執筆陣
【HiVi名作選】AVセンター ソニー「TA-DA3600ES」(HiVi2010年12月号)
オーディオやオーディオビジュアルの世界は日進月歩。次々に新しい技術やそれを搭載した新製品が登場し、入れ替わりも早い。だが同時にそれらは、常に時代の最先端を走っているモデル達でもあり、思い出に残る製品ともいえる。このシリーズでは、弊社出版物で紹介してきた名機や名作ソフトに関連した記事を振り返ってみたい。
久々の3000番台は設計を一新。段違いの再生能力を身につけた
「TA-DA3400ES」の後継機だが外見はほぼ同等。ただし型番が一挙に200番増えただけあって特徴的な変化がある。4
ポートのLAN端子を装備したスイッチングハブ機能を搭載しているのだ。これでネットワークオーディオ機器を直接接...
執筆陣
UESUGI TAP103 現代の映画音声にも美質を発揮する逸品
真空管アンプの音は映画の音となじみがいいのかどうか。それはホームシアター趣味の黎明期から問われてきたお題だ。録音機材やモニターアンプが真空管式であった時代の作品ならば、真空管アンプが上座を占めることに違和感は少ないだろう。しかし強烈な音がてんこもりの最新デジタル音声を、超広帯域の現代型スピーカーで再生するとなるとどうだろうか? “往年の名優の肉声感が上等”とか“しっとりつややかなトーンが最高!”だけでは不足だろう。
ではこのウエスギTAP103はどうだろうか。なにしろ300Bシングルのステレオアンプである。300Bは映画館のアンプ用に開発された古典名球の鑑のような存在だ。趣味のオーディオ...
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KT150プッシュプル・大出力ステレオパワーアンプ「Fascination 95」を聴く
意匠は光彩の魔術を思わせて周到に配置された立体造形の魅力を感じさせる。
大型モニタースピーカーの素性を露わにして最強音から微細な音までが高純度
現役オーディオ用ビーム管として最強クラスであるKT150ステレオパワーアンプ、出力は75W+75W。そうした仕様からは古典名機風、あるいは業務用機器風の大振りで構えた外観を想像したくなるけれど、これはいたって簡素な佇まいだ。
カソード電流監視メーターを各出力管に配置したり、固定バイアス用トリマーも測定器の端子のような外観であったりするわけで、見ようによっては音質評価用の試作機風でもある。
大手メーカーならば、ここからプロダクトデザインの力量を誇示...
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オーディオラボ パワーアンプ8300XP/8300MBレビュー/英国風のあか抜けた音楽志向、音像は濃密に立体定位する
英オーディオラボ8300モデルラインナップに
ステレオとモノーラルパワーアンプが追加
1980年代に登場した英国はaudiolab(オーディオラボ)8000シリーズは、比較的小型で簡素な外観、しかしあか抜けた意匠を与えられ、小粋なオーディオのある生活を提案して独自の存在感を放っていた。それが近年、設計者のJan Ertnerを迎えて新たに8300シリーズを発表して日本に再登場した次第。
ここではステレオとモノーラルのパワーアンプを試聴し、またペアとして好適のUSB DAC付きCDプレーヤー8300CDとも組み合わせてみた
まずはステレオパワーアンプの8300XP。表は明るいグレー塗装の一...
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高密度な音を奏でる、ELAC最新スピーカー「Vela FS409」
高純度にして高密度な音
映像システムにも好適な逸品
ELAC(エラック)のスピーカーというと蛇腹型振動板による「エアー・モーション・ドライブ方式」のJETトゥイーターが看板技術だ。軽量振動板を屏風のように折り曲げて大面積から放射。またピストンモーションを排した駆動原理から、抜群の過渡特性を誇っている逸物だ。CL310 JET以来の小型2ウェイ型式、つまり300LINEは今でも大人気だ。トゥイーターは目下JET Vにまで進化し、ウーファーもダイヤカット風のクリスタル・ラインが施された振動板を有したAS-XRコーンに代替わりして現行高級機ラインを形成している。
大型のFS=フロアスタンディン...
