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【麻倉怜士の音楽紀行2019】アムステルダム・コンセルトヘボウで、シューボックスの真髄に触れてきた
4月28日、スペインのIFAグローバル・プレス・コンファレンスの帰りに、アムステルダムを訪れ、久しぶりにアムステルダム・コンセルトヘボウでロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)を聴くことができた。これまでヨーロッパの名コンサートホールをいくつも聴いてきたが、やはりコンセルトヘボウでの響きは、ワン・アンド・オンリーだ。
指揮はフィンランドの期待DIMA SLOBODENIOUK(ディーマ・スロボデニューク)。昨年、首席指揮者のダニエレ・ガッティがセクハラで電撃解任された後の11月前半の北欧ツアーの指揮者として、同オーケストラにデビュー。元々は、2019年4月にデビューを飾る予定だった...
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世界最大のハイエンドオーディオショーいよいよスタート。注目すべきニューアイテムが数多く見つかった【麻倉怜士のHigh End Munich 2019リポート 01】
ミュンヘンのハイエンドオーディオショー「High End Munich 2019」が、現地時間の5月9日に開幕した(5月12日まで開催)。
いまや、世界最大、世界最高のオーディオショーだ。これまではラスベガスのCESに出ていたメーカーが、そこを引き払い、大挙してミュンヘンに向かう現象が、ここ2~3年顕著になってきた。
私はCES取材が長いが、去年までいたのに今年はいないメーカーを辿っていくと、ミュンヘンに現れたというケースが数多い。つまりミュンヘンに出展しないと、世界的に仕事にならないというところまで、本展示会の評価は高くなっているのだ。出展メーカー数は2018年が524社、19年は54...
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『八甲田山<4Kデジタルリマスター版>』は、フィルム作品の4K化のお手本である。そこに込められた作品愛に感動した(後):麻倉怜士のいいもの研究所 レポート19
新4K衛星放送の「日本映画+時代劇 4K」チャンネルで放送された『八甲田山』<4Kデジタルリマスター版>は、オンエア時の映像の美しさが注目を集めた。その理由を調べてみると、4K放送のために、貴重なオリジナルネガフィルムから新たにスキャンを行ない、さらにフィルムの傷を人の目で細かくチェックして消していく細かな作業が行なわれていたことがわかった。しかもそれを監修したのが、同作で撮影を担当した木村大作撮影監督だ。今回は、そんな木村撮影監督の関わりについても話を聞いてみた。(編集部)。
麻倉 フィルム検査、スキャン、レストア(画像修正)と来て、いよいよグレーディング(色調整)作業になるわけですね...
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『八甲田山<4Kデジタルリマスター版>』は、フィルム作品の4K化のお手本である。そこに込められた作品愛に感動した(中):麻倉怜士のいいもの研究所 レポート18
「日本映画+時代劇4K」チャンネルで放送された日本映画の名作『八甲田山<4Kデジタルリマスター版>』。同チャンネル開局の目玉作品としてピュア4K放送し、実際に視聴者からの反響も大きかったそうだ。その高画質に注目した麻倉怜士さんが、同作の4Kマスター制作を手がけた東京現像所を直撃、それぞれの担当者にお話を聞いた。第二回となる今回は、フィルムスキャニングとレストア(画像修正)の工程について紹介したい。(編集部)。
麻倉 さてここまでで、4K版『八甲田山』の企画から素材の手配までのお話をうかがいました。フィルム修復が終わったらいよいよスキャニングに入るわけですが、今回はどんなスキャナーを使った...
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『八甲田山<4Kデジタルリマスター版>』は、フィルム作品の4K化のお手本である。そこに込められた作品愛に感動した(前):麻倉怜士のいいもの研究所 レポート17
新4K8K衛星放送がスタートして、4ヵ月が経過した。その間、各放送局とも4Kらしい魅力を備えたコンテンツを準備し、徐々に内容も充実してきている。そのひとつが、「日本映画+時代劇4K」チャンネルが放送した、『八甲田山<4Kデジタルリマスター版>』だ。オリジナルネガまで遡って4Kスキャンを実施し、放送マスターを作ったのだという。しかも、当時撮影を担当した木村大作さんが監修を務めたというから、たいへん気合いが入っている。そこで今回は、本作の4Kマスター制作を手がけた東京現像所にお邪魔して、『八甲田山』の4K化について、お話をうかがった。(編集部)
麻倉 日本映画+時代劇4Kチャンネルで放送され...
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本物の『ボヘミアン・ラプソディ』は家庭にあった! 4月17日発売のUHDブルーレイは、繰り返して楽しむべき一枚だ:麻倉怜士のいいもの研究所 レポート16
『ボヘミアン・ラプソディ』の快進撃が続いている。昨年11月9日の公開以来大ヒットを続け、一部の劇場ではゴールデンウィークまで上映される予定とも聞く。そんな人気作の4K UHDブルーレイがいよいよ4月17日に発売される。しかもファン必見の特典映像「ウェンブリー・スタジアム完全版(仮)」まで収録された豪華版という。今回はその注目ディスクを、麻倉さんのシアタールームでひと足早くチェックしていただいた。(編集部)
『ボヘミアン・ラプソディ <4K ULTRA HD + 2Dブルーレイ/2枚組> 』
(フォックスFXHA-87402)¥6,990+税
●2018年アメリカ●2枚組(本編UHD BD...
