執筆陣
ディスクリート構成で無帰還増幅の半導体式フォノEQアンプ。 MCカートリッジで音場空間の深みが感じられる積極的な再生。 フェーズメーション EA320、T320
フェーズメーションほど、豊富なフォノイコライザー関連のラインナップを用意しているブランドはないのでは? ここで紹介するEA320は、厳選された半導体素子によるディスクリート回路構成が特徴の新製品。同じく半導体増幅で好評を博しているEA350の下位機種にあたる、やや小振りの筐体の注目機だ。いっぽう、T320はEA320にもマッチする単体の昇圧トランスフォーマー。最近の製品では非常に珍しく、トランス回路をバイパスできるスイッチが用意されている。
真空管増幅と半導体増幅の両方を手掛けるフェーズメーションは、無帰還増幅にこだわっている。それはTIM歪み、いわゆるトランジェント歪みから回避できる施...
執筆陣
トラジ氏によるアナログ再生分野の2作が登場。じわりと音楽の内面を聴かせるMCカートリッジと躍動感と3次元的定位を表す半導体式フォノEQ。ヴァルテレ「MYSTIC MC」/「PHONO1 MKⅡ」
ロンドンに拠点があるヴァルテレは元ROKSAN(ロクサン)創設者の一員だったトラジ・モグハダム氏が主宰している。
このMYSTIC MCは自社の高級ベルトドライブ式プレーヤーMG-1 PKGと組み合わせるべく開発したMCカートリッジだ。機械的な精度を訴求しているのは開発者の技術思想なのだろう。ボディはアルミ合金からの削り出しであり、ヘッドシェルとの機械的な結合を高めるべく3点ネジ留めに対応している。磁気回路は、サマリウム・コバルト磁石と純銅線のクロスコイルで形成される。針先は独自設計の楕円型であり、広帯域と0.5mVの高出力を得ている。
それと組み合わせるべきフォノイコライザーがPHON...
執筆陣
欧州でヒットする半導体式フォノEQが進化。高解像感で腰の据わった堂々たる音が聴ける オーロラサウンド VIDA MkⅡ
オーロラサウンドの製品は日本国内はもとより、海外(特に欧州方面)でも人気が高い。ここで紹介するヴィーダ・マーク2は、オーロラサウンドではエントリー機となるヴィーダ・プリマの上位機、型名にMkⅡが付くようにヴィーダの改良ヴァージョンだ。LCR型RIAAイコライザー回路はオリジナルを継承しながら、最上位モデルのヴィーダ・スープリームと同じ増幅回路を奢ることで、確かな音質向上を実現している。
LCR型イコライザーでは、スウェーデンのルンダール・トランスフォーマーズ社が製造する1.9Hと0.18Hのインダクタ(L=コイル)を左右独立で採用。これらはオーロラサウンドのロゴが印刷されたカスタムメイド...