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『ボヘミアン・ラプソディ』特集③ 仏エリプソンの5.1chスピーカーに仰天<強烈な音圧で臨場感抜群>
フランスの老舗ブランドの5.1chスピーカーが新上陸
ロック系の音ならば英米系のスピーカーがお似合いだろうけれど、このエリプソンはフランスの老舗オーディオブランドだ。しかし輸入元が今回の企画にこのPrestige Facet(プレステージファセット、以下PF)シリーズを推奨してきたからには自信があるはずだ。実際に聴いてビックリであった。
エリプソンのPrestigeスピーカーは1975年以来と歴史は長い。それが2016年に最新の性能水準を与えた新モデル、PFシリーズを発表。今回は5.1 ch構成で視聴したが、サラウンド用とした小型のPF 8B、フロアー型のPF 24Fをそれぞれ2chステ...
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ダリ人気シリーズの後継機、オベロンシリーズ一挙登場
SPEAKER SYSTEM
DALI OBERON7
156,000円(ペア)+税
●型式:2ウェイ3スピーカー・バスレフ型 ●使用ユニット:29mmドーム型トゥイーター、180mmコーン型ウーファー×2 ●クロスオーバー周波数:2.3kHz ●出力音圧レベル:88.5dB/2.83V/m ●インピーダンス:6Ω ●再生周波数帯域:36Hz〜26kHz ●寸法/質量:W200×H1015×D340mm/14.8kg ●カラリング:ダークウォルナット(写真)、ブラックアッシュ、ライトオーク、ホワイト
DALI OBERON3
80,000円(ペア)+税
●型式:2ウェイ2スピーカー・バス...
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デノンのオーディオラインナップにエントリーモデル、 「800NEシリーズ」が登場!早速その実力を確認してみた 吉田伊織
800NE(New Era=新時代)シリーズは1600NEシリーズの“弟分”という位置付けだ。ただしCDプレーヤーDCD-800NEでは“エントリーグレードを越える”と自賛している。価格は抑えつつ、高音質を達成したという自負がうかがえるのだ。今回はネットワークオーディオプレーヤーDNP-800NEを加えて800NEシリーズの音質を確認してみた。
Denon
NETWORK PLAYER
DNP-800NE
¥60,000+税
●接続端子:デジタル音声入力1系統(USBタイプA)、アナログ音声出力2系統(RCA×2)、デジタル音声出力1系統(光)、LAN 1系統 他●対応サンプリング周波数...
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レビュー:エソテリック初のネットワークトランスポート「N-03T」サウンドはすこぶる高品位。聴覚の深奥を挑発する緻密な描写力を持つ
「N-03T」は機能が最先端。PCM384kHz/32bit、DSD11.2MHzをサポート
エソテリックのネットワーク機能を重視したモデルというと「N-01」というネットワークオーディオプレーヤーが最高級機として君臨している。35ビットD/Aプロセッシングという高品位志向だ。今回の「N-03T」はそうしたD/A変換機能を省略したネットワークトランスポーターだ。D/Aコンバーターを自由に組み合わせることができるわけで、エソテリックでは同社の「D-02X」や「D-05X」との組合せを推奨している。
ネットワーク部の対応フォーマットはPCM、及びDSDのロスレス、またMP3やAACなどの圧縮...
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パナソニックの4Kビエラ中堅モデル「TH-55FX750」が侮れない実力。質感の緻密さがかなりの高水準だ
パナソニックのIPS液晶パネルをバックライトエリア駆動する4Kモデルは複数ラインナップされている。高品位志向のとしては「EX850」シリーズ、普及価格帯として「EX750」シリーズが用意されていた。今回の新製品「TH-55FX750」はEX750より機能面で上位であり、画質についても「進化した」という。
新機軸は「転倒防止スタンド」仕様だ。これはスタンド部が吸着式で置台に吸い付くことで薄型の弱点である倒れやすさに配慮したもの。置台表面に平滑性があり敷物を介しないという条件ならけっこう強固な印象だ。
画質については"EX"シリーズより向上した点が多数挙げられている。まず「ヘキサクロマドライ...