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「8Kの次は『絵画』である」 伝説の映像処理エンジニアが開発した、新アナログ技術が凄かった:麻倉怜士のいいもの研究所 レポート15
近藤哲二郎氏が率いるI3(アイキューブド)研究所が、また大胆で画期的な画質技術を開発した。近藤氏は、1990年代にソニーでデータベース型超解像技術DRC(デジタル・リアリティ・クリエーション)をつくった、伝説のエンジニアだ。その後2009年にI3研究所を設立し、以後ICC、ISVC、ICSC、I3C、S-Visionといった数々の高画質技術を送りだしてきた。その集大成となるのが、新提案の「動絵画」(Animated Painting)だ。「8Kの次は『絵画』である」と語る近藤氏に、新技術の詳細を聞いた。
麻倉 今日は久しぶりに近藤さんの新技術を拝見できるとのことで、とても楽しみです。
近...
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ステージモニターの音には、「冷静」と「興奮」の両立が求められます。ソニーが「IER-M9」「IER-M7」で目指したもの:麻倉怜士のいいもの研究所 レポート14
前回はソニー、シグネチャーシリーズ初のインイヤー型ヘッドホン「IER-Z1R」の開発者インタビューをお届けした。その開発メンバーが平行して手がけていたのが、昨年10月に発売されたステージモニターの「IER-M9」と「IER-M7」だという。こちらもソニーとして久々のカテゴリーで、オーディオリスニング用とは異なる音づくりを目指したという。そのIER-M9/M7についても詳しくお話をうかがった。対応いただいたのは、前開に引き続き、ソニービデオ&サウンドプロダクツ株式会社の増山翔平さん、桑原英二さん、飛世速光さんの3名だ。(編集部)
麻倉 ここからは、インイヤーのステージモニターIER-M9/...
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「最高の音」では駄目なんです! ソニーのフラグシップイヤホン「IER-Z1R」が目指した、異次元のサウンドとは:麻倉怜士のいいもの研究所 レポート13
昨年のIFAで参考出品されたソニーのフラッグシップイヤホン「IER-Z1R」。イヤホンの常識を越えた音場再現を目指した“こだわりの塊”として話題となった。それから半年、IER-Z1Rが遂に日本でも正式発表された。そこで今回は、異次元サウンド誕生の秘密について、ソニー開発陣にお話をうかがった。対応いただいたのはソニービデオ&サウンドプロダクツ株式会社 V&S事業部 企画ブランディング部門 商品企画部の増山翔平さん、商品設計部門 商品技術1部の桑原英二さん、商品設計部門 商品技術1部の飛世速光さんの3名だ。(編集部)
麻倉 IFA会場で聞いたIER-Z1Rの音には、とても感心しました。音場の...
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『ボヘミアン・ラプソディ』に感激。ドルビーシネマは、上映される映画の作品性にも大きな影響を与える:麻倉怜士のいいもの研究所 レポート12
数年前から海外で話題となっていた映画館の新提案「ドルビーシネマ」が、ようやく日本に登場した。場所は「T・ジョイ博多」、JR博多駅上の絶好のポジションだ。今回麻倉さんは福岡まで足を運び、日本初となるドルビーシネマのクォリティを体験してきた。さっそくインプレッションを語っていただこう。(編集部)
ついに日本にドルビーシネマがオープンしました。私も1月中旬に現地まで出かけてクォリティをチェックしてきましたので、その印象を紹介しましょう。
世界の映画館の潮流は、プレミアムシアターに向かっています。つまり、単純に映画を上映するだけではなく、いかに付加価値を上げるか(儲けるか)を興行サイドが考え始め...
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ソニーが提案する、音楽の新しい体験。「360 Reality Audio」がもたらす、このイマーシブ再生は本当に凄い(後): 麻倉怜士のいいもの研究所 レポート11
CES2019でソニーが発表した「360 Reality Audio」(サンロクマル リアリティーオーディオ)に注目が集まっている。音楽を、あたかも目の前で演奏されているかのようなリアリティでユーザーに体験してもらいたいという提案で、そのために新コーデックMPEG-H 3Dオーディオを採用し、ストリーミングで音源を配信するなど、様々な工夫と配慮がなされている。その360 Reality Audioの詳細に迫るインタビューの後編をお届けする。インタビューに応じていただいたのは、開発メンバーの澤志聡彦氏、知念 徹氏、片岡 大氏の3名だ。(編集部)
麻倉 ところで、360 Reality Au...
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【麻倉怜士のCES2019レポート23】2019年のテレビシーンは、3つのテーマで進化していくだろう。“最新技術の発表の場”であるCES2を取材してわかったこと
多くの話題を集めたCES2019。StereoSound ONLINEでは麻倉怜士さんによる詳細リポートを22回に渡ってご紹介いただいた。それらはいずれもオーディオビジュアルファンにとって興味深い内容ばかりで、たいへん多くのアクセスもいただいている。今回はそのCES2019の総括を、麻倉さんにじっくり語っていただいた。(編集部)
CESは“技術展示の場”になってきた
私が毎年CESの取材をするようになって、既に20年以上が過ぎました。その前にも何回も足を運んでいますので、通算ではもっと多く取材していることになります。
さて、世界の3大エレクトロニクスショウというと、アメリカのCESとドイ...