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ポスト・コロナの傘の下であぶりだされる「食の問題」。話題のドキュメンタリーの続編が登場、『フード・インク ポスト・コロナ』
2011年に日本公開された話題作『フード・インク』の続編。『フード・インク ポスト・コロナ』という邦題通り、パンデミック以降の「食」とそれをとりまく事象が大きなテーマとなっている。
内容は非常に重厚で、人生で一度でも何かを嚥下した経験のある者なら、知らず知らずのうちに姿勢を正して見てしまうことだろう。とりあげられている国は基本的に「アメリカ」だが、けっして「よそ」の話で片づけきれないのはいうまでもない。とどまることを知らない巨大企業のはびこり(その背後には超格安で雇われた移民たちの過酷な労働がある)、児童糖尿病の増加、脳に「おいしい」と感じさせるであろうさまざまなエフェクトが加えられた菓...