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菅田将暉&有村架純の好演が光る『花束みたいな恋をした』は、“当たり前の恋”の多幸感にあふれた愛おしい一作【先取りシネマ 第13回】
「神」の存在に、あなたは気づけるか
終電を逃し、東京・京王線の明大前駅改札で出会った21歳の大学生、麦(菅田将暉)と絹(有村架純)。同じく終電にあぶれたほかの客と一緒に終夜営業の喫茶店に入ったふたりは、なんとそこで向こうのテーブルに座っている「神」を目撃する。
最高すぎる。この場面! 見かけはまあそれほど神々しくない神だけれど、ここで試写会場内が映画『十戒』の海のように、意表を突かれて笑うひとと、ぽかんとするひとのふたつに割れたのが凄かった。どちらの反応が上というわけではないですよ。
でも麦が“世界水準”と表現するこの神さまの登場シーンが映画の踏み絵になっているのだ。俺って、わたしってお...
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『甦る三大テノール 永遠の歌声』試写会リポート。世界中を魅了し、クラシックの楽しさを多くの人に伝えた“三大テノール”の貴重なバックステージ映像とインタビューで構成したドキュメント
1990年にFIFAワールドカップ・サッカーの前夜祭として、イタリアで開催された“三大テノール”によるコンサート。その舞台裏を描いた『甦る三大テノール 永遠の歌声』が2021年1月8日から全国公開される。
このコンサートはこれまでも映画化されているが、本作はカラカラ浴場やドジャー・スタジアムなどでのコンサート映像や未公開のバックステージ映像、関係者のインタビューなどで構成したドキュメンタリー作品となっている。
そんな期待作の初号試写が、東京・五反田のIMAGICA試写室で行われた。今回そこに参加する機会を得たので、その模様をリポートしたい。
1990年イタリアの“三大テノール”が、世界中...
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【コレミヨ映画館vol.50】 『新感染半島 ファイナル・ステージ』 今度はバトル・アクションだ! ヒット作『新感染 ファイナル・エクスプレス』のその後を描いた話題作
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第50回をお送りします。今回取り上げるのは、韓国版ゾンビパニック作『新感染半島』の第3弾『新感染半島 ファイナル・ステージ』。前作から4年後の世界を舞台に、圧倒的物量をもって迫ってくる彼らの姿を描き、韓国では大ヒットを記録。元旦からその脅威を、とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『新感染半島 ファイナル・ステージ』
2021年1月1日(金)TOHOシネマズ日比谷 他 全国ロードショー
ソウルを出発...
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【コレミヨ映画館vol.49】 『ワンダーウーマン 1984』 黄金の鎧で世界を救え! 跳ね返し、戦う女、ワンダーウーマンの雄姿ふたたび
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第49回をお送りします。今回取り上げるのは、人気ヒロインが大活躍する『ワンダーウーマン 1984』。時代はいきなり80年代となり、エンタメ界や経済界が大盛況を迎えるあの喧騒の中で、彼女が大暴れ!? 新たなコスチュームに身を包んだ煌びやかな姿など、見どころもたくさん。とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『ワンダーウーマン 1984』
12月18日(金)より全国ロードショー
『バットマンvsスーパーマ...
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【コレミヨ映画館vol.48】 『私をくいとめて』 原作・綿矢りさ×監督・大九明子の黄金コンビ第2作。のんがぼっちライフを送るヒロインを大好演!
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第48回をお送りします。今回取り上げるのは、主演のんの好演が光る『私をくいとめて』。独身一人女子・みつ子が突き進む、崖っぷち恋愛の模様を、脳内アシスタント「A」とのコミカルなやり取りも含め、とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『私をくいとめて』
12月18日(金)より全国ロードショー
いいなあ、この映画! 俺も仲間。アンモナイトの化石、愛でてる仲間だよ、と感動した松岡茉優主演の快作『勝手にふるえて...
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初対面の初々しさから一転、イーサン・ホークが16年前に起こした“極・私的な大事件”とは!?【映画スターに恋して:第14回】
俳優・脚本家・作家に映画監督……多方面で活躍する才人!
<ストックホルム症候群>とは、「誘拐や監禁事件において、被害者が犯人との間に心理的なつながりを築く現象」のこと(プレス資料より)。語源となったのは、スウェーデンで実際に起きた銀行強盗事件だ。
その事件をベースにした映画『ストックホルム・ケース』が、現在公開されている。主犯のラースは、実に複雑な人物だ。アメリカに強く憧れ、自分の境遇を嘆いて荒んでいる。銀行に立てこもった彼は、人質を恫喝しながらも、彼女たちが必要とする生理用品を警察に要求する……。「こんな男に同情も共感もできない」と思うのだが、演じるイーサン・ホークの熱演のせいか、彼自...