一般人の殺人に関わっているというのだ。その捜査官は記者にも情報を伝えようとするが、途中で銃殺されてしまう。やがて“フィクサー”と記者は、極秘プロジェクト“オペレーショ...
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美貌のアクション女優ミシェル・ヨーが“地味なおばさん”に! ハリウッドを席捲中の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアカデミー賞に大手【映画スターに恋して:第28回】
百聞は一見に如かず。まずは『エブエブ』のぶっ飛んだ世界を体験すべし!
優柔不断なダメ亭主ウェイモンドと反抗的な娘、おまけに頑固な父親の面倒まで見るエヴリンは、倒産寸前のコインランドリーの経営にも四苦八苦。ところが、「別のユニバース(宇宙)から来た」と言うウェイモンドに突然“並行世界”へ連れて行かれると、そこにはカンフーマスターさながらの技を持つ“強~いエヴリン”がいて……。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は、“地味なおばさん”のエヴリンが<様々な世界で生きる自分>の能力を駆使して、巨大な悪と闘うアクション・エンターテインメント……なのだが、このとんでもなくカオス世...
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「日の出までに10万人以上の死者を出し、東京の4分の1が焼失した史上最大の空襲」に今、あらためて迫る『ペーパーシティ 東京大空襲の記憶』
「オレンジ計画」の時点でもう日米戦争が相手側のなかで一方的にプログラミング済みだったとしても、それでもミッドウェイぐらいで引き返していたら、少なくとも1945年の惨事はなかった。
自分が生まれる何十年前の同じ日に東京が火の海だった、そう知ったのはおそらく中学生ぐらいの頃だ。東京都江東区の「東京大空襲・戦災資料センター」にも足を運んだことがある。写真もすさまじかったが、文章やイラストの生々しさにも想像力が増幅させられて、見終わったあとに気分が落ち込んだ。だが知っておくべきことがここにあるのだ、という知見も蓄積された。
今回、この空襲をテーマに作品を監督したのは、オーストラリア出身の映画監督...
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自分が「どの側」にいるかで捉え方が逆転するに違いない、147分のリアリズム『逆転のトライアングル』
第80回ゴールデングローブ賞で2部門にノミネート(ミュージカル・コメディ部門の作品賞、およびトイレの清掃婦を演じたドリー・デ・レオンの助演女優賞)。人間の見栄と欲をむき出しにした147分のリアリズム、『逆転のトライアングル』が2023年2月23日よりTOHOシネマズ 日比谷他にて全国公開される。
映画に接する時、あらかじめ、誰(どのキャラクター)が主役かを頭に叩き込んで作品を観るファンも少なくないときく。そうなるとこの作品、どうなるのだろう。見ようによっては主役だらけになるからだ。大きな舞台となるのは、豪華客船。選ばれしお金持ちしか乗船が許されないであろうことは疑いようがないけれど、その...