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「恐ろしくスリリングな人物描写」と海外マスコミも称賛。『セッション』のサウンド・クリエイターが実体験をもとに放つ重厚な一作『ノーヴィス』
音(foley)の迫力がすごい。音楽(music)の選択にも耳を奪われる。かなり前衛的なストリングスの音楽と、ブレンダ・リーやコニー・フランシスら“ケネディ大統領暗殺前/ビートルズのアメリカ侵略前”に大人気を集めたシンガーの歌う甘美なアメリカン・ポップ・ソングがほぼ交互に現れてはストーリーにひんやりした感触を加える。主人公の顔は苦痛に歪み、自分も他人もどちらも責める。しかも、すさまじく過酷な練習ぶりでもある。ケガをしたら血が出ることもあるし、怒りがこみあげれば顔に赤みを増すのは人間として当たり前かもしれない。が、この映画の色合いは、しいていえば「薄い蒼」である。
主人公のアレックスは、「...
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気鋭監督・気鋭俳優による、新時代の会話劇『お祭りの日』。お祭りの日に、お祭りに行かない人たちの5つの物語
ふと、英国のロックバンド“レッド・ツェッペリン”のアルバム『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』を思い出した。この作品には6種類のジャケットがあって、それらはつまり「ひとつの風景」を同時に6つのアングルから撮ったものとなっている。6つの断面を合わせることで、「ほぼ360度となった一瞬」が立ち上がるというわけだ。
この映画で繰り広げられているのは、夏の終わりの一日における、5つの物語。自主映画のヒロインをオリジナリティあふれる表現で説得する監督(あの有名映画『シザーハンズ』をこんな風に口説き文句に使うとは!)、バスを待つ男たち、盗んだ打ち上げ花火を高台で打ち上げようとするヘビースモーカーの青年...
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『死霊のはらわた』の監督も称賛するフレンチ・ホラーの骨太傑作。撮影では本物のクモ200匹とVFXを融合! 『スパイダー/増殖』
フランス製ホラー・ムービー中でも特筆すべきヒットを記録している話題作が、ついに日本で公開されることになった。原題の『Vermines』は害虫という意味だそうだが、邦題はよりわかりやすく、「スパイダー=クモが出てくる内容」であることが示されている。この毒グモの性質があまりにも超絶的。観る前にどんな予想をしたとしても、それを軽く凌駕して迫ってくること間違いなしの、常識の通用しない生き物が描かれているのだ。ここでは「とにかく猛烈に繁殖して増大する」「殺そうとするとエライことに」とだけ述べておく。
「超強力な毒グモが人を襲う。しかもアパート内で」。集合住宅には、それこそさまざまな立場・さまざまな...
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復讐のために男が「生き返った」。チョ・ジヌン主演のクライム・サスペンス『DEADMAN 消された男』
鬼気迫る一作だ。ほんのはずみで「名義貸し」をすると、どういうことになるか……。その恐ろしさが描かれる。と書いても、いまひとつどこか遠い世界の話のように思える方もいらっしゃるかもしれないが、「連帯保証人」や「代理人」という言葉をそこに持ってくれば、我々もこの作品の主人公のような境遇になる可能性があるのだ、ということをも伝える韓国映画だ。
主人公のイ・マンジェは、「雇われ社長」。名義を貸しているだけで、実際の業務には関わることはない。そんな彼に「1000億ウォン横領」の嫌疑がかかり、収監されてしまう。が、この刑務所が「中国」にある「私設刑務所」であることが話を一筋縄ではいかなくする。もちろん...