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ニューヨークとタイのロケをふんだんに盛り込んだ、ウォン・カーウァイ・プロデュース作品『プアン/友だちと呼ばせて』
英語タイトルは『One For The Road』。私は反射的にアメリカのポピュラー・ソング「One For My Baby (and One More For The Road)」を思い出す。恋人に振られた人物がバーテンに事の顛末をグチり、帰る前に“もう一杯”と酒をおかわりする歌だ。男性ではフランク・シナトラ、女性ではビリー・ホリデイの解釈に定評がある。
この映画『プアン/友だちと呼ばせて』は、実にスリリングな作品『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』で監督を務めたバズ・プーンピリヤ監督の最新作(脚本も担当)。そしてプロデューサーとして名匠ウォン・カーウァイが参加している。バズの才能に...
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『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』で、ついに約30年の歴史に幕。『パーク』ファンも胸熱の新旧オールキャスト大集合!【先取りシネマ 第22回】
冒頭から登場の“アイツ”に興奮を隠しきれない!
映画のオープニング。荒天のベーリング海で魚を収めた檻をドヒャアと飲み込むモササウルスが登場する。
おお、お前、元気にしていたか。またでかくなったんじゃないか、と声をかけたくなる定番の名場面。本当は『ジュラシック・パークIII』(2001年)で登場する予定だった水棲爬虫類のチャンピオンだ。製作総指揮のスティーヴン・スピルバーグらがもっとデカく、もっと強く、と注文をつけて喜んだ白亜紀後期のジョーズの親玉だが、そのときは登場させる余白がなく、映画デビューは14年ぶりのシリーズ再開作となった『ジュラシック・ワールド』(2015年)になった。
文字通...
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【コレミヨ映画館vol.81】『C.R.A.Z.Y.』「僕には僕の人生がある。父には父の。母には母の。名曲と共に描かれる家族の姿」
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第81回をお送りします。今回取り上げるのは、人それぞれにある生き方を描いた『C.R.A.Z.Y.』。幾分ダサくても、かつての青春を思い出す心に強い印象を残す一作に仕上がったという。とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『C.R.A.Z.Y.』
7月29日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷他にてロードショー
20キロ以上の減量をしてエイズ患者を熱演。マシュー・マコノヒーとジャレッ...
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コロナ禍でクローズアップされた夫婦間の秘め事は果たして解消されるのか? 『夜明けの夫婦』の山内ケンジ監督にインタビュー
題して、“純粋社会派深刻喜劇”。
子供を作りたいのか作りたくないのか、作れないのか作らないのか。浮気は隠しきれるものなのか。実子の配偶者に好意を抱いてはいけないのか。コロナによって自宅待機の時間が増えたとはいえ、それによってセックスの回数まで増えていくものなのか――。
とある老夫婦と息子夫婦の二世帯住宅の家庭で起こる、きわめてセンシティブかつ身につまされる事象の数々に焦点を当てた映画『夜明けの夫婦』が、7月22日(金)から東京・新宿ピカデリー、ポレポレ東中野、下北沢トリウッドほかで公開される。
ある程度の歳月を生きてきた者にとっては、深くうなずいたり、ついクスッと噴出さずにはいられない問...
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【コレミヨ映画館vol.80】『アウシュヴィッツのチャンピオン』鈍色の世界で希望を失わなかった男。アウシュヴィッツ強制収容所を生き抜いたボクサーの実話の映画化
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第80回をお送りします。今回取り上げるのは、アウシュヴィッツでの実話を基にしたヒューマン作『アウシュヴィッツのチャンピオン』。希望の象徴として生き抜いた彼の姿をとくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『アウシュヴィッツのチャンピオン』
7月22日(金)より、新宿武蔵野館、HTC渋谷 ほか全国順次公開
「お前らは敵だ。ここを出ていきたければ火葬場の煙になるしかない。女房や子ども、家族のことはすべて忘れろ...
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90分間ワンショット。ロンドンの人気レストランで繰り広げられる多彩な人間模様を描く『ボイリング・ポイント/沸騰』
90分間の全編ワンショット、編集もCGの使用も一切なし。実にスリリングな一作が7月15日から東京・ヒューマントラスト有楽町、新宿武蔵野館ほかで公開される『ボイリング・ポイント/沸騰』だ。
「いちど始まったら止まらない」という点では、いわゆる舞台でのパフォーマンスに通じるものがあるが、舞台の場合、自分の目で見るところを変えることができるのに対し、この映画はカメラが、演者との距離も含めたうえでの「目がわり」となる。
撮影はロンドンに実在するレストランで行なわれたという。スティーヴン・グレアムが演じる主人公アンディは、さえない毎日を送るオーナーシェフ。妻子とも別居中、店に対する衛生管理検査の評...
執筆陣
【コレミヨ映画館vol.79】『バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー』 アッセンブル! フランス版『シティハンター』のチームが再集結したアメコミ・ヒーロー映画
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第79回をお送りします。今回取り上げるのは、フランス発のパロディの快作『バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー』。終始爆笑必至の注目作。とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー』
7月15日(金)より、全国ロードショー
古くはルイ・ド・フュネスが怪盗とドタバタをくり広げる『ファントマ 電光石火』や、クロード・ジディ監督とダニエル・オートゥイユがコンビを組んだ青春...
執筆陣
【コレミヨ映画館vol.78】『X エックス』 その農場には史上最高齢の殺人夫婦が住んでいた! 70年代ホラーのタチの悪さが楽しい爆裂篇
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第78回をお送りします。今回取り上げるのは、往年の雰囲気が感じられるというホラー作『X エックス』。とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『X エックス』
7月8日(金)公開
2016年度のアカデミー作品賞、助演男優賞、脚色賞に輝いた『ムーンライト』を筆頭に、『ルーム』『20センチュリー・ウーマン』『WAVES/ウェイブス』『ウィッチ』『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』など、多くの秀作を配給、と...