リーアム・ニーソン100作目の出演作『探偵マーロウ』は、いぶし銀の演技が光る。光の回り込みを巧みに使った映像がミステリアスな雰囲気も必見
第二次世界大戦前の1939年、ハリウッドを舞台にしたスキャンダルにまつわる事件をリーアム・ニーソン扮する探偵フィリップ・マーロウが解き明かすサスペンス・ドラマである。映像もサウンドも時代背景にマッチした作りで少し古めの演出。そんな中、「突然姿を消したかつての愛人を探してほしい」と事務所を訪ねてきた依頼人のクレア・キャベンデッシュを演じるダイアン・クルーガーのフェイス・トーンの美しさが際立つ。
原作はベンジャミン・ブラックの『黒い瞳のブロンド』で、レイモンド・チャンドラーの探偵フィリップ・マーロウ・シリーズ『ロング・グッバイ』の公認続編である。
監督はアイルランド出身のニール・ジョーダン。...