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【麻倉怜士のCES2020レポート17】「8K」や「AIoT」への取り組みを進めるシャープ。その詳細を、取締役 副社長執行役員 ICTグループ長の石田佳久さんが語る
昨年に続いてCES出展を果たしたシャープ。昨年同様に「8K+5GエコシステムとAIoTで世界を変える」というビジョンの下、「8K+5G」や「AIoT」に関連した様々な展示を行なった。ここでは昨年からさらに具体化が進んだ同社の取り組みについて、シャープ株式会社 取締役 副社長執行役員 ICTグループ長の石田佳久さんにお話をうかがっている。(編集部)
麻倉 今日はよろしくお願いいたします。CES2020のプレスカンファレンスも拝見しましたが、今回はリアライズというか、これまで示されていた計画図が具体化してきたように感じています。
石田 プレスの皆さんからは、ここ数年ずっと同じ事を言われていま...
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【麻倉怜士のCES2020レポート16】日本メーカーは、アメリカや中国でどのようにテレビを売っているのだろう? ソニーの世界販売戦略を、ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ株式会社の川村 基さんが語る
日本のテレビメーカーは世界でどのようにテレビを売っているのだろうか。ソニーを例に取り、検証する。まず昨年のIFAでソニー・ヨーロッパでテレビマーケティングを担当する上杉孝仁VP(バイス・プレジデント)に、ヨーロッパでの売り方を解説してもらった。今回のCESでは、中国、アメリカ、そして日本での売り方を、川村 基氏(かわむら もとい、ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ株式会社 TV事業本部 マーケティング部門 マーケティング企画部 担当部長)に訊いた。(編集部)
麻倉 まず、中国です。
川村 市場の特徴としてはオンラインでの販売の比率が高く、中国ブランドが大勢います。ただし、...
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新4K8K衛星放送の視聴可能機器の普及台数が300万台を突破。4Kチューナー内蔵テレビが増え、4Kレコーダーも堅調。「五輪までに500万台を実現したい」(A-PAB 福田理事長)
一般社団法人 放送サービス高度化推進協会(以下、A-PAB)は1月24日、都内で会見を開き、昨年末現在の新4K8K衛星放送の視聴可能機器台数の発表を行なった。
結果から先に書いてしまえば、前回12月20日の会見で予測した通り、見事300万台の大台を達成し、12月というボーナス商戦の後押しもあり、313万台という数値を記録した、とのことだった。
冒頭、挨拶に立った同会 理事長の福田氏は、「前回の見込み通り、300万台を達成することができました。この勢いを保ったまま、夏に行なわれる一大スポーツイベントまでに、次の目標でもある500万台の普及を実現させたい」と意欲を語った。
機器台数 集計値の...
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最大48Gbpsの8K/HDR信号を伝送可能。エイム電子が、8K時代でも安心のHDMI 新世代モデル「レーザーケーブルⅢ」を発売
エイム電子では、8K解像度のHDMI最高スペック48Gbps伝送に対応したアクティブ・オプティカル・ケーブル「レーザーケーブルⅢ」(LS3)シリーズ を3月26日から発売する。それぞれの型番と価格は以下の通りだ。
●レーザーケーブルIII
LS3-015 長さ1.5m ¥160,000(税別)
LS3-03 長さ3m ¥170,000(税別)
LS3-10 長さ10m ¥190,000(税別)
LS3-12 長さ12m ¥200,000(税別)
LS3-15 長さ15m ¥210,000(税別)
LS3-20 長さ20m ¥230,000(税別)
LS3-30 長さ30m ¥260,00...
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【麻倉怜士のCES2020レポート15】8Kはオリンピックまでに出します。もちろん8Kチューナー内蔵で! ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ社長の高木一郎さんに聞く
「CES2020」ソニーブースで話題を集めたのは、モビリティ・コンセプトカーの「VISION-S(ビジョン エス)」だった。車における安心・安全や快適さ、エンタテインメントなどを追求する取り組みを具現化したもので、ソニーのイメージング・センシング技術やAI、クラウド技術が凝縮されている。さらにVISION-Sには、没入感のある立体音場を実現する「360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)」も搭載されている。その360 Reality Audioを始めとするソニーのオーディオビジュアルの取り組みについて、麻倉さんがソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダ...
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【麻倉怜士のCES2020レポート08】HDMI ForumとHDMI Licensing Administrator が、HDMI2.1の認証プログラムを解禁。8K伝送の実用化への道がさらに進んだ
ラスベガス・コンベンションセンターSホール1階にあるHDMIブースは、HDMI2.1製品、ケーブル、システムが主役。ようやく、実現の運びが見えたHDMI2.1の現状を探ろうと、多くの来場者で溢れていた。
HDMI ForumとHDMI Licensing Administratorは、1月7日のプレスカンファレンスで、HDMI 2.1用のHDMIケーブルの認証プログラムを発表。これにて、8K伝送の実用化への道がさらに進んだ。
認証の内容は以下の通り。4K/120p、8K/60pのスムーズな伝送、最大伝送速度48Gbps対応、HDRのダイナミック・メタデータ、VRR(Variable Re...
