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【麻倉怜士のCES2023レポート08】トルコの大手テレビメーカー、ベステルが、初めてTiVo OSを採用。曖昧検索に魅了される
激しい競争が繰り広げられている、スマートテレビのOSシーンに新顔、TiVo OSが割って入った。トルコの大手テレビメーカー、ベステルが、初めてTiVo OSを採用したのである。正確にいうと、Media TekのチップセットにTiVo OSがインプリされ、そのチップをベステルが採用したという形だ。
ベステルは自社ブランドの他に、「Daewoo」「Regal」「Hitachi」「Telefunken」「JVC」……などのブランドを使い、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、トルコといったヨーロッパ諸国で人気のメーカーだ。毎年、数百万台の販売実績を上げている。
普通に考えれば、一般的...
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【麻倉怜士のCES2023レポート07】ディズニープラスとソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが強力サポート、2023年はIMAX Enhancedの飛躍の年
IMAX Enhancedの新展開が分かった。IMAX EnhancedとDTSを有するXperiは、CES2023にタイミングを会わせ、Park MGMホテル内にてプライベートブースを開設。ここでIMAX Enhancedの最新情報が得られたので、報告しよう。
IMAXは世界80を超える国、地域に1,500以上のIMAXシアターを展開。IMAX上映作品はこれまで300~350タイトルに登っている。一般のシネマスコープのアスペクト比が横2.35:縦1に対し、IMAXは1.43:1というかなり縦に長い。その分、画面のマッシブ感が半端でない。
その家庭用のイマーシブ・フォーマットがIMAX ...
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【麻倉怜士のCES2023レポート06】ソニーの27型空間再現ディスプレイに改めて感動! 実物大のオブジェクトが、眼前に立体的に見える
ソニーの新しい27型の「Spatial Reality Display」(空間再現ディスプレイ)に、深く感動した。2020年のCESで、視線検出方式の15.6型モデルが発表された時も相当、感動したが、今回は、さらにさらに感動が深まった。
それはまったくもって、画面の大きさから来る感動である。つまり15.6型という小さなサイズでも、びっくりしたのだから、27型という大きな、不思議なサイズに改めて感動しないわけはないではないか。ソニーは平井一夫社長の時代から「感動=英語ではKANDO」を唱え、今でも社是になっているが、なんでそれが感動なんだと怒りたくなるものもあるなかで、これは100%ピュア...
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【麻倉怜士のCES2023レポート05】Auro-3Dが新次元に入った。ストリーミングへ進出し、新コーデック「Auro-Cx」も開発!
Auro-3Dが新次元に入った。昨年、資本構成が変わり、新しい方向性が打ち出された。旧Auro Technologies N.V.が保有していたすべての資産、社員、Auro-3D技術の権利をベルギーの投資会社Saffelberg Investment groupが買収し、新会社NEWAUROB.V.が設立された。まさしく新出発らしい新会社ではないか。CES期間で、ミラージュホテルの一室に設けられた、Auro-3Dスウィートで、新展開を取材した。
まずストリーミングへの進出だ。これまでは、オーディオ・ビジュアルマニア向けの、高音質イマーシブオーディオコーデックというイメージが強く、製品も高...
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【麻倉怜士のCES2023レポート04】サムスンディスプレイのQD-OLEDは、「知覚輝度」で勝負。55型、65型、77型の4Kパネルと49インチのウルトラワイドパネルをラインナップ
サムスンディスプレイが開発したQD-OLEDは、2年目に入った。昨年の初年度はサムスンエレクトロニクス、ソニー、デルが採用したが、2年目は採用メーカーがどれくらい増えるかにまずは注目だ。筆者はアンコアホテル・ボールルーム7のサムスンディスプレイ・スゥイートを訪問し、仔細に取材できた。
今年のプロモーションは「高輝度+色の高輝度」効果を打ち出す。つまり単に輝度的な明るさだけでなく、色の高彩度が加わると、たとえ数字上の輝度は同じであっても、人の視覚の認識では、格段により明るいと感じることを、前面に打ち出すのである。高彩度にて輝度が上がったように見える(同じ輝度の色では,彩度が増すにつれて知覚...
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【麻倉怜士のCES2023レポート03】LGディスプレイから、第3世代有機ELパネルがお披露目された。マイクロレンズアレイ+META Boosterで圧倒的な高輝度を実現
LGディスプレイの有機EL・画質改善の第2弾が明らかになった。昨年の2022年の第2世代パネル「OLED.EX」がその第1弾(EXとはEvolution=進化とeXperience=体験の頭文字)。寿命を長期化させる重水素効果により、ピーク輝度を30%高めたることに成功したものだ。2022年の各社の有機ELテレビは、その前年モデルより格段のクォリティアップを実現していたが、それはOLED.EXの力に支えられていたことは、疑問の余地がない。
それに続く第2弾が、2023CESで発表された、マイクロレンズアレイ技術を採用した第3世代の有機ELパネルという位置づけだ。極小のレンズ群を有機EL発...
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【麻倉怜士のCES2023レポート02】 “SHARP is Back AGAIN” シャープが「AQUOS XLED」でアメリカに再参入。ミニLEDバックライト搭載液晶テレビで高級イメージをアピール
4年前のCES2019では、シャープがブースを出展、アメリカ再参入を訴えた。当時、副社長だった石田佳久氏にインタビューした。石田氏は「CESには4年ぶりのブース出展になります。弊社はアメリカのビジネスではB to Bが中心ですが、商品も揃ってきましたので、このあたりできちんとアメリカの皆様にも、シャープがどんなことをやっているかを訴求しようと思いました」と言っていた。
ところがこの試みはその後、コロナ禍などもあり、実際にはわずかな試験販売で終わっていた。盛りあがったテレビ需要も急減し、なかなか入るタイミングを失っていた。でも、アメリカ市場を担当する吉田宏之氏(シャープ スマートディスプレ...
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【麻倉怜士のCES2023レポート01】3年ぶりに“リアルCES”に来た! 以前の活気を取り戻した会場から、最前線情報をお届けします。乞うご期待
2020年以来、3年ぶりのCESだ。1998年から毎年通っているのは、その年のオーディオ・ビジュアル、デジタルの動向が予見的に分かるイベントとして欠かせないからだ。
2021年と22年はコロナで渡航が叶わなかった。3年ぶりのCESは、元気だ。今日は開催前日のプレスデイだが、活気があちこちで感じられた。CTAの発表によると 今回は173の国や地域から3100社が参加、4,700社を超えるメディアが取材するとのことだ。
4日(現地時間)のメディア・デイも、いつもの活気を感じた。マンダリンベイ・ホテルで朝8時のLGエレクトロニクスの会見から始まり、5時のコンベンションセンターのソニー会見まで、...