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『天間荘の三姉妹』のこころ震える音楽は、北村龍平監督と松本晃彦さんという盟友だからこそ生まれた成果だ。玉置浩二さんと絢香さんとの主題歌作りの驚きの顛末も!(後)
--『天間荘の三姉妹』の音楽について、北村龍平監督と松本晃彦さんにお話をうかがう企画の後編です。今回はサントラCDをお聞きいただきながら、劇中の音楽についてのお話をうかがいたいと思います。
※前編はこちら →
久保田 前編は玉置浩二さんと絢香さんが歌った主題歌について、相当に深いお話を聞かせていただきました。ここからは劇中の音楽についてお願いします。今回、北村監督から松本さんに音楽のイメージについての相談はあったんでしょうか?
松本晃彦さんが紡ぎ出す、美しい室内管弦楽。映画に寄り添った珠玉のサウンドトラックCD
「天間荘の三姉妹」オリジナルサウンドトラック ¥3,300(税込、COC...
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『天間荘の三姉妹』のこころ震える音楽は、北村龍平監督と松本晃彦さんという盟友だからこそ生まれた成果だ。玉置浩二さんと絢香さんとの主題歌作りの驚きの顛末も!(前)
「ようこそ天間荘へ。はじめまして。わたしがあなたのお姉ちゃんよ」 主人公のたまえ(のん)は、こうして地上と天界のはざまにある天間荘で、姉ののぞみ(大島優子)とかなえ(門脇麦)に出会い、世にも不思議な体験をする。
映画『天間荘の三姉妹』は、現在アメリカで活躍する北村龍平監督が『ルパン三世』以来ひさしぶりに日本に帰って発表したエモーショナルなファンタジー・ドラマだ(現在公開中)。StereoSound ONLINEでは北村監督と音楽を担当した松本晃彦氏を試聴室にお迎えして、映画の表裏を彩る旋律について、その工夫と狙いに的を絞ってお話を訊いた。
当代最高のヴォーカリストである玉置浩二と絢香のこ...
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【コレミヨ映画館vol.88】『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』マーベル映画のひとつの句読点。前作の続篇というより、あらたな旅立ちの詩
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第87回をお送りします。今回取り上げるのは、MCUのフェーズ4の終幕を飾る『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』。その壮大な世界観をぜひ、大スクリーンでご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』
11月11日(金) 映画館にて公開
『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』で、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のフェーズ4(第4期)は幕を閉じた。...
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【コレミヨ映画館vol.87】 『警官の血』 韓国ノワールと佐々木譲の人気小説が手を結ぶ。新人刑事が潜入捜査の闇の奥で見たものとは?
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第87回をお送りします。今回取り上げるのは、3代におよぶ警察一家の行く末を描いた『警官の血』。白と黒の間で生きる彼らの姿を、とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『警官の血』
10月28日(金)新宿バルト9ほか全国公開
祖父、父、そして息子。親子3人の警察官一家の運命を描いた佐々木譲の長篇小説に材をとった一篇。
本邦では2009年に江口洋介、吉岡秀隆、伊藤英明の主演で2夜連続のテレビムービーとして扱...
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【コレミヨ映画館vol.86】『クリエイション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~』マイ・ブラッディ・ヴァレンタインなどの個性派バンドを生んだ英国レーベルの盛衰記
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第86回をお送りします。今回取り上げるのは、同世代の青春を振り返ること必至(?)の『クリエイション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~』。当時のご自身を思い出しながら観ると、より一層作品の世界に没入できるかも? とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『クリエイション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~』
10月21日(金)、新宿シネマカリテほか全国ロードショー
いきなりプライ...
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話題作『エルヴィス』の4Kパッケージが登場。実在感のある映像と、大ホールに響き渡る彼の歌声が存分に味わえ、まさに、当時の高揚を感じられる一枚
1997年、トム・ハンクス演じる悪徳マネージャーのトム・パーカー大佐が、40年以上前に初めて新人歌手のエルヴィス・プレスリーという青年に出会った日のことを回想している。プレスリーは20年前に亡くなり、老いた彼の死も近い。しかしでっぷりと太った大佐が原石の青年プレスリーを見つけたころは空は晴れ渡り、アメリカという国も若く希望に満ちていた。
たとえそれが将来波乱に満ちたものであるとしても。こうして映画『エルヴィス』は幕をあける。
演出は『ムーラン・ルージュ』『華麗なるギャッツビー』のバズ・ラーマン。これまでもグラマラスな手際に定評があった監督だが、エルヴィス・プレスリーの人生とロックン・ロー...
