イヤホン部門の選考対象は有線タイプのイヤホン。価格帯は、スマホ付属イヤホンからのステップアップ向け製品が充実している激戦区の「2万円未満」、素材や技術へのこだわりあふれるモデルが多い「2万円以上5万円未満」、各社のハイエンドがひしめく「5万円以上」の3段階とした。
第1位:アズラ ORTA
オープン価格(実勢価格1万5,000円前後)
独自の「ALC(アクティブロスコントロール)テクノロジー」によって、反射の干渉による歪みの発生を抑え、伝達ロスを最小限に止めたエントリークラスのダイナミック型イヤホン。40μ厚の8mm径アルミ合金製振動板を使い、アウターハウジングと分離したインナーチャンバーハウジングを持つことで不要振動を抑制しているのがセールスポイント。抜群の定位感に加え、スケール感と広がりのあるサウンドが魅力だ。(小原)
第2位:RHA MA650
オープン価格(実勢価格8,000円前後)
1万円を切る低価格でも優れた音に驚かされるモデルが増えているが、本機はまさにその代表例。鮮度の高い中高域は実に粒立ちがよく、女性ヴォーカルを明瞭かつ生き生きと描写する。低音域はややタイトだが、音域の伸びも充分だし、アタックの反応のよさや解像感はしっかりとしていて、不満はない。小ぶりのハウジングの装着感も良好。(鳥居)
第3位:ゼンハイザー IE 40 PRO
オープン価格(実勢価格1万3,000円前後)
ドイツの名門・ゼンハイザーが激戦の価格帯に投入したプロ用インイヤーモニター。同社らしくドライバーはダイナミック型が1基。モニターライクでフラットな音色を基軸に、力感とスピードがある低域表現を実現する。独自の同軸コネクターを採用したケーブルは着脱可能。ゼンハイザーらしい音を気軽に楽しめる秀作だ。(土方)
第3位:ゼロオーディオ ZIRCO NERO
オープン価格(実勢価格1万3,500円前後)
共振周波数の高いジルコニアにアルミニウムも組み合わせた流線型のハウジングが特徴的なモデル。着脱可能なMMCXコネクターを採用し、伝送ロスが少ないOFC(無酸素銅)左右独立型パラレルケーブルを奢っている。張りのある、明瞭度のきわめて高いサウンドが持ち味。全帯域に渡ってレスポンスがよく、良質な響きがスムーズに空間に拡がる。(藤原)
第5位:AKG N25
オープン価格(実勢価格1万2,000円前後)
AKGのイヤホンで初めてデュアル・ダイナミック・ドライバーを搭載したモデル。高音域用と低音域用、別々のドライバーを用いることでワイドレンジかつ情報量のある音を実現している。独自のアングルド・イヤチップ構造は優れた装着感を生み、リモコンも付属するなどコストパフォーマンスは高い。(土方)
第5位:ラディウス HP-NX-100
オープン価格(実勢価格1万9,980円前後)
独自のRAF(リアエアーフローシステム)構造ドライバーで背圧を正確にコントロールするチャンバーが、高い制動能力を実現している。これにより、信号に対するレスポンス向上と、余分な残響が少ないトランジェントに優れた再生音を実現しているという。微小信号の描写力の高さはクラス随一という印象。(小原)
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