執筆陣
磁気回路が刷新されたMC型のARTシリーズ。 オーディオテクニカ AT-ART9XI,AT-ART9XA 2機種同時に発売
オーディオテクニカは、MC型フォノカートリッジの最高級ラインにARTの名称を冠している。本年6月に同社は2機種のARTを同時に発売した。両機ともART9Xのネーミングが共通で価格も15万円と同一。AT-ART9XIは従来のART9から刷新した鉄芯タイプのフラッグシップ機。型番末尾のIはアイアン=鉄芯を意味している。いっぽうのAT-ART9XAは、ART7からの大幅改良モデル。型番末尾のAはエアー(空気)で空芯を意味しており、非磁性のポリマーを巻き枠にしている。0.12mVの出力電圧だったART7に対して、ART9XAでは巻き枠を大型化することで0.2mVと大幅アップを実現。
両機とも発電...
執筆陣
ミューテックのカートリッジ、RM-KAGAYAKI(耀)試聴。独創のヨークレス・リングマグネット構造をもつMC型。
音の立ち上がりが俊敏で、音像を立体的に構築。
複雑に織りこまれた音の深みが味わえる
ミューテックは神田榮治氏が立ち上げたフォノカートリッジのブランドである。彼はコイルの巻き枠に使われる磁性材のエキスパート(マリックの出身)でもあり、ミューテックではSS-μMという特別な合金を採用している。磁気回路はリング形状のネオジム磁石(なかでも強力なN50)のなかに発電コイルを配置する、一般的に磁石の前後にあるヨークを不要とした独創的な構造が特徴だ。
神田氏がご高齢ということから、このたびイケダのトーンアーム製造でも知られるアイテイ工業が技術を習得して、ミューテックのMC型フォノカートリッジを手掛け...