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映画『太陽がいっぱい』の原作者であるパトリシアの作風、人となりに迫るドキュメンタリー映画『パトリシア・ハイスミスに恋して』
アラン・ドロン主演のヒット映画『太陽がいっぱい』は知っていたものの、その原作者であるパトリシア・ハイスミスについて考えたことはなかった。ゆえにこの作品は発見の連続だ。1950年代のニューヨーク(おそらくグリニッチ・ヴィレッジ地区だろう)が、いかに彼女の感性に刺激を与えたかもわかる。
パトリシア(1921~95)は、アメリカ・テキサス州に生まれた。トルーマン・カポーティに文才を認められ、数々の作品を発表、『太陽がいっぱい』や『見知らぬ乗客』といった映画の原作になったものも少なくない。ほか、この映画では、彼女の代名詞的な長編「トム・リプリー・シリーズ」についての言及もたっぷりだ。また、偽名で...