ヘッドホンアンプはその性質上、D/Aコンバーター機能を内蔵し、USB DACとして使用できるものが多い。よってD/Aコンバーター部門と重複する製品もあるが、こちらはヘッドホンアンプとしての評価となる。価格帯は2段階としたが、いずれもコード社の製品がきわめて高い評価を得る結果となった。
第1位:コード Mojo
オープン価格(実勢価格5万円前後)
独自のアルゴリズムによるD/A変換が特徴の、コード社のエントリーモデル。手のひら大のコンパクトサイズながらも、PCM最大768kHz/32ビット、DSD最大11.2MHzのネイティブ再生が可能で、800Ωのヘッドホンの駆動にも耐えるアンプを備えるなど、実力はきわめて優秀。音楽を解きほぐして描くかのような緻密さと、雄大なパワーを備えた音は圧巻で、このクラスでは圧倒的な実力を持つ。アルミ削り出しのボディも堅牢で質感が高い。(鳥居)
第2位:マイテックデジタル LIBERTY DAC
オープン価格(実勢価格12万5,000円前後)
プロユースの機材開発で培った技術とノウハウを生かして開発された米国マイテックデジタル社製のUSB DACだ。位置付けとしては入門機となるが、デジタル音量制御機構、RCAアンバランス音声出力/ XLRバランス音声出力を搭載するなど、その内容はなかなか豪華だ。音の質感のきめの細かさ、緻密さは、上級機Brooklyn Dac+譲り。(藤原)
第2位:ニュープライム DAC-9H
¥135,000+税
プロユースも視野に入れて設計・開発されたニュープライムのリファレンスDAC。前作のDAC-9との違いは、4.4mmの「Pentaconn」ソケット(バランス型)と3.5mmのミニステレオヘッドホン出力が追加されたこと。誇張のない自然な質感、風合いが持ち味。DAC+プリアンプとしても、ヘッドホンアンプとしても、そのパフォーマンスは一流。(藤原)
第4位:バーソンオーディオ Conductor V2+
オープン価格(実勢価格8万8,000円前後)
奇をてらわないシンプルかつオーソドックスなパネルフェイスを有した純Aクラス動作のヘッドホンアンプ。USB DAC機能も内蔵し、384kHz/32ビットPCM、11.2MHzDSD対応という点も使い勝手がよい。パワフルかつヴィヴィッドな鳴りっぷりは、あらゆるヘッドホンを十全にドライブする。ボリュウムの操作フィーリングもGood !(小原)
第4位:AKG K1500
オープン価格(実勢価格59,880円前後)
コンパクトでシンプルな外観、そして純A級動作のアンプ部。あえてD/Aコンバーターを内蔵せず、入力端子はアナログのRCAとXLRバランスのみと、K1500はまさにAKGらしい質実剛健なヘッドホンアンプである。サウンドはストレートで色付けがなく、リファレンスとして用いても問題ない「信頼できる音」である。(土方)
第4位:iFiオーディオ xDSD
¥54,000+税
ポータビリティを追求したモデルの多彩なラインナップを誇る同社にあって、PCM768kHz、DSD22.6MHzが再生可能なうえ、MQAデコードにも対応しているポータブルアンプ。内蔵DACはバーブラウン製で、パンチのある躍動感に溢れた再生音が魅力。操作性もすこぶるよく、多機能な点もセールスポイント。(小原)
第4位:JVC SU-AX01
オープン価格(実勢価格11万円前後)
ハイエンドポータブルアンプの世界で人気モデルとしての地位を確立した1台。JVCの高音質化技術が惜しげもなく投入されているが、特にフルバランス構成のアナログ回路をコンパクトなボディに詰め込んだ意気込みには脱帽する。クラシック、ポップス、ジャズとジャンルを問わず先鋭的でスピードのある音を楽しめる。(土方)
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