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教育の尊さを知らしめる、ブルキナファソ、バングラデシュ、シベリアの女性教師たちの物語。『世界のはしっこ、ちいさな教室』
日本でもヒットした『世界の果ての通学路』公開から約10年。同作の制作チームが、新たな作品を放った。
舞台/中心人物となるのは、「ブルキナファソのサンドリーヌ」、「バングラデシュのタスリマ」、「シベリアのスヴェトラーナ」。3人とも女性教師であり、教え子たちにもっと広い世界を知ってほしいと、毎日、張りのある日々を過ごしている。サンドリーヌはとにかく子供たちに文字の読み書きができるようになってほしいと熱を込め、フェミニストでもあるタスリマは子供や女性にもしかるべき権利が与えられるべきだと語る。スヴェトラーナは極寒の中、遊牧民“エヴェンキ族”の伝統が消えていくのではないかと危惧している。
おそら...
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トロイ・コッツァー製作総指揮。夢と声を奪われた少女の再生物語。『裸足になって』
『コーダ あいのうた』で、ろう者の俳優として初めてアカデミー助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァーが製作総指揮を務める話題作が日本に上陸した。監督は『パピチャ 未来へのランウェイ』のムニア・メドゥール、主人公のフーリアにはアルジェリア出身のリナ・クードリが扮した。
舞台は北アフリカのイスラム国家、アルジェリア。フーリアはバレエダンサーを夢見て、日々の特訓にあけくれていた。が、内戦の傷も癒えず、治安のよくない中、彼女は男性とのとあるトラブルによって階段から突き落とされ、大ケガを負う。顔の包帯はとれたものの、脚のコンディションは戻らず、命の糧だったバレエも断念せざるを得なくなった。しかも、あ...
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第75回カンヌ国際映画祭で「観客が最も泣いた映画」と評された話題作『CLOSE/クロース』が、ついに日本上陸
前半の“ふたり”が一緒にいることの喜びを謳歌するだけに、後半の悲しさ、切なさ、重さが、どうしようもないほど深い。
第75回カンヌ国際映画祭のグランプリ受賞作にして、第95回アカデミー賞国際長編映画賞ノミネートでも話題を集める『CLOSE/クロース』が7月14日から全国公開される。監督のルーカス・ドンは、これが長編二作目。前作『Girl/ガール』が第71回カンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)に輝く気鋭だが、今回はそれ以上の評価を集めるのでは、との声も高い。
中心人物は、レオとレミという、13歳の少年ふたり。とにかく何から何まで気が合って、24時間一緒に過ごしてもまだ足りないぐらいの大...
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7月7日に、「イオンシネマ幕張新都心」と「イオンシネマ岡山」に、新たなIMAXシアターがオープン。イオンシネマ幕張新都心では、ぶっといシネマサウンドで、映画の世界に引き込まれる
現在大人気上映中の『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』や今週末公開の宮﨑 駿監督作品『君たちはどう生きるか』、さらには21日公開の『ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE』など、この夏は劇場の大画面で対面したい話題作が溢れている。そしてそれらをどの劇場、どの上映フォーマットで楽しむかも、映画ファンには悩ましいところだ。
イオンエンターテイメント株式会社では、そんな映画ファン注目のIMAXシアターを続々オープンしている。先日リポートをお届けした「イオンシネマ シアタス調布」に続き、7月7日には「イオンシネマ幕張新都心」と「イオンシネマ岡山」に、7月14日には「イオ...
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信念は、歌は、決して軍靴に負けない。強靭な意志に彩られたファミリー・ストーリー。『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩』公開へ
「第二次世界大戦前後のウクライナ」と、「現代(この場合は1978年)のニューヨーク」が交差する一作。戦争や差別の残酷さ、悲惨さ、むなしさをしっかり描きながら、音楽の尊さ、信頼や友情の美しさをも重厚に表現している。
1939年1月、ウクライナのイバノフランコフスク(当時はポーランド領スタニスワヴフ)に、とある大所帯があった。ウクライナ、ユダヤ、ポーランドの三家族が仲良く暮らしていたのだが、彼らの意思とは無関係なところで、それは引き裂かれ、軍靴が生命の尊厳を踏み潰す。残ったのは三家族の娘たち、そしてウクライナ人の母。ナチスに魂を売った、権力だけがよりどころの虚勢だらけの男たちが銃を持って家を...