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“最も力強いミュージカル”に数えられる名作の背後に迫る、意欲的なドキュメンタリー『屋根の上のバイオリン弾き物語』
日本では昭和期に森繁久彌の主演舞台で一躍広まった『屋根の上のバイオリン弾き』(脚本;ジョゼフ・スタイン)。帝政ロシア下のユダヤ人の生活に迫った古典だ。個人的には哀感のこもった楽曲の数々も強く印象に残っている。「サンライズ・サンセット」を耳にして、八代亜紀の「雨の慕情」を思い出す(あるいはその逆も)という人も多かろう。
この映画は、『屋根の上のバイオリン弾き』そのものの背景に迫るドキュメンタリー。2022年アトランタ・ジューイッシュ映画祭最優秀ドキュメンタリー映画賞など、いくつもの栄誉に輝いた力作だ。全編、味わい深いフッテージの連続だが、1971年に映画化された時の撮影映像も相当良い状態で...