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【麻倉怜士のCES2024レポート03】MQAの新展開が分かった! MQAとモバイル用のコーデックSCL-6、そしてBluOSが融合的に展開する
昨年春、MQAが破綻したというニュースが駆け巡り、私を含めてMQAファンは心配していたが、その一連の真相が分かった。エンコーディングや採用メーカーへのサービスは、その後も従来と同じく続けられ、そして今、新しい展開が明らかになった。
まず、事態は正確には「MQA社が売りに出された」――だ。投資していた会社が、非戦略部門をリストラする事態になり、MQA社がその対象になった。ファンドやCEメーカーなどの数社の買い手から、カナダのレンブロック社(The Lenbrook Group)が選ばれた。
同社はもともとはオーディオ関係の流通から出発し、その後、M&Aで成長。NAD Electronics...
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【麻倉怜士のCES2024レポート02】折り畳み式LEDディスプレイ、遂に登場! ウィーンの大型ディスプレイメーカーCSEEDが、137インチモデルを展示
オーストリアはウィーンの大型ディスプレイメーカー、CSEEDがセントラルホールで展示しているのが、4K LEDディスプレイだ。同社は165、137、103インチのLEDディスプレイを開発。CESでは137インチの製品が展示されていた。ブランドは「C SEED N1 TV」。
これが、とんでもないものであった。何と、折り畳めるのである。折り畳まれた形は、まるで彫刻か高級家具。畳んだ塊のオブジェクトが静かに展示されていたが、リモコンボタンを押すと立ち上がり、折り目から開き、137型の平面ディスプレイにダイナミックに拡がる! 60秒で高さ240cmまで上昇し、その後の25秒でLEDパネルが無音...
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TCL、CES 2024で世界最大の115インチのQD-Mini LEDテレビを初披露
TCL Electronicsは、CES 2024で複数のカテゴリにわたる革新的なテクノロジーを紹介しており、中でも注目は、世界最大のQD-Mini LED テレビになるだろう。その他、業界初のスマートコネクテッドモバイルデバイスエンターテイメントソリューションなど、先進的な製品を発表している。
会場では、115インチの「QM891G」を含む、世界最大のQD-Mini LED TVを初披露している。その「QM891G」は、2万以上のローカルディミングゾーンを持ち、ピーク輝度は5000 nitsを誇るという。
さらに、先進的なバックライトと処理技術、そして高ゾーンローカルディミングを採用し...
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DTSがCES 2024会場で、同社技術の新展開を発表。「DTS AutoStage」や「HD Radio」「DTS Play-Fi」など車載からリビングまで幅広いエンタテインメントが進化する
DTS,Inc.は現在開催中のCES 2024で、同社技術の新展開、進化点を紹介している。
まず、コネクテッドカーエンタテインメント技術「DTS AutoStage」と「HD Radio」がBMW、フォード、ハーレーダビッドソンなど、より多くのOEM車両モデルで採用されることが発表されている。さらに、会場では、DTS AutoStageプラットフォームに追加予定のゲーミングプロトタイプのデモも行われている。
DTS AutoStageは、ラジオやテレビなどの放送コンテンツとIP配信コンテンツをシームレスに組み合わせて提供する、コネクテッドカー向けのグローバルエンタテインメントプラットフォ...
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【麻倉怜士のCES2024レポート01】International CES 2024がいよいよスタート! 今年もAI、ディスプレイパネル、有機EL、などの面白そうなニュース、ストーリーを鋭意取材し、報告します!
世界最大クラスのテクノロジー見本市「CES 2024」がスタート。筆者は、1998年から、コロナの2年間を除き連続参加だ。今年も例年と同じく、現場を駆け回って、面白そうなニュース、ストーリーを鋭意取材し、報告しよう。
主催者の全米民生技術協会(ConsumerTechnology Association、CTA)によれば、今回の出展企業は3500社以上、来場者は昨年の11万5000人を上回る13万人以上という。もうコロナが終わり、マスク人はほとんどいない。
CTAは「AI」「モビリティー」「持続可能性」「安全保障」の4つをメインテーマとして挙げている。私はAI、ディスプレイパネル、有機E...
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TVS REGZAが、「新世代レグザテクノロジー」をCESで発表。シーンに応じて、視聴者がよりリアルに感じる映像を再現する新提案が盛り込まれた。ドルビーアトモスの5.1.2再生にも対応
TVS REGZAは、現在開催中の2024 International CESに昨年に続いてブースを出展、有機&液晶テレビのレグザシリーズ用に開発された高画質化技術「新世代レグザテクノロジー」を発表した。それに先駆けて日本のマスコミ向けに新技術の説明会が開催されたので、詳細をお届けする。
まず新世代レグザテクノロジーとは、“格段に広がったディスプレイの表現力を活かし、レグザエンジンZRαによる独自のAI光景再現技術で、実世界の光のきらめき、あざやかさ、臨場感を再現”するというもの。さらに音質については、“レグザサウンドエンジンを新開発。その場にいるようなリアルなサウンドを実現”するという...
