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岡本祟監督の初長編作『ディスコーズハイ』が待望の公開。「音楽に対する情熱を感じてほしい」
日本芸術センター第13回映像グランプリにて発掘賞、神戸インディペンデント映画祭 2021 にて奨励賞を受賞。「音楽がど真ん中にある映画」、『ディスコーズハイ』がいよいよ7月8日(金)からアップリンク吉祥寺で公開される。
タイトルの『ディスコーズハイ』は、ディスコード(discord:不協和音)とランナーズハイを混ぜた造語。主人公の瓶子撫子(へいし・なでこ)は音楽事務所ヤードバーズにコネ入社し、バンド「カサノシタ」を担当。しかし鳴かず飛ばずの状態が続き、「P-90」をはじめとする人気バンドを次々と輩出する同僚の別久 花(べつく・はな)とは雲泥の差。カサノシタの次回作の予算もロクに下りず、自...
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“王子様系”だったカン・ドンウォンが世界レベルの演技派に! 是枝裕和監督『ベイビー・ブローカー』でも余韻が残る好演を見せる【映画スターに恋して:第23回】
カンヌ国際映画祭のコンペティション部門でも話題になった“日韓のコラボ作”
第75回カンヌ国際映画祭で、主演の韓国俳優ソン・ガンホが最優秀主演男優賞を受賞して話題を集めた『ベイビー・ブローカー』。監督は、『万引き家族』(18年)で同映画祭のパルムドール賞を獲得している是枝裕和だ。そこには、“日・韓の素敵なコラボレーション”への称賛もたっぷり含まれている。
“赤ちゃんポスト”に預けられた赤ん坊を盗んで売る“ベイビー・ブローカー”を演じるソン・ガンホとカン・ドンウォンは、ヤバい稼業に手を染めているのに、お人好しオーラが漏れてしまうのが微笑ましい。そんな彼らの前に赤ん坊の母親が現れ、結局、3人は...
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生前のロメロ監督みずからのリマスターによって、ホラー/ゾンビ映画の傑作『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』が復活!
ジョージ・A・ロメロ監督の古典的一作『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』が4Kリマスター版として6月17日からシネマート新宿、立川シネマシティほか全国順次公開される。
父親の墓参りに行くために車を飛ばしていた兄と妹。その兄が“リビングデッド”(いわゆるゾンビ)に襲われて絶命する。妹は命からがら近くの家に逃げ込んだ。つづいてアフリカ系アメリカ人の男・ベンもどこからか逃げてきた。空き家なのかと思っていたら、1階の騒ぎを聞きつけて、“どうしたんだ?”とばかりに、若い男女、“ミスター・クーパー”と呼ばれる男とその妻が階段をのぼってくる。地下では大怪我をしている娘が虫の息だ。
人間模様うずまく密室...
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「ガンダムはヒーローなんだ」。リアルさとヒーロー性を両立したCG作画の誕生の秘密に迫る。『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』 3D演出 森田修平氏にインタビュー
来る6月3日。40年ぶりに「一年戦争当時のガンダム」が映像で甦る。しかも、題材はTVシリーズの隠れた名エピソードである「ククルス・ドアンの島」。とある島でアムロがジオンの脱走兵と出会う内容で、本筋と関わらない独立した話であるため劇場版三部作からは省略されてしまっていた。
しかし、戦時下に生きるリアルな人々を描いた物語は多くのファンの人気もあり、安彦良和監督によって劇場公開作として制作されることが決まった。
ドアンが乗る異形のザクのデザインなどにも注目が集まっているが、CG作画によって描かれるガンダムがどのように動くのかも楽しみなところだ。そこで、本作で3D演出を担当した森田修平さんに詳し...
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アカデミー賞3部門候補の『FLEE フリー』は、居場所を求め続ける難民男性の苦悩と解放を描く“大人のドキュメンタリーアニメ”【先取りシネマ 第21回】
その後の苦悩を感じさせない、カラフルでリズミカルな少年時代
題名は『FLEE フリー』。「FREE」(自由)ではない。逃げる、エスケープするのFLEE。ひとりの青年が自分の居場所を求めて、世界の外と内にある国境を乗り越え、やかておのれの居場所にたどり着くまでの物語だ。
デンマーク東部の街、コペンハーゲンのどこか。ベッドに寝た主人公のアミンは、友人であるヨナス・ポヘール・ラスムセン監督から質問を受けている。「できるだけ古い記憶を思い出してほしい。浮かび上がるのはどんなことだい?」
3歳か、4歳のころ。生まれ故郷のアフガニスタン、カブールの街。
「ぼくは姉の服を着るのが好きだった」
アーハの...
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世代を超えて集結した窃盗チームが、サッカー決勝戦に沸くスペインで、難攻不落の金庫破りに挑む! 『ウェイ・ダウン』公開へ
自分は昭和生まれだが、子供の頃は銀行関連の犯罪(強盗、金庫破りなど)のニュースが1年に何度も巷をにぎわせていた記憶がある。セキュリティの圧倒的な強化等によってそれは現実的には絶滅に近い形となって今に至るわけだが、映画の上ではいまも“現役”。技術の進化と共に窃盗のスケールは増す一方、銀行側と盗賊側の知性がせめぎあう、手に汗握る圧倒的エンターテイメントとして視聴者の前に差し出される。それは6月10日から全国公開される『ウェイ・ダウン』だ。
いきなり“どこまでも限りなく広がる海の情景”が観る者をヨーロッパにいざなう。沈没船から“財宝のヒント”に関する書類を引き上げてしまったイギリス人。だがその...
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【コレミヨ映画館vol.77】『トップガン マーヴェリック』 80年代といまをストレートにつないだ超絶のスカイ・アクション! これはまずは映画館の大画面で体験しよう
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第77回をお送りします。今回取り上げるのは、36年ぶりの続編となる『トップガン マーヴェリック』。伝説のパイロットが新世代のトップガンたちと繰り広げる驚異の空中映像に注目。とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『トップガン マーヴェリック』
2022年5月27日(金)公開
5月24日、神奈川・横浜港でプロデユーサーのジェリー・ブラッカイマーとジャパン・プレミアに出席し、プレスだけではなくファンとの交...
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ボブ・ディランの息子ジェイコブ・ディランが、過去と現在のアメリカ西海岸ロックをつなぐ『エコー・イン・ザ・キャニオン』
『ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック』(5月6日公開)と一緒に味わいたくなる。ボブ・ディランの息子でシンガーソングライターのジェイコブ・ディランを進行役に、1960年代ローレル・キャニオン周辺のフォーク・ロック・シーン、およびそれが現在の音楽会に及ぼした影響を、往年のフィルムや、現役ミュージシャンたちのレコーディング&ライヴ・セッションでたどってみようという気持ちのいい作品だ。
実演シーンでは、ジェイコブに加え、ベック、フィオナ・アップル、キャット・パワー、ノラ・ジョーンズ、重鎮のスティーブン・スティルス、エリック・クラプトンらがフィーチャーされる。またインタビューではデ...