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これぞリファレンスサウンド!ベンチマークの衝撃的な音を奏でる5製品を一斉試聴
今回、アメリカのオーディオブランドであるBenchmark Media Systems(ベンチマーク・メディア・システム)の製品を一斉に試聴する機会に恵まれたが、筆者の考えるリファレンスサウンド像に見事に合致し、大いに感心してしまった。
試聴したのは、D/AコンバーターのDAC3 BとDAC3 HGC、ヘッドホンアンプ/プリアンプのHPA4、プリアンプLA4、そしてパワーアンプAHB2の5機種である。
結論から先に述べると、共通していたのは、スピーカー環境およびヘッドホン環境のどちらでもソース音源に対して徹底的に正しい解釈を志向するサウンドであること。まさに社名通り「指標」となるような音...
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3極5極複合管ECL805のシングルアンプ。 春日無線変圧器 KA47SE
3極5極複合管ECL805(6GV8)を起用したシングル出力アンプ。既発のKA24SEGを改良したとのこと。
この複合管の3極管部は増幅率50の高ミュー管。出力用の5極管部は100V台の低い電圧での使用も想定した低電圧大電流型だ。つまり内部抵抗が低いのであり、ラジオやテレビ用に使いやすい設計になっている。
コンデンサー結合の2段アンプであり、出力端から初段へ全体トータルNFBを掛けている。電源の整流は半導体ダイオードによるブリッジ整流。いたって簡素な設計だが、出力トランスの巻線を1次、2次側ともに逆接続しているのがユニークだ。つまり1次巻線の高電圧側端子をプレートに、プレート側端子を電源...
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サン・オーディオのパワーアンプ「SV2A3TSX」はタムラ製作所特注のトランス搭載。2A3らしい伸びやかなタッチに聴き惚れる
2A3パラレルシングルの無帰還モノーラルアンプ構成。これは、既に発売されているWR50パラレルシングルのSV-TE/50TSXと基本は同じ構成だ。タムラ製作所特注のトランス類は角張った稜線の新タイプを搭載している。公称出力はWR50の方が7W、2A3は6.5Wとほぼ同等だ。出力端子は8Ω、16Ω用が設置されている。
初段は6SN7のパラレル接続であり、段間トランスを駆動する2段目は出力管の6V6GTを3極管接続。これらの増幅段はロフチンホワイト流に直結接続されている。低い回路インピーダンスで過渡特性を維持する意図が感じられる。新たに採用した段間トランスのB5002TSAは10kΩ対40k...
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大型直熱管211と845のコンパチブルアンプは独エルログ製の現行出力管を搭載する。 サンバレー SV-S1628D ELROG ER845ver. SV-S1628D ELROG ER211ver.
ELROG(エルログ)は真空管のブランド名でドイツの産。それも過去の話ではなく、2016年に設立された新しいメーカーの製品である。それ以前には、別組織で軍用真空管やCRTを手がけた時代もあるとのことで、現在はハイエンド需要に見合った古典球のリメイクに注力しているようだ。ただし単なる復刻生産でないことは球の外観が示唆するとおり。中にはびっくり、トリタン(トリエーテッドタングステン)版300Bといった前代未聞の変り種も含まれる。
サンバレーのSV-S1628Dは、直熱3極管ファン向きの組立キットとして企画されたステレオパワーアンプである。組立代行による完成品も用意される。技術内容はたいへんめ...
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熱いのは音だけでいい! スペック RPA-MG5ST発売記念試聴会リポート【動画】
今年で創業10周年を迎えた日本の高級オーディオブランド「SPEC(スペック)」が、この秋、ステレオ仕様のD級パワーアンプRPA-MG5STを発売しました。本機は、昨年発売されたモノーラル仕様のフラッグシップRPA-MG1に次ぐもので、かねてから製品化の要望が強かったモデルです。
ステレオサウンドオンラインでは、このRPA-MG5STの発売記念試聴会が実施されていると聞き、早速、参加させていただきました。
万全の感染対策が施され、少人数の完全予約制で実施されたこのイベントで、いったいどんな開発ストーリーが語られたのでしょう? ぜひ、その模様をヴァーチャル体験してください。
なお「RPA-...
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テレフンケン製3極出力管RV258シングル。 特注カットコア出力トランス採用で無帰還動作。 カトレア ハイドンⅢ
長いあいだオーディオ用真空管の王様などといわれたWE300Bの流通が厳しさを増し、米国での再生産の見通しについても相変わらず透明度を欠いたままのためだろうか。ヨーロッパ産の古典的な3極出力管をつかったハイエンドクラスのアンプがぼつぼつ現れているようだ。当機もその仲間で、終段にテレフンケン銘のRV258を使用し、出力真空管無しヴァージョンも用意される。
往年の欧州球はほとんどが日本ではあまり知られておらず、元来稀少な存在なので、わずかなチャンスを逃せば雲上のマボロシで終ることにもなりかねない。好事家向きのアンプが少数供給されるだけでもけっこう。出所不明な真空管単体を購入するとしたら、それな...