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1980年代の “角松サウンド” がSACDで甦える。角松敏生さんに、自身の新作CDと「中山美穂」「JADOES」プロデュースに関する深いお話を聞いた
若い音楽ファンを中心に、80年代シティポップが注目を集めている。そんな中、タワーレコードから中山美穂とJADOESの7作品がSACD/CDハイブリッド盤で登場した。いずれも1986〜1988年にオリジナルCDが発売されたアルバムで、角松敏生さんのプロデュース作品も含まれている。
今回は角松さんにStereoSound ONLINE試聴室においでいただき、これらのディスクを聴いてもらいながら、当時の思い出やプロデュース、音作りで工夫した点についてじっくりお話をうかがった。
また8月31日に、角松さんの8年ぶりのオリジナルアルバム『Inherit The Life』も発売された。こちらは9月...
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いま、時空を超えて甦る『戦国自衛隊』。ぬるま湯につかった平和な時代に放たれた青春映画の傑作【4Kデジタル修復版制作リポートその2】
『戦国自衛隊』4Kデジタル修復版制作リポート、前回の【映像篇】に続いて今回は【音声篇】をお届けしよう。
本作の音響面では大きなトピックがふたつある。その第一が4chステレオサウンド版の復元だ。この音声方式は1979年の劇場公開当時に一部の主要な劇場で採用されていた、サラウンド(フロントL/C/R+リア・モノーラル)トラックである。
『戦国自衛隊4Kデジタル修復 Ultra HD Blu-ray【HDR版】』
¥18,480(税込、10月28日発売)
●DAXA-5873●本編138分+特典110分以上/4K Ultra HD Blu-ray+Blu-ray+特典Blu-ray+CD 計4...
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いま、時空を超えて甦る『戦国自衛隊』。ぬるま湯につかった平和な時代に放たれた青春映画の傑作【4Kデジタル修復版 制作リポートその1】
市川崑監督による往年の名作『犬神家の一族』が4Kデジタル修復版で復活してから一年。またまたKADOKAWAから驚愕のニュースが届いた。数ある角川映画のなかでもとりわけ人気の高い1979年の劇場公開作品『戦国自衛隊』が4Kデジタル修復版として帰ってくるのだ。全編に渡ってエネルギーが漲る、まさに角川映画全盛期を代表する一作と断言しても異論は無かろう。
先の『犬神家の一族』4Kデジタル修復版が好評をもって受け入れられ、角川映画祭での上映に足を運んだファンも多く、UHDブルーレイも予想以上のヒットになったと聞く。『犬神家の一族』4Kデジタル修復版制作リポートの最終回でも触れていたように、筆者にと...
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ステレオサウンド オリジナルソフトの魅力を語る 名盤ソフト 聴きどころ紹介40/中森明菜『歌姫 -Stereo Sound Selection- Vol.4』『オールタイム・ベスト-オリジナル- Stereo Sound Selection Vol.5』Stereo Sound REFERENCE RECORD
明菜が歌う名曲の数々を、鮮烈かつメリハリのある音でアナログレコードに収めた
1982年に芸能界デビューした中森明菜は今年、歌手活動40周年の記念の年を迎えている。時のヒット曲はテレビだけではなく、街の商店街でも当たり前に流れていた1982年。先にデビューした松田聖子と共にアイドルでは“2強”の存在。当時は聖子派と明菜派がはっきりとわかれていたものだ。爽やかで明るく優等生的な聖子に対し、つんとしていてどこか陰があり、不良っぽさも感じさせていたキャラクターに加えて、デビュー曲「スローモーション」に惹かれていたボクは今も変わらず明菜派だ。
デビュー40周年企画としてNHKの地上デジ総合、BSプ...
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『オビ=ワン・ケノービ』後半の胸熱ポイントはここだ! ‘78年からの『スター・ウォーズ』ファンが深読みした、答え合わせ対談 ※ネタバレしまくり
泉 Disney+(ディズニープラス)のオリジナルドラマ、『オビ=ワン・ケノービ』が、ちょうど1週間前の6月22日に最終回を迎えました。先般、本作の前半を見た印象を酒井俊之さんと語り合ってみたところ、予想以上の読者諸氏からアクセスをいただきました。やはり『スター・ウォーズ』のスピンオフシリーズで、主人公がオビ=ワンということで、注目していた方も多かったようです。
そのシリーズが無事ハッピーエンドを迎えましたので、今回は第4〜6話の後半について語り合ってみたいと思います。前回ふたりで勝手に展開した予想は当たっていたのか、後半の胸熱ポイントはどこだったのか、44年前からの『スター・ウォーズ』...
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『オビ=ワン・ケノービ』、前半3話で盛り上がる! ‘78年からの『スター・ウォーズ』ファンが、胸熱ポイントを深掘りしました ※ネタバレしまくり
『オビ=ワン・ケノービ』
●スタッフ:出演:ユアン・マクレガー(オビ=ワン・ケノービ役)、ヘイデン・クリステンセン(ダース・ベイダー役)他●監督:デボラ・チョウ●配信スケジュール:毎週水曜日にディズニープラスにて独占配信 (C)2022Lucasfilm Ltd.
●Disney+(ディズニープラス):ディズニーがグローバルで展開する定額制公式動画配信サービス。ディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズ、ナショナルジオグラフィックの名作・話題作に加え、スターブランドとして大人が楽しめるドラマや映画も充実、ここでしか見られないオリジナル作品も続々登場する。
泉 Disney+(ディズ...
