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カンヌ国際映画祭のACID部門に日本映画として初選出。16ミリフィルムで撮影された、深い余韻を残す一作『やまぶき』
今年5月に行なわれたカンヌ国際映画祭のACID部門に日本映画として初選出。農業と映画製作の両方を続ける山﨑樹一郎監督の長編第三作『やまぶき』が、11月5日(土)よりユーロスペース、11月12日(土)よりシネ・ヌーヴォ、京都みなみ会館、元町映画館にて公開される。
やまぶきとは、祷キララ演じる女子高校生“早川山吹”の名前、そして陽の当たりづらい場所に咲く野生の花「山吹」のことでもある。
主人公は、韓国人男性のチャンス(カン・ユンス)。かつては乗馬競技のホープであったが、父親の会社が倒産したため多額の負債を背負うことになり、岡山県真庭市でヴェトナム人労働者たちとともに採石場で働いている。一方で...
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スペインの鬼才アルモドバル監督の最新作『パラレル・マザーズ』が日本上陸。主演はペネロペ・クルス
『オール・アバウト・マイ・マザー』や『トーク・トゥ・ハー』で知られるスペインの名監督、ペドロ・アルモドバルの最新作『パラレル・マザーズ』が11月3日(木・祝)からヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマ、新宿シネマカリテ他で公開される。
「同じ日に母となった二人の女性の人生と交流」、1936年に起こりピカソ『ゲルニカ』の題材にもなった「スペイン内戦(市民戦争)」、さらに「DNA鑑定」、マイルス・デイヴィス「枯葉」(キャノンボール・アダレイのアルバムより)やジャニス・ジョプリン「サマータイム」といった伝説的名演などなど------これら、一見ばらばらな要素がいかに結び...
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ジュリア・ロバーツが“日本嫌い”って本当? インタビューで垣間見えたのは、聡明さの中に同居する繊細な一面【映画スターに恋して:第25回】
ジョージ・クルーニーとの掛け合いが映える『チケット・トゥ・パラダイス』が公開!
ジュリア・ロバーツ&ジョージ・クルーニー共演の『チケット・トゥ・パラダイス』。2016年に公開されたジョディー・フォスター監督作『マネーモンスター』以来6年ぶりのタッグだけど、新作の設定は「犬猿の仲の元夫婦が、娘の電撃結婚を食い止めようと手を組むロマンチック・コメディ」。となれば『オーシャンズ11&12』(01、04年)で演じた“ワケあり夫婦、再び!”といったほうがわかりも早い。
数々のロマコメ(ロマンティック・コメディ)で技を磨いてきた2人だけに、丁々発止の小競り合いも息ピッタリ。現在ジョージ61歳、ジュリ...
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男4Kブロンソン『狼よさらば』【海外盤Blu-ray発売情報】
米国盤『狼よさらば』2023年1月24日リリース
DEATH WISH - 4K UHD BLU-RAY with DOLBY VISION
4K DIGITAL RESTORATION
キーノ・ローバーから、いまなお人気の高いチャールズ・ブロンソン主演作『狼よさらば』(1974)の4K UHD BLU-RAYリリース・アナウンスが届きました。35mmオリジナルカメラネガからの2022年4K DSM採用/最新HDRグレード。ドルビ―ビジョンHDR採用。
ある日、平和で平凡な家庭を暴漢が襲った。妻を失い、娘を廃人にされ、絶望の淵に立たされた男が、一丁の拳銃を手にしたとき復讐の扉が開く。『...
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【コレミヨ映画館vol.87】 『警官の血』 韓国ノワールと佐々木譲の人気小説が手を結ぶ。新人刑事が潜入捜査の闇の奥で見たものとは?
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第87回をお送りします。今回取り上げるのは、3代におよぶ警察一家の行く末を描いた『警官の血』。白と黒の間で生きる彼らの姿を、とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『警官の血』
10月28日(金)新宿バルト9ほか全国公開
祖父、父、そして息子。親子3人の警察官一家の運命を描いた佐々木譲の長篇小説に材をとった一篇。
本邦では2009年に江口洋介、吉岡秀隆、伊藤英明の主演で2夜連続のテレビムービーとして扱...
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【コレミヨ映画館vol.86】『クリエイション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~』マイ・ブラッディ・ヴァレンタインなどの個性派バンドを生んだ英国レーベルの盛衰記
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第86回をお送りします。今回取り上げるのは、同世代の青春を振り返ること必至(?)の『クリエイション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~』。当時のご自身を思い出しながら観ると、より一層作品の世界に没入できるかも? とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『クリエイション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~』
10月21日(金)、新宿シネマカリテほか全国ロードショー
いきなりプライ...
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時をかける人型ロボットのエモーショナルな一篇。ヒューマンドラマ、SF、過去、未来の境界線が溶けてゆく力作『アフター・ヤン』
草原や樹木の美しさ、自然光の暖かさ、ゆっくりした会話のテンポ、画面も展開も極めてアコースティックでオーガニックだ。なのにこれは確実に未来の話なのである。そうだなあ、今の社会の進み具合、荒れ具合から考えると、この映画のようなストーリーが実際のエピソードとして人々の間に登場するのは、あと100年ぐらい先になるのかもしれない。とにかく映画の舞台は未来世界なのだ。
この未来世界では、「テクノ」と呼ばれる人型ロボットが普及していた。見かけはまるで人間、言葉も見事にあやつる。知識も豊富だ。人柄(機械柄)も実に穏やか。このロボットを「所有」しているのは、茶葉の販売店を営むジェイクという男。彼と妻のカイ...
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もう戻らない「自由都市・香港」に、ジョニー・トー、サモ・ハンら七人の巨匠たちが思いを馳せるオムニバス『七人樂隊』【先取りシネマ 第23回】
香港の若い芸術家たちを通して見える“自由を手に入れるための死闘”
伴奏は兄が弾くピアノだけ。アコースティック・ギターを手にちいさなクラブのステージに立ったデニス・ホーは、「自由な香港を取り戻そうとしている若者たちに今夜の歌を捧げます」と前置きをして、清冽な声で歌いだす。
『デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング』(2020年)は、1977年香港に生まれ、カナダのモントリオールへ移住後も歌手のアニタ・ムイに憧れ、大学卒業のあと香港へ戻り活動を始めたポップス・シンガー、デニス・ホーの姿を追ったドキュメンタリー・フィルムだ。
思慕したアニタ・ムイが2003年に子宮頸がんで死去したあとも活動をつづ...
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英国セレブの屋敷に、米国の映画スターたちがやってきた! 映画史上、音楽史上に残る激動の「1928年」が舞台
テレビシリーズがエミー賞、ゴールデングローブ賞ら数々のアワードを獲得。英国貴族の屋敷を舞台にした人気シリーズ、『ダウントン・アビー』の映画版第二弾が9月30日から全国ロードショーされる。今回も第一弾同様、その上質なユーモアで多くの観客を引き込むことだろう。加えて、ハラハラさせられるような恋の展開もある。
舞台は1928年。映画撮影のためにハリウッドのスターが、この邸宅に来ることになった。この「1928年」がポイントだ。無声映画に替わってトーキー(トーキング・ピクチャー)が急速に広まりつつあった頃で、たとえルックスが良くても、訛りがひどいとか声が悪いとか、そういった俳優は別のひとに声の吹き...