執筆陣
アナログリラックスのカートリッジ「EX300」は、ウォルナット無垢材ボディにネオジム磁石搭載のMC型で、密度が濃く味わい深い再生
アナログリラックスEX300は、多面体カットしたボディはおなじみだが、EX3などのメイプルではなくウォルナット(クルミ)無垢材を採用。硬さと響きよさからアコースティックギターにもよく採用される素材だ。針先のアルミニウム製カンチレバーへの接着は「新開発IF接着」を導入。強固な接着により、針先とカンチレバーの一体化を図っている。マグネットはネオジム、巻き線は高純度6N銅となる。
アナログリラックス
EX300
¥250,000(税別)
●発電方式:MC型●出力電圧:0.5mV(1kHz)●内部インピーダンス:15Ω●適正針圧:2g●自重:10g●針交換価格:¥175,000(税別)●問合せ先...
執筆陣
リンのカートリッジ「EKSTATIK」は、サファイヤ・カンチレバー採用のMC型で精密な3次元的定位を聴かせる同社トップモデル
LINNのMCカートリッジEKSTATIKは、2013年のKANDID以来のフラッグシップモデルだ。内容は超軽量5・7gのKANDIDから一新されている。ボディは7075アルミニウム(超々ジュラルミン)のハニカムカット仕上げのスケルトン。シャーシはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)をコーティングして腐食に対策しているもよう。カンチレバーはボロンより剛性のあるサファイヤ製。針先はマイクロリッジ・スタイラス。巻き線は4N銅。自重は7g。3点支持の取り付けネジ穴はアルミニウム・ブロンズ製。試聴では、LINNジャパンから提供された3点取り付け用に加工したヘッドシェルに取り付けた。トーンアームは...
執筆陣
4K放送も可能なワイヤレステレビ PANASONIC TH-43LF1
これは、外観からするとフロアライフ志向の自立スタンド型液晶テレビというくくりになる。純白に近い明るいフレームと角張らない形状はリビング用途らしい。その惹句も〈テレビが動くとくらしが変わる〉という宣言になっている。昨今のステイホーム志向に合わせて、テレビを駆使してリモートワークや在宅生活を充実させよう、ということだろう。
とはいえ、もともと生活者目線を重視するのがパナソニック流製品企画の基本だ。チューナー別筐体とキャスター付きスタンドによる「レイアウトフリー」の仕様は、通常の映像鑑賞用としても生活空間となじみがいい。アンテナ端子に近い所に設置しなくてはならないという制限から解放され、表示部...
執筆陣
シルテックの高純度銀素材ケーブル「クラシック・アニバーサリーシリーズ」は、細部まで輪郭明瞭で俊敏な応答性が得られて、情報量、瞬発力が増した感動を呼ぶ再生
シルテックの銘はシルバー+テクノロジーに由来する。このオランダのメーカーは高純度銀素材に独自の技術を注入。素材にあるクラック(微小な隙間)については金を流入させることで、金銀混成導体を完成させている。現在それはG7と呼ぶ世代に進化している。また絶縁体にも独自の発想があり、テフロンとカプトンの2層巻きとシールドの多層構造を採用する。絶縁特性が良すぎると帯電を起こしやすくなり、機械的な振動や音声電流にともなう悪影響が難題とされる。そこで薄くて柔軟性のある絶縁体とともに、その帯電を抜くための多重シールドという発想も必要になるわけだ。
シルテック
CLASSIC
550i-RCA2.0M
¥25...
執筆陣
トランス式アッテネーター採用のライン入力プリ。 純度感のある音場空間に、音の配列が見えるよう イプシロン「PST-100 mk2」
カラリと晴れ渡った音調であり微細な情報が鋭敏にふるまう
これは、トランス類を内製する強みを生かしたトランス式アッテネーター採用のライン入力プリアンプ。減衰量は31ステップであり、最初の5ステップは3dB隔、次の5ステップが2dB次の18ステップでは1.5dB、最後の3ステップは1dBという不均等な減衰量にて限られたタップ数での実用性を確保する。
アッテネーターは出力側にあり、その前に5極真空管C3mによる1段増幅が設けられている。ゲインは17dBで2.5:1の結合トランスを負荷にしている。つまり抵抗素子によるエネルギー損失を避ける設計思想だ。増幅段が固定バイアスというのも自己バイアス抵抗...
執筆陣
トラジ氏によるアナログ再生分野の2作が登場。じわりと音楽の内面を聴かせるMCカートリッジと躍動感と3次元的定位を表す半導体式フォノEQ。ヴァルテレ「MYSTIC MC」/「PHONO1 MKⅡ」
ロンドンに拠点があるヴァルテレは元ROKSAN(ロクサン)創設者の一員だったトラジ・モグハダム氏が主宰している。
このMYSTIC MCは自社の高級ベルトドライブ式プレーヤーMG-1 PKGと組み合わせるべく開発したMCカートリッジだ。機械的な精度を訴求しているのは開発者の技術思想なのだろう。ボディはアルミ合金からの削り出しであり、ヘッドシェルとの機械的な結合を高めるべく3点ネジ留めに対応している。磁気回路は、サマリウム・コバルト磁石と純銅線のクロスコイルで形成される。針先は独自設計の楕円型であり、広帯域と0.5mVの高出力を得ている。
それと組み合わせるべきフォノイコライザーがPHON...