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最速リポート! 誰も観たことがない『犬神家の一族』を味わい尽くす。新しい発見の連続が楽しい、4K UHDブルーレイ・インプレッション
角川映画45周年記念『犬神家の一族』4Kデジタル修復版。
驚愕の高画質・高音質で甦った傑作の舞台裏に迫る(最終回)
12月24日(金)リリースの『犬神家の一族 4Kデジタル修復 Ultra HD Blu-ray【HDR版】』。「角川映画祭」での上映やCS4K放送では体験できなかった、これまで誰も観たことがない『犬神家の一族』4K HDR版のお披露目となる。4Kデジタル修復版の真骨頂が味わえるのはこの4K HDR版であると断言したいと思う。
SDR版の印象を凌駕する驚きが待ち構えていると考えていただいてまったく差し支えない。劇場公開時に市川崑監督がイメージした作品の姿、美麗に甦った本編に思...
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角川映画45周年記念『犬神家の一族』4Kデジタル修復版。驚愕の高画質・高音質で甦った傑作の舞台裏に迫る(その5)
●4Kデジタル修復版 新マスター完成までの道のり〜ポストプロダクション編③〜
『犬神家の一族』<4Kデジタル修復版>。入念なレストアが施されたマスターはいよいよグレーディング(色彩調整)のプロセスへと進む。市川崑監督がイメージしていた作品の姿をいかに再現するか。修復化の工程のなかでもとりわけ重要な作業になる。
グレーディングを担当するのはIMAGICAエンタテインメントメディアサービス(以下、Imagica EMS)映像制作部 データイメージンググループ カラリストの阿部悦明だ。阿部はこれまでも市川監督作品では『炎上』『おとうと』『雪之丞変化』、往年の角川映画では『セーラー服と機関銃』『...
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角川映画45周年記念『犬神家の一族』4Kデジタル修復版。驚愕の高画質・高音質で甦った傑作の舞台裏に迫る(その4)
●4Kデジタル修復版 新マスター完成までの道のり〜ポストプロダクション編②〜
『犬神家の一族』<4Kデジタル修復版>のマスターが完成するまでのプロセスを追った「『犬神家の一族』<4Kデジタル修復>の軌跡」。本編の劇場公開に先駆けて日本映画専門チャンネルでオンエアされ、現在ではYouTubeのKADOKAWA映画公式サイトにもアップされている。もうご覧になっただろうか?
4Kデジタル修復された本編映像も動画で見てみると説得力がある。10分間の短縮版であるにもかかわらず、複雑な工程が簡潔に分かり易く纏められている。それもそのはず、番組を担当したのは本連載にも協力して頂いているIMAGICA...
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角川映画45周年記念『犬神家の一族』4Kデジタル修復版。驚愕の高画質・高音質で甦った傑作の舞台裏に迫る(その3)
●4Kデジタル修復版 新マスター完成までの道のり〜ポストプロダクション編①〜
『犬神家の一族』を4Kデジタル修復版として蘇らせる。このプロジェクトをKADOKAWAと共に推進するIMAGICAエンタテインメントメディアサービス(以下、Imagica EMS)メディア営業部。Imagica EMSサイドのスタッフを束ねるプロデューサー的な役割を果たしているのが水戸遼平だ。
前回紹介したように、同営業部の土方崇弘がこれまでリリースされてきた全種類のパッケージソフト、出版物でのスタッフの証言や評論等などから作品を研究する一方で、水戸は現存するネガやプリントなどのフィルム関係、劇場公開時には東洋...
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角川映画45周年記念『犬神家の一族』4Kデジタル修復版。驚愕の高画質・高音質で甦った傑作の舞台裏に迫る(その2)
●4Kデジタル修復版 新マスター完成までの道のり〜プリプロダクション編〜
『犬神家の一族』4Kデジタル修復版。今回のこの新マスター制作のためのプロジェクトをKADOKAWAと共に推進する大役を担ったのはIMAGICAエンタテインメントメディアサービス メディア営業部の水戸遼平と土方崇弘だ。
これまでも『炎上』『おとうと』『雪之丞変化』などの市川崑監督作品、最近では特撮ファンの間で大いに話題を呼んだ『平成ガメラ』や『大魔神』シリーズの4Kデジタル修復版も手掛けている。いわゆる“古い作品”を、スタジオの持つ最新の技術と熟練のスタッフたちの“技”によって現代に蘇らせることには既に定評がある。
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角川映画45周年記念『犬神家の一族』4Kデジタル修復版。 驚愕の高画質・高音質で甦った傑作の舞台裏に迫る(その1)
●4Kデジタル修復版の制作は、今は亡き市川崑監督との対話である
時は昭和51年。1976年。初めて耳にする“角川春樹事務所”が映画の製作を開始した。これがいわゆる“角川映画”の始まりだ。次々と繰り出される作品の面白さ、メディアを駆使したそれまで経験したことのなかったような展開によって瞬く間に映画界を、時代を、まさに席巻したのが角川映画である。もちろん当時の映画ファンにも大いなる驚きをもって熱狂的に迎えられた。詰めかけた観客たちでいつも膨れ上がった映画館の賑わいを昨日のことのようにご記憶の方も多いだろう。その角川映画の記念すべき第一回作品がご存知『犬神家の一族』である。
「角川映画祭」開催...