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【麻倉怜士のMIPCOM2019報告:03】MIPCOM2019で分かった8Kの最前線。8Kのドラマ進出。日本映画放送、8K時代劇『帰郷』
「NHK 8KTHEATER」で上映された日本映画放送、8K時代劇『帰郷』(仲代達矢主演)。自然と人々の共存、人間の死生観をテーマにした股旅ものだ。自らメガホンを執った日本映画放送社長の杉田成道氏は8Kをどう使ったか。
「スタンリー・キュープリック監督の名作『バリー・リンドン』は、ローソク1本で撮った映画です。ローソクの暗い光を撮るためにNASAが開発した1本数億円のF0.7の超高感度レンズを買い込み、見事なローソク映像を撮りました。そのひそみにならいローソクの光を再現したかったから、8Kを選びました。8Kは柔らかく、包み込むローソクの光を見事に活写できました」
「8Kのもうひとつのメリ...
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【麻倉怜士のMIPCOM2019報告:02】MIPCOM2019で分かった8Kの最前線。8Kのドラマ進出。NHK『浮世の画家』
8Kの新しい方向性が「ドラマ」だ。これまで「8Kは花鳥風月を高精細に描くためのもの」といわれてきた。ノンフィクションには高精細映像は合うが、果たして、フィクションにはどうか?
見えすぎるのはどうか。ドラマに応用したらどうなのか。
そのトライが8KドラマのNHK『浮世の画家』。戦前との社会の激変に戸惑う老画家を渡辺謙が演じた、カズオ・イシグロ原作作品は、NHKにとっては「8Kはドラマに合うか」を試すひじょうに重要な実験だった。
私は試写にて、しっとりした質感が高精細に、そしてハイコントラストに描かれたと、見た。監督の渡辺一貴氏(NHKエンタープライズ・番組開発エグゼクティブ プロデューサー...
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【麻倉怜士のMIPCOM2019報告:01】世界から8Kプロダクションが集合した「ソニー4K/8Kシアター」と「NHK 8KTHEATER」
今回、初めて国際番組見本市のMIPCOMを取材。4月のMIPTVには毎回参加しているが、10月のMIPCOMは初だ。このコンテンツの祭典にて、ソニーが2013年から4Kセミナーを毎年、開催している。
今年の最大の話題は8Kセッションの本格化だ。セミナー名は、これまでの「ソニー・4Kシアター」から「ソニー4K/8Kシアター」に名称を変えた。上映はソニー期待の8Kディスプレイ、98インチの「Z9G」。本8Kセッションは大人気。定員70人の会場に合計132人も参集した。欧米で8Kに対して強い興味が湧き始めてきたかが、うかがえた。
8Kは、二日目の10月15日の午後全部を使ってプレゼンテーション...
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小さく丸められる、30インチの4K有機ELフレキシブルディスプレイをNHKとシャープが共同開発! InterBEE会場で展示される
NHKでは、家庭でも大画面で簡便に4K8Kのスーパーハイビジョン放送を楽しんでもらうために、フレキシブルディスプレイの研究を進めている。そして今回、シャープと共同で、対角30インチの4Kフレキシブル有機ELディスプレイを開発したと発表した。
従来の有機ELテレビでは、ガラス基板上に有機EL材料を形成したパネルが使われている。この基板を、薄くて柔らかいプラスチックフィルムにすることで、大画面でも軽量になり、さらに小さく丸められるようになるわけだ。
両社は今回、世界で初めて、30インチのプラスチックのフィルム上にRGBの有機EL材料を高精度に形成する技術を開発、軽くて丸めることができる4Kフ...
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夢の“巻き上げ式大画面テレビ”に一歩近づいた? NHKが、フレキシブルディスプレイの長寿命化に向けた 有機EL用材料を開発
NHKは、巻き取りや折り曲げができるフレキシブルディスプレイの実現を目指し、有機ELの研究開発を進めている。今回株式会社日本触媒と共同で、有機ELの長寿命化に向けた新たな材料の開発に成功したという。
そもそもフレキシブルディスプレイを実現するためには、一般的に用いられているガラス基板に代わって、薄くて柔らかいプラスチックのフィルム上に、RGBに発光する有機ELを形成する必要があった。
ガラス上に形成した有機ELでは、発光に必要となる電子をスムーズに供給する電子供給材料の一部に、アルカリ金属を使用している。しかし、フィルムは酸素や水分を通しやすい性質があるため、アルカリ金属が劣化し、ディス...
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「4K映画はすばらしい!」 この感動を分かち合うために、NHKの坂本チーフプロデューサーに会いに行った:麻倉怜士のいいもの研究所 レポート24
連載「4K(8K)深掘り」で紹介した通り、麻倉さんのお宅では8K用HDDレコーダーのシャープ「8R-C80A1」がフル稼働状態だ。加えて4K放送についても、複数台のレコーダーを駆使してエアチェックに励んでいるという。その中でも注目はNHK BS4Kの「4Kシアター」で、各作品のレベルの高さに感心することしきりとか。そこで今回は、NHK編成局 展開戦略推進部 チーフプロデューサー 坂本朋彦さんに、7月以降の4K映画番組の展開をうかがうことにした。
——今日はお時間をいただきありがとうございます。坂本さんには先日も4K映画に関するインタビューにご協力いただきました。今回はそれに続き、麻倉さん...
