執筆陣
“実際のライブとは違っていて欲しいんです” 福山雅治さんが、「FUKUYAMA MASAHARU LIVE FILM 言霊の幸わう夏 @NIPPON BUDOKAN 2023」への思いを舞台挨拶で熱く語った
アーティストの福山雅治さんが監督を務めた「FUKUYAMA MASAHARU LIVE FILM 言霊の幸(さち)わう夏 @NIPPON BUDOKAN 2023」が、1月19日に全国公開された。それを記念して公開初日に、東京・有楽町のピカデリー1で福山雅治さんと、劇中に登場する少年を演じた柊木陽太君を迎えて、舞台挨拶が開催された。
本作は、福山さんが “究極のライブ体験” を劇場で再現することを目指した作品で、40台を超えるカメラに加え、武道館ライブで初めて観客を入れた状態でドローン撮影を実施、更にステージのみならず、2〜3階のアンビエントまで収録するなど、制作面でも多くのこだわりが詰...
執筆陣
「誰かの不幸の上に、誰かの幸せは成り立っている」というテーマを下敷きにした意欲作。下津監督の長編第一弾『みなに幸あれ』
「こんなアプローチもあるのか!」と頻繁に驚かされると共に、「まさに日本の風土を踏みしめている、この国ならではのホラー作品だ」と感服させられた。同時にカメラ・ワークは洗練されていて、こじゃれていると表現したくなるほどだ。
日本ホラー界の重鎮として知られる清水崇が総合プロデュースを務め、監督は、これが商業映画としてはデビューとなる下津優太が担当(2021年に同名タイトルの短編映画で「第1回日本ホラー映画大賞」の大賞を受賞)。つまり、場数を踏んだ者と気鋭がタッグを組んだわけだ。主演の少女は、昨今、目覚ましい活躍をみせている古川琴音。いち早く彼女に注目し、フィーチャーした制作陣の先見の明もたたえ...
執筆陣
「まばゆいばかりに洗練された未来のおとぎ話」と絶賛。絶望の世界で希望を捨てずに生きる少女の物語『VESPER/ヴェスパー』
世界三大ファンタスティック映画祭の一つである「ブリュッセル国際映画祭」で最高賞(金鴉賞)を受賞。アメリカの雑誌「ヴァラエティ」では「まばゆいばかりに洗練された未来のおとぎ話」と評されたという、いわくつきの一作が1月19日から新宿バルト9ほか全国ロードショーされる。監督と脚本はクリスティーナ・ブオジーテ、ブルーノ・サンペル、ブライアン・クラーク(脚本のみ)。フランス、リトアニア、ベルギーの合作だ。
作品タイトルの“ヴェスパー”はまた、主人公の少女の名前でもある。彼女が住んでいるのは確かに地球ではあるのだが、我々の知る地球ではない。生態系が壊されてしまったのだ。大変な富裕層は安全で豊かな城塞...
執筆陣
NYの移民家族と、その親子の絆を描いたベストセラー小説を映画化。『ニューヨーク・オールド・アパートメント』公開
おしゃれで都会的なニューヨークは、せいぜいマンハッタン5番街、それもセントラル・パークの南側の一部だけではなかろうか、というのが私の考えだ。ほかのエリアは、よく言えば人間臭く、汗や力の量が問われる。主張されたらそれに負けない主張をしなければ押しつぶされ、ようするに弱肉強食という印象だ。この映画はそこ(マンハッタンではなくてブロンクスあたりではないかと思う)に住む、ペルーからの移民家族の物語。母は大衆食堂で働き、息子ふたりは自転車での出前配達に忙しい。自動車に接触されたら、自分たちが悪かったですとばかりに謝り、その場を逃げるように去る。いろいろもめたり、IDの提出を求められたくないのだろう...
執筆陣
ダライ・ラマ法王とデズモンド・ツツ大主教の対談を中心に構成された貴重な一作『ミッション・ジョイ』
二人のノーベル平和賞受賞者、ダライ・ラマ法王とデズモンド・ツツ大主教の対談を中心に構成された一作。ツツ大主教は21年に亡くなっているので、もうこの対談は実現し得ない。非常に貴重な90分を体験することができる。
私がツツ大主教のことを覚えたのは、多くの音楽ファン同様、マイルス・デイヴィスのアルバム『TUTU』(1986年)を通じてだった。もっともこの作品はアルバム・タイトルが二転三転して最終的に『TUTU』になっており、マイルスがどのくらい大主教のことを知っていたか、関心を寄せていたかには不明なところもあるのだが、とにかくツツという名はこれで大いに広まったはずだ。アパルトヘイトの撤廃に尽力...