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【麻倉怜士のCES2023レポートまとめ 2】今年のオーディオビジュアル注目トレンドがすべてわかる!
【麻倉怜士のCES2023レポート11】ほんとうに対話しているようなVR体験を提供する、キヤノンのVRコミュニケーションシステム「KOKOMO」 - Stereo Sound ONLINE
VRでの対話はアバターを通じて行うのが一般的だが、どうもいまひとつリアリティがない。アバターでない本物の相手の姿が見え、声が聞こえれば、VRヘッドセットを掛けていてもリアルな臨場感が得られるだろう。キヤノンUSAの、VRコミュニケーションシステム「KOKOMO」は、まさにそんな不自然を解消し、バーチャルなのだが、まるで目の前の相手と会話しているような気分にさせてくれる、VR対話ソリューションだ。
CA...
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【麻倉怜士のCES2023レポートまとめ 1】今年のオーディオビジュアル注目トレンドがすべてわかる!
【麻倉怜士のCES2023レポート01】3年ぶりに“リアルCES”に来た! 以前の活気を取り戻した会場から、最前線情報をお届けします。乞うご期待 - Stereo Sound ONLINE
2020年以来、3年ぶりのCESだ。1998年から毎年通っているのは、その年のオーディオ・ビジュアル、デジタルの動向が予見的に分かるイベントとして欠かせないからだ。
2021年と22年はコロナで渡航が叶わなかった。3年ぶりのCESは、元気だ。今日は開催前日のプレスデイだが、活気があちこちで感じられた。CTAの発表によると 今回は173の国や地域から3100社が参加、4,700社を超えるメディアが取材す...
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【麻倉怜士のCES2023レポート19】パナソニックの2023年有機ELビエラ「MZ2000」シリーズは、最新世代の高輝度パネルを採用してさらなる進化を果たす
パナソニックは、毎年CES会場でヨーロッパ向けのビエラ新ラインナップを発表している。今回のCES2023でも有機ELビエラ「MZ2000」シリーズを展示、新パネルの搭載で輝度が向上している点などが注目を集めた。麻倉さんはCES会場で、パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社 副社長執行役員ビジュアル・サウンドビジネスユニット長 阿南康成さんと、ビジュアル・サウンドビジネスユニット 技術センター長の清水浩文さんにインタビューを実施、以下でその詳細を報告する。(StereoSound ONLINE編集部)
麻倉 今日はよろしくお願いいたします。私はパナソニックのプレスカ...
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【麻倉怜士のCES2023レポート17】2023年のテレビは、より「人に近づく」。次は視聴者個人個人の、画調の好みまで忖度する
REGZAのミリ波レーダーによる視聴位置把握、アナログデバイセズの視聴位置に向け音の指向性を向けるVIRTUAL IMMERSION(いずれも既報)と、CES2023ではオーディオビジュアル機器がユーザーに寄り添う姿勢が、鮮明になった。
テレビでいうと、これまでは入力してきた信号を分析し、その種類(映画、スポーツ、ドラマ……)によって、コンテンツに最適な画質(輝度、コントラスト、階調、色、フレーム数など)をテレビ内部で設定していた。
今回は出力側、つまりテレビの画面の外に、イコライジングの網を拡げたことが、画期的だ。REGZAではミリ波レーダーにて視聴者がどの位置にいるかを把握し、その距...
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【麻倉怜士のCES2023レポート16】パナソニック開発のVRグラス「MeganeX」は、メタバース専用ではない! ビジネス用から医療用機器まで、様々な展開に期待する
パナソニックとShiftallはCES2023で、VR(Virtual Reality、仮想現実)グラス「MeganeX」の新展開を発表した。同社は昨年のCESでMeganeXを出品、左右それぞれ2.6K(水平2560×垂直2560画素)、両目で5.2Kの映像が楽しめるデバイスとして注目を集めた。その製品は系列会社のShiftallから2022年内に発売される予定だったが、実際には発売が遅れ、2023年3〜4月頃の発売になるとリリースされている。今回は、同社事業開発センター XR開発部 部長の柏木吉一郎さんとXR総括の小塚雅之さんに、MeganeXの進化点についてお話をうかがった。(St...
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【麻倉怜士のCES2023レポート15】2023CESでは、ここにも注目した② LGのエモい冷蔵庫から、ソニー・ホンダのEV「アフィーラ」まで。私のファンとも遭遇!?
色のエモーション① サムスンとフィリップスが手を結んだテレビ背後照明
フィリップスブランドのテレビは、アンビライトが光る。テレビの背後に、LEDが列にはめ込まれ、映像の色相情報に応じて、それに合った色を発する仕組み。それがどうしたのだと言われても困るが、ヨーロッパの光文化(比較的暗い部屋での間接照明)だから発想されるフューチャーだ。
今回はサムスンエレクトロニクスがその背面光機能を取り入れた。フィリップスの色相変化アプリのHUEとも連動、コンテンツの色味に応じて、テレビの背景照明だけでなく、部屋の照明がハーモニーするのである。
色のエモーション② LGの「MOODUP」搭載冷蔵庫は、千変...