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7月のNHK BS8Kは「宇宙を楽しむ月間」。アポロ11号の月着陸50周年を記念した特番など、興味深いコンテンツに注目。『2001年〜』のリピートもあり!
1969年7月20日、アポロ11号が人類初の月面着陸に成功。今年はそれから50年のメモリアルイヤーとなる。他にもスペースシャトルの退役、国際宇宙ステーションの完成と、7月には宇宙にまつわる出来事がたくさんあった。それを受けて、7月のNHK BS8K放送は「宇宙を楽しむ月間」をテーマに番組を編成している。
今週末の7日には、10:00〜12:00に『今日は七夕! 宇宙旅 2時間スペシャル』として、臨場感あふれる8K映像で太陽や火星、月の様子を紹介。国府弘子さんと川井郁子さんの生演奏に乗せて、国際宇宙ステーションからの8K映像も紹介される。
そのまま正午(12:00)からは、映画『2001年...
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シャープもNHKも、もっと8Kをアピールをしていくべきだ! 体験する場が増えていけば、この品質に魅了される人は絶対増えるだろう【シリーズ:4K(8K)深掘り05】
8K放送をホームシアターで受信したら、どれほどのクォリティで楽しめるのか? オーディオビジュアルファンなら誰もが気になっている疑問を、麻倉怜士さんに解消してもらおう! そんな思いで酒井俊之さんと編集部は、麻倉さんのシアタールームにお邪魔した。しかし、放送開始以来、毎日8Kをチェックしているという麻倉邸の8Kライブラリーの魅力は、ふたりの予想を超えて素晴らしかったのです。
※前回の内容はこちら →
——ところで酒井さんが今日一番驚いた8K番組はどれでしたか?
酒井 ドラマの『コーラス』です。あの演出には驚きました。まさに8Kならでは、です。アパートの6部屋を横から見たセットが組まれていて...
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【OTOTEN2019リポート】ガラス棟B1Fでは、NHKの22.2ch体験コーナーやオーディオスタートコーナーをチェック。オーディオ入門体験もできる
本日と明日(6月29日〜30日)の2日間、東京・有楽町の東京国際フォーラムでオーディオとホームシアターの祭典「OTOTEN2019」が開催されている。
今年は、若い層にもオーディオに興味を持ってもらおうと、学生コンシェルジュによるガイダンスや、ホームシアターバーの体験コーナーなどの新しい試みが多く始まっているのが特長だ。StereoSound ONLINEでも、その注目ポイントを紹介していきたい。
NHK スーパーハイビジョン22.2ch体験
まずガラス棟B1ロビーで受付を済ませると、すぐ隣にNHKによるスーパーハイビジョン&22.2ch体験コーナーが準備されている。そのシステム自体は昨...
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ホームシアターで見る8Kは、本当に素晴らしかった! 「乃木坂46」や「宝塚歌劇」ファンがこれを知らないなんて、そんな勿体ないことがあっていいのか【シリーズ:4K(8K)深掘り04】
皆さんは8K映像をご覧になったことがあるでしょうか? 昨年12月1日の放送開始から半年が過ぎ、店頭などで目にする機会は増えているけれど、ホームシアターでそのクォリティを確認するチャンスは少ないかも……。StereoSound ONLINEでお馴染の酒井俊之さんもそんな風に感じていたひとり。そこで今回は、放送開始以来8K映像をすべて録画し、チェックしている麻倉怜士さんのお宅で、8Kの魅力をじっくり体験させていただきました。
——今日は酒井さんと一緒に麻倉さんのシアタールームにお邪魔して、8Kのお薦め番組をいろいろ見せていただきました。
酒井 いや〜、やはり凄いですね。昨年の12月1日、BS...
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今春のNHK BS4Kには、映画ファン待望の人気作が揃った。4月の『スティング』『ジョーズ』に続いて、5月には『レオン』『ニュー・シネマ・パラダイス』も4Kでオンエア!
新4K8K衛星放送がスタートして早や4ヵ月。ここのところ毎月毎週の番組表をチェックするのが楽しみになっている映画ファンも少なくないだろう。なかでもクォリティ、作品のラインナップともに満足度が高いのはやはりNHK BS4Kだ。ウチでも映画を中心にせっせとチェックしている。
NHK BS4Kで映画が放送されるのは毎週土曜日の「4Kシアター」。4月のラインナップをチェックして思わず目を疑った。なんと開局から半年を待たずして『ジョーズ』のオンエアが予定されているではないか。いきなりの真打登場である。見れば『スティング』に始まりゴールデンウィークの『ジュラシック・パーク』まで、この機会を逃すわけに...