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『死霊のはらわた』の監督も称賛するフレンチ・ホラーの骨太傑作。撮影では本物のクモ200匹とVFXを融合! 『スパイダー/増殖』
フランス製ホラー・ムービー中でも特筆すべきヒットを記録している話題作が、ついに日本で公開されることになった。原題の『Vermines』は害虫という意味だそうだが、邦題はよりわかりやすく、「スパイダー=クモが出てくる内容」であることが示されている。この毒グモの性質があまりにも超絶的。観る前にどんな予想をしたとしても、それを軽く凌駕して迫ってくること間違いなしの、常識の通用しない生き物が描かれているのだ。ここでは「とにかく猛烈に繁殖して増大する」「殺そうとするとエライことに」とだけ述べておく。
「超強力な毒グモが人を襲う。しかもアパート内で」。集合住宅には、それこそさまざまな立場・さまざまな...
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トニー・レオンとワン・イーボーが競演。戦時中の上海を舞台にしたスパイたちの攻防戦『無名』
トニー・レオンとワン・イーボーの競演。これは心が躍る。中国国内での収益は約181億円を上回り、中国映画界最高の賞とされる「第36回金鶏賞」では主演俳優賞(トニー・レオン)、監督賞、作品賞の3冠を受賞。話題沸騰の『無名』が、5月3日から遂に全国順次公開される。
トニーはフー、ワンはイエという名のスパイに扮する。物語の舞台は、第2次世界大戦下の中国上海。中国共産党、国民党、日本軍たちのスリリングな腹の探り合い、心理戦、攻防劇がたっぷりと時間をかけて描かれる。表面上はにっこり、しかし実のところは虎視眈々。同時にスパイの哀感というべきものもしっかり描かれている。淡々とした(だがしっかり見ると実に...
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新しい女性像を描き出した90年代シスターフッド映画の金字塔が、待望の4Kリマスター
1991年に日本公開され、アカデミー賞やゴールデングローブ賞にも輝いたリドリー・スコット監督の大ヒット映画が、4K化のうえ劇場で復活する。ジーナ・デイヴィスとスーザン・サランドン双方の代表作であり、ブラッド・ピットの出世作にも数えられる『テルマ&ルイーズ』だ。
「とにかくだだっ広い」としか言いようのないアメリカのある地域で繰り広げられる物語だ。スーザン扮するヘビースモーカーのウェイトレスであるルイーズと、ジーナが扮する、なんとなく満ち足りていない主婦のテルマは友人どうし。気分転換というわけか、ふたりでドライブ旅行に出発する。途中、バーに立ち寄ったまではテンポが良かったが、チャラ目の男に声...
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【コレミヨ映画館vol.57】『83歳のやさしいスパイ』養老ホームに潜入せよ! おじいちゃんの“ミッション・インポッシブル”始まる
映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第57回をお送りします。今回取り上げるのは、タイトルの通り、お爺ちゃんスパイが大活躍!?する『83歳のやさしいスパイ』。果たして、セルヒオは無事任務をまっとうできるのか? とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『83歳のやさしいスパイ』
7月9日(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次公開
拳銃は撃たず、秘密兵器も使わないスパイが登場するドキュメンタリー映画である。あ、超小型カメラが仕込まれた黒ぶちメ...