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フランスの高級オーディオメーカー、 メトロノーム・テクノロジー社初のSACD/CDプレーヤー 「AQWO」 実体感と分解能を両立させる視覚的再生が魅力
メトロノーム・テクノロジー社からは初めてとなるSACD対応のCDプレーヤー
メトロノーム・テクノロジー社は、カリスタ(Kalista)とメトロノーム(Metronome)のダブルブランドを展開しているフランスの高級オーディオメーカーだ。このAQWOはメトロノーム・ブランドに属する新製品。同社の歴史で初めてとなるSACD対応のCDプレーヤーである。
SACD再生に対応するドライブメカニズムは、現状でD&Mの国産品が唯一の存在といわれている。本機はそれをトップローディング仕様となるよう独自にカスタマイズ。トップカバーのスライドとディスクスタビライザーの装着を手動で行なう、きわめてシンプルなプ...
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PSオーディオから注目の高音質フォノEQ、Stellar Phono登場。
半導体式A級、全段ディスクリート構成のフォノEQ。
MCではS/N感高く鮮明さを際立たせた鋭敏な再生
米国PSオーディオから、注目すべき高音質フォノイコライザーアンプが登場。新製品のステラー・フォノは、クラスA動作の洗練された全段ディスクリート回路が特徴のフルサイズ機である。アナログ電源部を内蔵しており、筐体の上下を堅牢なスチール製シャーシで覆った構造も特徴だ。手掛けたのは同社の若い主任技師のダーレン・メイヤー氏。FET素子を多用した意欲的なデザインである。サブソニックフィルター回路は持たず、イコライザー補正はパッシヴ構成だという。
MM/MC対応の本機は、主な操作を付属のリモコンで行な...
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ロクサン XERXES 20 RPM+SARA 英国製アナログの名機が再び。
アナログプレーヤーで有名な英国ロクサン(1985年創業)は、3年前の2016年に英国モニターオーディオの傘下となった。1996年にはミッションやワーフェデール、QUADを擁したヴェラティ・グループに買収されたことがあるけれども、その2年後には買い戻して再び独立を果たしていた。
紹介するのはロクサンの代名詞といえる高級アナログプレーヤーシステム。ターンテーブルは2005年の登場からロングセラーを誇るザクシーズ20プラスだ。その名前(XERXES)は古代ペルシア王に由来し、歴史書ではクセルクセスと表記されることがある。再生時にはスピンドルキャップを外してディスクを自由な状態にするのは同社なら...
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サン・オーディオのパワーアンプ SV-2A3 (30th Anniversary version)を試聴。 厳選の高音質パーツ採用の特別版SV-2A3、 直熱3極管らしい音色の煌びやかさに力感が宿りステージの情景を立体的かつ丁寧に描く
SV-2A3の30周年記念モデル
サン・オーディオは1980年の創業。管球アンプの発売は9年後の1989年からで、ここで紹介するのは同社製品の原点であるSVシリーズの2A3シングル・ステレオ機、SV-2A3の30周年記念モデル。30台の限定受注販売という特別な製品である。
通常品との違いは少なくない。完成品が30万円でキット価格が20万8千5百円に設定されたSV-2A3のアニバーサリー仕様は、音質重視の観点からロシア製5U4G整流管のヴィンテージ球(希少な黒色プレート)を採用。スピーカー出力は8Ωと16Ωの両方に対応すべく端子が増設され、高級感が漂うアルミニウム製フロントパネルとアルプス...
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オーディオテクニカから、OC9を受け継ぐMC型カートリッジ5モデル、OC9新シリーズが登場。
オーディオテクニカのOC9は、オリジナルが1987年に登場している。このたび同社は、新しいOC9Xシリーズを5機種リリース。共通するのはPCOCC銅線の発電コイル+鉄芯巻枠と、強磁力ネオジム磁石の採用。色違いだがアノダイズ仕上げのアルミニウム製ボディも同じである。針は各モデルで異なり、カンチレバー材質はアルミニウムとボロンの2種類。磁気回路のヨークも純鉄とパーメンジュールの2種類である。適正針圧は全機種とも2g。価格レンジは2万9千円~9万8千円と広い。
さっそく比べて音質傾向を探っていこう。プレーヤーはテクニクスSL1000Rでマイソニックのヘッドシェルに装着。フェーズメーション製T5...
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“生々しい触感の音に暫し聴き惚れる”リニアトラッキング&エアーベアリングを採用したアナログプレーヤー「Holbo」とじっくり取り組んでみた
たとえば独ノイマンの「SX-74カッターヘッド」と同じように、音溝に対してトラッキングエラーなしに針先がトレースしていくリニアトラッキング方式は、理想的なトーンアームの動作に思われるだろう。
リニアトラッキングとは直線移動を意味しており、そのようなトーンアームをストレートライン・トラッキング方式と呼ぶこともある。カッターヘッドは能動的に音溝を刻み、トーンアームのほうは受動的に音溝をトレースするという立場の違いはあるのだが。
ここで紹介するHolbo(ホルボ)のアナログプレーヤーは、リニアトラッキング方式を採用したエアーベアリングのトーンアーム設計が大いに目を惹く、精密感が漂うアナログプレ...