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もう戻らない「自由都市・香港」に、ジョニー・トー、サモ・ハンら七人の巨匠たちが思いを馳せるオムニバス『七人樂隊』【先取りシネマ 第23回】
香港の若い芸術家たちを通して見える“自由を手に入れるための死闘”
伴奏は兄が弾くピアノだけ。アコースティック・ギターを手にちいさなクラブのステージに立ったデニス・ホーは、「自由な香港を取り戻そうとしている若者たちに今夜の歌を捧げます」と前置きをして、清冽な声で歌いだす。
『デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング』(2020年)は、1977年香港に生まれ、カナダのモントリオールへ移住後も歌手のアニタ・ムイに憧れ、大学卒業のあと香港へ戻り活動を始めたポップス・シンガー、デニス・ホーの姿を追ったドキュメンタリー・フィルムだ。
思慕したアニタ・ムイが2003年に子宮頸がんで死去したあとも活動をつづ...
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【コレミヨ映画館vol.85】『秘密の森の、その向こう』森のなかでいつしか時を越え、幼い母親に出会う少女。『燃ゆる女の肖像』のシアマ監督が奏でる赦しと愛の詩
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第85回をお送りします。今回取り上げるのは、セリーヌ・シアマ監督の『秘密の森の、その向こう』。タイトルの通り、森を抜けると……未知の世界が広がるという趣向。少女・ネリーとともに、その世界をとくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『秘密の森の、その向こう』
9月23日(金・祝)ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ他 全国順次ロードショー
不思議な感触の映画だ。わずか70分ほどの掌...
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【コレミヨ映画館vol.84】 『川っぺりムコリッタ』 友だちでもない。家族でもない。でも孤独ではない。川面近くのアパートでくり広げられるペーソスあふれる物語
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第84回をお送りします。今回取り上げるのは、かつての下町を思い出すようなゆったりとした時間の流れを感じる『川っぺりムコリッタ』。荻上直子監督がひと癖ある登場人物たちをどのように料理したのか、とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『川っぺりムコリッタ』
9月16日(金)全国ロードショー
男や女、子どもたちがアパートの一室でテーブルを囲んでいる。みんなカネはない。けれども今日は豪華な宴。息子を連れて墓石...
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【コレミヨ映画館vol.83】『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』42分間の未公開映像、4Kリマスター、ワイドスクリーンに立体音響。スタローンの手で重層的によみがえった人気作品!
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第83回をお送りします。今回取り上げるのは、スタローンが自らの手でリクリエイトした『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』。あの作品がどのように生まれ変わったのか!? とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』
8月19日(金) 全国ロードショー
わが国では1986年の6月に公開された『ロッキー4/炎の友情』は、『ランボー/怒りの脱出』や『オーバー・ザ・トップ』、...
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『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』で、ついに約30年の歴史に幕。『パーク』ファンも胸熱の新旧オールキャスト大集合!【先取りシネマ 第22回】
冒頭から登場の“アイツ”に興奮を隠しきれない!
映画のオープニング。荒天のベーリング海で魚を収めた檻をドヒャアと飲み込むモササウルスが登場する。
おお、お前、元気にしていたか。またでかくなったんじゃないか、と声をかけたくなる定番の名場面。本当は『ジュラシック・パークIII』(2001年)で登場する予定だった水棲爬虫類のチャンピオンだ。製作総指揮のスティーヴン・スピルバーグらがもっとデカく、もっと強く、と注文をつけて喜んだ白亜紀後期のジョーズの親玉だが、そのときは登場させる余白がなく、映画デビューは14年ぶりのシリーズ再開作となった『ジュラシック・ワールド』(2015年)になった。
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