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【麻倉怜士のCES2020レポート01】世界最大級の国際家電見本市「CES2020」開幕まで2日。まずは今年の技術トレンドから紹介しておこう
「CES2020」の開幕を2日後に控えた1月4日(現地時間)、ラスベガスのマンダリンベイホテルでは、今年の技術トレンドを解説する「CES 2020 Trends to Watch Presentation」と、ベンチャーの新製品・新技術の祭典「CES Unveiled Las Vegas」のプレスイベントが賑々しく開かれ、CES本番への期待をいやが上にも高めた。
明日の5日はLGエレクトロニクスやTCL、ハイセンス、ソニーなどの大手の記者会見が目白押し。HDMI 2.1の正式発表、サムスンエレクトロニクスの「ベゼルレス8Kテレビ」、LGエレクトロニクスの「リアル8K」「天井収納の有機EL...
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貴重なクラシックの名演奏・名舞台が8K放送で蘇る。NHK『8Kスペシャル「いまよみがえる伝説の名演奏・名舞台』は必見! 12月21日〜22日の、麻倉さんの解説特番もお見逃しなく
1月のNHK 8K放送は、「1月は8Kで復活!あなたも歴史の目撃者」と題して過去の貴重なアーカイブが8Kでどのように蘇ったかを特集する。
なかでもStereoSound ONLINE読者諸氏必見が、2020年1月5日(日)から毎週日曜21:00に放送される、『8Kスペシャル「いまよみがえる伝説の名演奏・名舞台』だ。
ドイツ大手プロダクションのアーカイブに-4度の環境で冷凍保管されていた35mmフィルムには、カラヤン、バーンスタイン、ベーム、クライバーなど、20世紀の巨匠たちの名演奏がマスター・ネガとして収録されていた。
今回NHKではそれらの貴重なフィルムを独自に8Kの超高精細映像と22...
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A-PAB、新4K8K衛星放送の視聴可能機器の台数を「270万台」と発表。4Kレコーダーの販売が普及を後押し。2020年夏までに「500万台を目指したい」
一般社団法人 放送サービス高度化推進協会(以下、A-PAB)は12月20日、都内で会見を開き、新4K8K衛星放送の開始から一年が経った現在(2019年11月末現在)の対応機器の普及台数を公表した。
冒頭、挨拶に立った同会 理事長の福田俊男氏は、この一年の普及状況を振り返り、「下期に入って各社から多数の対応製品が発売されたことで、普及も順調に進んだ」と、コメント。今月のボーナス商戦や、いよいよ来年に迫った大型スポーツイベントの開催を鑑みて、「より一層の普及促進に努めたい」と抱負を口にしていた。
続いて同会 理事の木村政孝氏より、11月末現在の普及台数の発表が行なわれた。
今回のキモは、4K...
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【麻倉怜士のMIPCOM2019報告:11】スマホ対象の8K配信。8Kアプリで直接、プロダクションがユーザーにコンテンツを届ける
5Gを待たずに、この11月7日からスマホを対象にした8K配信を始めたのが、フランスのプロダクション、The Explorersだ。
スマホ用の8Kアプリを開発し、放送局やアグリゲーター業者を通さずに、直接、プロダクションがユーザーにコンテンツを届ける。中抜きが進むネットだが、いよいよ中間業者排除が8Kでも現実になってきた。いや、8Kだから、まずはネットから配信というのが、もっとも現実的なのだ。
11月7日に新アプリ、The Explorersをリリース。これまでの無料版は、4Kまでの解像度だが、新アプリは8Kまで対応。有料になり、国(17ヵ国が対象)によって違うが、毎月2〜3ドル。日本は...
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【麻倉怜士のMIPCOM2019報告:10】世界では5Gスマホが8K視聴の鍵になる。8K配信の最前線
8Kの新しいポイントが配信だ。世界で8K放送は日本だけだが、世界では5Gスマホが8K視聴の鍵になりそうだ。
フランス・テレビジョンは、この5月にフランス・オープン「ローラン・ギャロス」の全試合の5G・8K中継を行なった。シャープの8Kカメラで撮影した8Kのベースバンド信号を、NECのエンコーダーで85MbpsのHEVC信号に変え、アメリカのHarmonic社(NASAの4Kライブを手掛ける)がストリームに変換、ノキアが5Gで電波を飛ばし、OPPOの5Gスマホが受信、HDMI 4K×4本のアダプターで変換し、シャープの8Kモニターに入力した。
プロセスの準備に2ヵ月、システムのセットアップ...
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【麻倉怜士のMIPCOM2019報告:09】単なる記録ではない、明確に「旅へと誘う」目的がある8K。トラベルXPの挑戦
インドの旅行映像専門のトラベルXPが遂に8Kに進出。
1986年にケーブルオペレーターとして創業したインドのトラベルXP社は、ムンバイに本拠地を置く「旅チャンネル」。2011年2月、インドでの最初の全時間HD放送チャンネルとしてスタートしている。
トラベルXPの8K映像は面白い。単なる記録ではない、明確に「旅へと誘う」目的がある8Kだ。彩度が高く、木々の緑はいかにも記憶色の目にも鮮やかな緑。青空はどこまでも紺碧で、それを映す海も緑を帯びた青。つまり「色」で旅に誘うのである。(写真撮影:麻倉怜士)