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イケダサウンドラボズの上位機 IKEDA AMANE 登場。陰影表現の豊かさに驚く。
イケダサウンドラボズから新しいMC型フォノカートリッジが登場した。AMANE「周」と命名された新製品は、ユニバーサルヘッドシェル対応のトーンアーム専用にデザインされている。同様のインテグレート機に花梨材を使ったIKEDA SAIがあり、このAMANEはSAIの上級機に位置づけられている。
大きな特徴は、発電機構の固定部分に振動や音の吸収力が高い特殊制振合金を採用したことだ。振動系はマイクロリッジ針にボロン製カンチレバーを組み合わせたもので、鉄芯コアに線材を巻いた発電系のインピーダンスは2.5Ω。マグネットはネオジム磁石で6N銅リード線が内部に使われている。適正針圧は2gで出力電圧は0.3...
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性格の異なるレコードプレーヤーの兄弟機が登場。 テクニクス 「SL1200MK7」と「SL1500C」
テクニクスからアナログプレーヤーのSL1200MK7とSL1500Cが登場。この2機種は性格の異なる兄弟機である。SL1200MK7はDJ用途を想定。SL1500Cのほうはオールインワンの入門機として企画されており、オルトフォン製2MレッドのMM型フォノカートリッジが付属するだけでなく、ON/OFFがそれぞれ設定可能なMM対応フォノイコライザー回路とオートリフター機能も内蔵する親切設計が嬉しい。
SL1200MK7 ¥90,000(税別)
トーンアーム部 ●型式:スタティックバランス型●適合カートリッジ重量:5.5~12g
プレーヤー部 ●駆動方式:ダイレクトドライブ●モーター:コアレス...
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NF/CR型による精確なイコライジングを追求した、エアータイト「ATE3011」
エアータイトは海外でも高評価されている日本のブランドである。そのエアータイトが満を持して発売するフォノイコライザーアンプ、リファレンスフォノステージATE3011が完成して本誌試聴室に持ち込まれた。
エアータイト ATE3011 ¥1,480,000(税別)
●入力端子:3系統(RCAアンバランス)●出力端子:3系統(RCAアンバランス、ステレオ×2、モノーラル×1) ●入力インピーダンス:47kΩ●出力インピーダンス:47kΩ以上(推奨負荷合計)
●利得:40dB●使用真空管:12AX7×3●寸法/重量:W400×H151×D375mm/約11.5kg●備考:低域ターンオーバー、高域ロ...
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フランスの老舗ブランド/エリプソンによる新型スピーカー「Prestige Facet 24F」
エリプソンのプレステージ・ファセット24Fは背の高いフロアスタンディング機で、設置面積は意外に小さい。まとまりの良い音を聴かせてくれたスピーカーだが、ペアで30万円という入手のしやすいプライスタグに驚いた。
エリプソン 「Prestige Facet 24F」¥300,000[ペア] (税別)
●型式:3.5ウェイ4スピーカー・バスレフ型
●使用ユニット:ウーファー・21cmコーン型×2、ミッドレンジ・17cmコーン型、
トゥイーター・2.5cmドーム型
●インピーダンス:6Ω●感度:93dB/W/m
●クロスオーバー周波数:350Hz、600Hz、3.8kHz
●寸法/重量:W245×...
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高剛性ステンレス素材を採用した新型トーンアーム、イケダ サウンドラボズ『IT407SS』
新しいイケダのIT407SSトーンアームは、昨年春のアナログオーディオフェアに参考出品されていた。
イケダ サウンドラボズ IT407SS ¥1,250,000(税別)
型式:ダイナミックバランス型
●スピンドル・ピボット間:307mm
●オーバーハング:12mm●針圧調整範囲:0~5g
●適合カートリッジ重量:6~38.5g(ヘッドシェル含む)
●高さ調整範囲:20~60mm
●備考:ヘッドシェル(IS2TCR1)付属
剛性が高く不要共振が発生しにくいステンレススチール材を外装全体に奢っているのが、本機の大きな特徴。原型といえるフィデリティリサーチのFR66Sを彷彿とさせる、再生中でも...
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国産傑作トーンアーム・サエクWE4700、進化して新登場。高分解能で生々しく、迫真の演奏に聴き入る。
サエクコマースから登場したトーンアーム、WE4700。試作機はまず海外で発表され、オーディオファイルの間で話題となっていたものだ。いまも傑作と呼ばれるWE407/23(1980)が原型である。
SAECは、サウンド・オブ・オーディオ・エンジニアリング・コーポレーションの略。デビュー作のWE308トーンアームは1971年頃に登場した。最初期の資料では製造がオーディオエンジニアリング㈱、発売元がカナザワトレイディング㈱となっている。商業を意味するコマースを社名にしたサエクコマースは1974年の設立だ。
型番のWEはダブル・エッジを意味する。初動感度の高いナイフエッジ支持には受け金からの浮き上...