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【コレミヨ映画館vol.85】『秘密の森の、その向こう』森のなかでいつしか時を越え、幼い母親に出会う少女。『燃ゆる女の肖像』のシアマ監督が奏でる赦しと愛の詩
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第85回をお送りします。今回取り上げるのは、セリーヌ・シアマ監督の『秘密の森の、その向こう』。タイトルの通り、森を抜けると……未知の世界が広がるという趣向。少女・ネリーとともに、その世界をとくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『秘密の森の、その向こう』
9月23日(金・祝)ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ他 全国順次ロードショー
不思議な感触の映画だ。わずか70分ほどの掌...
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フルリニューアルを果たした季刊HiVi2022年秋号は9月15日発売
お待たせしました。オーディオビジュアル専門誌「HiVi」が季刊誌としてフルリニューアルを果たします! 新生HiViでは「HiViでしか読めない記事づくり」に徹底的にこだわり、新しい発想で充実した誌面をお届けします。1983年の創刊以来のテーマとして掲げてきた四大規範「大画面」「高画質」「高音質」「立体音響」を不変のものとしつつ、いまのオーディオビジュアル作品/コンポーネントから得られる歓びを追求してまいります。魅力あふれるオーディオビジュアル/オーディオコンポーネントを用いて、素晴らしいソフトウェアを楽しみ尽くすためのよきガイドとして、装いも新たにスタートを切ります。
「HiViが目指し...
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【コレミヨ映画館vol.84】 『川っぺりムコリッタ』 友だちでもない。家族でもない。でも孤独ではない。川面近くのアパートでくり広げられるペーソスあふれる物語
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第84回をお送りします。今回取り上げるのは、かつての下町を思い出すようなゆったりとした時間の流れを感じる『川っぺりムコリッタ』。荻上直子監督がひと癖ある登場人物たちをどのように料理したのか、とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『川っぺりムコリッタ』
9月16日(金)全国ロードショー
男や女、子どもたちがアパートの一室でテーブルを囲んでいる。みんなカネはない。けれども今日は豪華な宴。息子を連れて墓石...
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アフリカ・サバンナでの手に汗握る戦い。ユニバーサル・スタジオがおくる、スリル体験型サバイバルアクション『ビースト』
モンスターパニックの傑作『ジョーズ』、『ジュラシック・ワールド』でおなじみ、ユニバーサル・スタジオの最新作。それだけでド迫力は保証されたも同然だろう。観る者にしっかり恐怖や不安をもたらすなかに、豊かなストーリー展開があり、選りすぐりの俳優たちがアクションも交えながら快演する。しかも舞台はアフリカの広大なサバンナなのだ。そんないわくつきの作品『ビースト』が、この9月9日から全国公開される。
監督はバルタザール・コルマウクル、主人公ネイト・ダニエルズ医師にはイドリス・エルバ(『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』等)が扮する。撮影は南アフリカのリンポポ州、北ケープ州のケープタウンで敢行された...
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フランスの名優、ジャン=ポール・ベルモンドの死去から1年。「ベルモンド傑作選」の第3弾が、9月2日からスタート
昨年9月6日の死去から、はや1年。フランスの名優、ジャン=ポール・ベルモンドの特集シリーズが今年も行なわれる。題して「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選3」、9月2日より東京・新宿武蔵野館からスタートする。
今回のラインナップは、次の通り。
『華麗なる大泥棒』
アンリ・ヴェルヌイユ監督の1971年作品。国内未ソフト化(フランス語完全版)、HDリマスター版による51年ぶりの劇場公開
『ラ・スクムーン』
ジョゼ・ジョヴァンニ監督の1972年作品。未ブルーレイ化、HDリマスター版による49年ぶりの劇場公開
『勝負(かた)をつけろ』
ジャン・ベッケル監督の1961年作品。未DVD&ブルーレイ化、H...
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ウォン・カーウァイ監督の珠玉5作品が4Kで蘇る。マギー・チャンの美を永遠に封じ込めた『花様年華』の素晴らしさに新ためて感動【映画スターに恋して:第24回】
ファン垂涎! ウォン・カーウァイ5作品を4Kで堪能しよう
香港の名匠ウォン・カーウァイ監督が、急進する映像技術を反映し、過去作を自身の手によって4Kレストアで鮮明に蘇らせた『恋する惑星』(94年)、『天使の涙』(95年)、『ブエノスアイレス』(97年)、『花様年華』(00年)、『2046』(04年)の5作品が、全国で順次公開されている。
いま観ても心躍る珠玉作の数々だが、とりわけ製作20周年を記念して、このプロジェクトのきっかけとなった『花様年華』の美しさには、見惚れるばかり。そして、その究極の“耽美”を体現しているマギー・チャンの素晴らしさに、あらためて感動した。
アイドル女優だったマ...
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視覚を失った女性がその先に感じたものとは? 途方もなく現代感覚にあふれるサスペンス作品『シーフォーミー』
こういうアプローチがあるのか、と、唸らされた。「こういう」とは即ち、ストーリー、キャラクター設定、カメラワーク、音響、過去←→現在←→未来の交差などを示す。タイトルに出てくる“シーフォーミー”とは、視覚障がい者サポートアプリのこと。ほか、「FPSゲームの現実化」というしかない場面もたっぷり含まれる。
アグレッシヴな展開が多いにしても、鑑賞後、「現代の映画を観た」というすがすがしい気持ちになった。セリフも興味深く、「googlin’」(ググる、という感じか)という英単語があることを筆者はここで初めて知った。
主人公のソフィはオリンピック出場の夢を持っていたスキーヤー。だが、志なかばで視力を...
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アジア映画のイメージを一新した珠玉の5作が、鬼才監督みずからの監修で4Kレストア化
才人監督みずから、往年の名作に新たな息吹を注ぎ込む。当時を知らないひとはあまりにもスタイリッシュな画面展開に感銘を受け、当時を知る人は彼の先見性を改めて思い知ることになるだろう。
ウォン・カーウァイ監督の5作品が、4Kレストアで蘇る。ラインナップは『恋する惑星』(1994年)、『天使の涙』(1995年)、『ブエノスアイレス』(1997年)、『花様年華』(2000年 第53回カンヌ国際映画祭にてトニー・レオンが主演男優賞を受賞)、『2046』(2004年)。
新たな上映素材について、監督は「『恋する惑星』と『花様年華』は私のお気に入りのアスペクト比1.66:1で撮影され劇場公開されましたが...
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【コレミヨ映画館vol.83】『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』42分間の未公開映像、4Kリマスター、ワイドスクリーンに立体音響。スタローンの手で重層的によみがえった人気作品!
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第83回をお送りします。今回取り上げるのは、スタローンが自らの手でリクリエイトした『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』。あの作品がどのように生まれ変わったのか!? とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』
8月19日(金) 全国ロードショー
わが国では1986年の6月に公開された『ロッキー4/炎の友情』は、『ランボー/怒りの脱出』や『オーバー・ザ・トップ』、...