執筆陣
シネマゴとトリウッドが組んで、次世代の日本映画の姿を提示。第1弾はこの3作。「終点なき映画たち Route:1」
新しい才能に出会いたくてうずうずしている毎日を送っている人は、会ったことがなくても私の同志だと思っている。そこで、この実に嬉しい企画「終点なき映画たち Route:1」のご紹介だ。2019年より「インディーズ映画の発射台」として注目必至の作品を公開し続けてきた映画配給レーベル“シネマゴ”と、数多くの映画作家の劇場デビュー作を上映してきた下北沢トリウッドのコラボである。今回連続公開されるのは、いずれ劣らぬ精鋭たちが才能を発揮した3作。いずれも、手ごたえたっぷりの力作だ。
5月9日(金)~5月29日(木)<5/16(金)~22(木)休映>に上映されるのは上田修生が制作・脚本・監督・編集を手掛...
執筆陣
無実の罪であった夫を殺された妻が、死神と「契約」。要注目の若手監督が放つ16㎜撮影作品『皆殺しに手を貸せ』
画面に適度にノイズが入り、出演者が着ている服の襟は大きく、音楽も実に「人力」な感じがして、まるで1970年代に制作された映画のようだなと思ったが、バリバリの新作である。そして内容はマカロニ・ウェスタン、スプラッター、ジャッロ、ブラックマジック、ファンタジー的な要素がたっぷり。情報量の多さにワクワクさせられ、「ここまでやってしまうのか」的なグロテスクなところも含めて、なんというか、制作側が忌憚なくやりたいことをやったという感じが伝わってくる。監督のオースティン・スネルは、フィルムコレクターであるともいう。撮影には、1960年代当時のカメラと16mmのコダックフィルムが用いられた。
物語の舞...