執筆陣
コンプレッションドライバー搭載の小型2ウェイJBL4309。JBLならではの気性が音楽で発揮される
JBLの“ブルーバッフル”モニターは、趣味のオーディオの世界では、“ウエストコースト・サウンド”の象徴として長らく人気を維持している。この4309は、大型の4367、4349とほとんど相似形の小型2ウェイ、ツインバスレフポートだ。
高域ホーンはHDI-Xウェーブガイドであり、旧来のホーンのなだらかな曲面にもうひとつ絞り込みが急な稜線を与えた格好だ。高域まで定指向性を維持し、波面を整える狙いだろう。コンプレッションドライバーはD2410H2。25mm径のV字断面リングダイヤフラムであり、ネオジム磁石もリング形状。その振動はアルミダイキャスト製センターコーンを包み込む傾斜壁の隘路を経由し、1...
執筆陣
ユニット意匠も新たに「モニターシリーズ」を改良。 中域の応答性の良さで、音像が前に立ち上がり淀みなく音楽を快活に放射する全方位能力を持つ モニターオーディオ「Monitor300/Monitor50」
スタイリッシュでありながら幅広い音楽再生に対応
モニターオーディオのユニットは、「プラチナ」、「ブロンズ」などの主軸シリーズの名称にかかわらず白銀の面容を保ってきている。それが最新のMonitorシリーズではユニットがブラック処理になったことが一大特徴となる。
Monitor50は小型で正方形の正面なので目の錯視により横長に見えることもあるけれど、2つのユニットを対角線配置し、25㎜径のC‐CAMトゥイーターはオレンジの縁取りが施されていてアカ抜けた印象。2ウェイ構成のリアバスレフ方式のシステムだ。
C‐CAM振動板はアルミニウムとマグネシウムの合金が基材であり、その表面にセラミック処理...
執筆陣
マッキントッシュの名機MC275を想起させる管球式ヘッドフォンアンプ、MHA200。凝縮された音の濃淡模様から音像や響きを作る
外観からして、マッキントッシュMC275の縮小版を思わせるようなヘッドフォンアンプ。その古典名機の看板技術であるユニティカップル方式を、このMHA200にも採用しているというのは驚きだ。単電源の真空管編成でありながら、出力トランス巻き線の対称性を原理的に追求。カソード巻き線も活用して相補的(コンプリメンタリー)なプッシュプル動作を確立した意義は大きい。
電圧増幅と位相反転は12AT7、電力増幅は12BH7Aで受け持っている。定格出力は500
mW。出力端子は標準フォーンジャック仕様とXLR4ピンステレオ端子、そしてXLR3ピンのLR独立端子の3系統。負荷インピーダンスは32〜100Ω、1...
執筆陣
北欧からの新ブランドLarsenの「Model 8.2」は、部屋の反響を活かし、透明感のある3次元的な音場が魅力のスピーカー
スウェーデン製のラーセン(Larsen)スピーカーは、手作りの伝統と斬新な技術思想を合わせ持つユニークな存在である。
Larsen
Model 8.2
¥760,000(ペア・税別)
●型式:2.5ウェイ5スピーカー・バスレフ型
●使用ユニット:ウーファー・17.7cmコーン型、ミッドレンジ・17.7cmコーン型、トゥイーター・2.6cmドーム型×3
●インピーダンス:8Ω
●感度:88dB/2.83V/m
●寸法/重量:W278×H916×D328mm/25kg
●問合せ先:ベッドフォードサウンド TEL.050(5809)8074
トゥイーターの取り付けは地球の1/4半球をカットした...
執筆陣
UHDブルーレイに対応したタイムシフトマシン あらゆる4Kを再生するマルチメディア機 TOSHIBA DBR-4KZ600
これは、〝全録〟のREGZA(レグザ)レコーダーに4K放送とUHDブルーレイという共に〝4K〟対応能力を与えた「4Kレグザブルーレイ」だ。レグザとしてはディスクメディアも含めて4K対応した初の仕様だ。
このDBR-4KZシリーズは、HDD(ハードディスク)容量が6Tバイトの「600」、4Tバイトの「400」、2Tバイトの「200」があり、「400」のみ2021年内の発売だ。
東芝レグザの「タイムシフトマシン」は、基本構想がパソコンを中心としてネットワーク化された大容量映像データの収集、蓄積、検索、転送といった機能を重視したシステムから出発している。それを映像趣味用としてPCを不要とし、ま...
執筆陣
JBL L100 Classic 75―往年の名機の名が最新ユニットで復活。磨き込まれた音質は、躍動感と瞬発力を発揮
本機は、往年の人気機種L100 CenturyをJBL創立75周年モデルにしつらえた新製品。2018年にはL100 Classicが発売されているが、Classic75は音質についても相当に磨いたという全世界750セット(国内50セット)の限定品だ。外装は全6面にチーク・リアルウッドの突き板仕上げ。専用スピーカースタンドJS120が付属する。
中域と低域のユニットはピュア・パルプコーン、高域は25mm径チタン製ドームトゥイーターを採用。技術的な訴求点は、30cm径ウーファーの2重ダンパーを改良して奇数次歪みを低減。13cm径のスコーカーは製造プロセスから見直して周波数レスポンスをスムース...